安倍晋三首相が真珠湾慰霊へオバマ大統領と訪問。アメリカでの反応は?
安倍晋三首相は12月26、27両日の日程で真珠湾攻撃の舞台として知られる米ハワイ、ホノルルを訪問し、オバマ大統領と共に慰霊すると12月5日の会見で明らかにしました。
真珠湾攻撃は第2次世界大戦で米国が参戦するきっかけとなった出来事ですが、開戦から75年が経つこの年に日本の現職首相が真珠湾を訪れるのは初めての事となります。
1941年12月7日の真珠湾攻撃によって、戦死者は2300人以上に上り、1300名以上がが負傷したと伝えられています。
日本では、トップニュースで報じられたこのトピックですが、アメリカでの反応は一体どんなものだったのでしょうか?
スポンサーリンクグーグルトレンドでの検索インタレスト
まず、アメリカにおけるグーグルトレンドでの反応を見てみましょう。
ニュースが報じられて、徐々にニュース記事数が多くなっていくにつれて、検索インタレストも記事数にほぼ同期するようにピークが来ていますね。また、記事数が減少していくにつれて、これまた同期するように検索インタレストも減少していっています。
元々12月7日は毎年National Pearl Harbor Remembrance Dayのイベントが行われますので、今回の安倍首相訪問のニュースが無かったとしてもこの時期にはある程度の関心が集まることを考えると、一気に関心が集まったあとに鎮まっていく動きが見て取れます。
ちなみに日本における反応は、
ニュース記事が初出しされてから記事数が2度ピークを迎えていますが、それと同期するように検索インタレストも2度ピークを迎えているのが如実に見て取れます。日付が変わって多少フォロー記事が報じられると同時にまた大きなピークが出来ていますね。一夜明けて改めて検索し直した人がかなり多かったという事が推測出来ます。
アメリカにおけるニュース記事では?
ホワイトハウスの報道官のコメントによると、第2次世界大戦の退役軍人の人々が持っている真珠湾の奇襲攻撃に対する個人的な感情は抜きにして、安倍首相の訪問を歓迎すべきだと語っています。かなり退役軍人の人々の感情に配慮した慎重な言葉選びがされているようです。
また、今回の訪問はあくまで慰霊であり、真珠湾攻撃に対する謝罪という意味合いは含まれないということにも言及しています。これはオバマ大統領が5月に現職の米大統領として初めて広島を訪問した際に、謝罪の言葉を口にする事は無く、戦争の惨禍に対する悔恨の意と核のない世界を表明することに終始していたことから、そう見られているようです。
日本のニュース記事では11月にペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で真珠湾訪問が両者によって同意され、米国側が打診してきた真珠湾攻撃の日、12月7日(日本時間8日)の訪問は謝罪色が強くなりすぎる事を懸念した日本側によって12月26、27日に変更なったという事情が触れられていますが、アメリカにおけるニュース記事ではあまり記述されていないようです。
加えて、オバマ大統領の広島訪問に対して、安倍首相の訪問はこの返礼の意味合いがあるという認識のようで、安倍首相が記者会見で語った、「日米の和解」というキーワードはお互いに戦地を訪問するという事で示されるということですね。ちなみにアメリカのニュース記事では“reconciliation”という風に表現されています。そのままずばり「和解」という意味の単語です。
また、75年という節目の年での訪問という他に次期大統領就任が決定しているドラルド・トランプ氏に対するけん制の意味合いもあるということにも言及されています。安倍首相が語った「4年間の集大成」「最期の首脳会談」というキーワードからこの辺の事情が透けて見えてきます。
米ニュース記事に対するインターネットユーザーのコメントは?
両国の良好な関係を築く上では歓迎されるべきだという好意的な意見が多い印象です。流石に慰霊の為に訪問するという他国のリーダーを頭ごなしに批判するような感情はあまり無いようですね。
それよりも、群抜いて多いのがオバマ大統領に対するかなり過激な批判コメントの多さです。もう既にトランプ氏が次期大統領に就任することが決まっているので、ニューリーダーに対する期待が高まっているこの時期ということを考えれば理解は出来るのですが、「早くホワイトハウスから出て行け。」という論旨のコメントが多く寄せられているのが目に付きます。
もはや、真珠湾訪問とは関係無しに、オバマ大統領に対するネガティブキャンペーンが未だに展開されているというのは、アメリカ国民がいかにオバマ大統領に辟易していたかが現れているようです。
現状では、アメリカにおいてこのような反応が見られますが、26、27日の訪問時の反応はどんなものになるかも気になるところですね。