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バナナの色が移り変わる理由。なぜ緑色のまま輸入されるのか?


古くは高級フルーツとして知られていたバナナですが、今では手軽に手に入る身近なフルーツになりました。バナナは時間が経つにつれて色が変色して、黒色になっていくのは誰でも知っている事だと思いますが、元々バナナは緑色の状態で輸入されると言う事は普段はあまり意識しない事です。そんなバナナの色が移り変わる理由や仕組みについて詳しく見ていってみましょう。

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なぜバナナは緑色の状態で輸入されるのか?

緑色のバナナ

なぜ緑色のまま輸入されるのかの理由については植物防疫法で禁止されているからです。

バナナは暑く、雨の多い所で育つ果物で熱帯雨林が多く存在する国で主に育てられています。それら熱帯に存在している果物には様々な害虫がついており、万が一、果実と一緒に日本にそれらの害虫が入ってきたら日本の生態系に悪影響を与える恐れがあり、これらを防ぐ為、法律によって輸入方法について厳しく禁じられているという訳です。

では、緑色ならなぜ輸入できるのか?についてですが、緑色のバナナはとても渋く、そのままではとても食べられるものではありません。食べた場合には、口の中に膜のようなものが張ったような感覚になります。これは、唾液に溶けたタンニンが、口の粘膜のたんぱく質を収縮させて被膜を作るためです。

収縮によって自然と表情が酸っぱいものを食べた時のようにしかめっ面になってしまうのはそういった理由からです。つまり、渋みというものは味覚というよりも痛覚によって知覚され、まるで毒のような存在なわけです。

このタンニンの強烈な渋みという毒のおかげで緑色のバナナには害虫が寄り付かず、熟していない緑色のバナナは輸入が認められているんですね。

日本に輸入された緑色のバナナは室(むろ)と呼ばれる倉庫に入れられてエチレンを作用させられます。 これを追熟と呼びます。するとタンニンが変化を起こし、渋みを感じさせないものになります。

エチレンは本来、バナナが呼吸する時に自然と放出している植物ホルモンの一種で、放っておけばやがて黄色く熟していくのですが、出荷のタイミングを調整するために人工的にエチレンを使って熟させているんですね。

緑色から黄色へ。なぜ色が変わるのか?

植物は、太陽光を浴びる事で光合成をすることは一般常識ですね。この光というのは、光合成のために重要な要素なのですが、太陽光に含まれる紫外線は細胞や遺伝子を壊す作用を持っています。

紫外線対策に日焼け止めを塗ったり、日傘を使ったりといったことを人間は行いますが、植物は紫外線に対して緑色になることで紫外線の害から細胞を守っています。植物が緑色なのは、何も光合成を行うためのものではないという事ですね。

緑色の色素の元となるクロロフィルという物質が紫外線を吸収する性質を持っており、植物は日焼け止めのようにして利用しています。

緑と黄色のバナナ

また、バナナの皮にはカロテノイドという黄色の色素(キサントフィル)も含まれ、これは紫外線や強すぎる光に対して皮に包まれた身を守る役目を担っています。しかし、緑色の方が黄色と比べると色が濃いため外からだと一見、緑色にしか見えないのです。

バナナの実が十分に育ってくると、実を守っていた皮の色素が徐々に分解されていきます。緑色のクロロフィルの分解は早く、黄色のカロテノイドの分解はゆっくり進むので、緑色の色素が先に薄くなり、それまで緑色で占められていた黄色が徐々に表に現れていきます。

つまり、バナナが黄色くなるのは、黄色の部分が増えていくというよりは、緑色が薄くなっていき、隠れていた黄色が目立ってくるからというわけですね。このような色の移り変わりはイチョウの葉が黄色くなるのと同じ原理です。

赤いバナナ

ちなみにモラードという赤いバナナが存在していますが、そちらの色が赤いのはβカロチン(ベータカロチン)という赤橙色の色素が多く含まれるためです。βカロチンで身近なのはニンジンの色ですね。

モラードは生食ももちろん可能ですが、加熱して食べる料理用のバナナとしても広く知られています。通常の黄色いバナナ(キャベンディッシュ種)に比べて甘味があり、ラズベリーのような風味も一緒に感じられるようです。食感はもちもちとしており、柔らかいのも特徴です。

モラード

 

黄色から黒へ。冷えると黒くなる?

すぐに食べきれずに冷蔵庫でバナナを保管していると、黒く変色してしまった経験はありませんか?また、皮に傷が入ってしまった場合や、切った実をそのまま置いていると、黒色というよりも茶色く変色していきます。これは、タンニンが酸素と結びついた結果として起こっています。冷蔵庫で冷やされるのも包丁で切られるのも細胞にとっては、壊れてむき出しになり酸素にさらされるという意味では同じ事です。

タンニンは、たんぱく質と結びつきやすい性質から、毛皮をなめす時に使われてきました。毛皮のコラーゲンたんぱく質とタンニンが結びついて、しなやかで強く腐らない革に変えるのです。このことから、細胞が傷つくとタンニンは、たんぱく質と結びついてかさぶたのような被膜を作り、傷口から雑菌が入らないようにするためではないかと考えられています。タンニンは植物が持つ防御反応の仕組みを支える要素の一つなんですね。

ちなみにバナナの皮を靴磨きに使う事が出来るのはご存知でしょうか?これはタンニンの作用ではなく、バナナに含まれるカリウムが革に作用することによって光沢を生むそうです。皮に付いた筋を取ってから、実の付いていた側を円を描くようにして靴に塗りつけて、少し置いてからクロスで綺麗に拭き取る事でOKです。目立たない場所で試してみてからであればさらに安心ですね。

ちなみに金属磨きや意外な所では、CDの読み取り面にバナナを塗ってから拭き取ると読み込み不良が直るとも言われていますので、ダメもとで試してみてはいかがでしょうか。

靴磨きやCD磨き


以上、緑色、黄色、黒色というバナナの色の移り変わりについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。そこには植物の持つ性質が深く関わっており、とても興味深いものでした。今度バナナを食べる時は少し気にしてみてくださいね。

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