ライザップならぬ松ザップ。ダウンタウン松本人志の筋トレ方法について
ある時期を境にどんどんマッチョ化していき、今ではすっかり分厚い上半身がおなじみになったダウンタウン松本人志さんですが、その肉体を作り上げた方法について番組で紹介されていましたのでその詳細メニューについてまとめてみました。
紹介されたのは「松本家の休日」と言うABC朝日放送の番組でいわゆる関西ローカルというやつですね。そんなバラエティ番組で、2回に渡って「松ザップ」と称して松本人志さんの筋トレ法について放送されました。
スポンサーリンク目次
筋トレをするようになったきっかけは?
2010年6月に股関節唇損傷という股関節の障害を患い、それをきっかけに体力作りの為に筋トレを開始したそうです。
手術を終えて安静時期を越えてからが筋トレの開始時期としては考えられますので、トレーニング歴としては5年から6年のキャリアとの事です。始めは下半身強化を目的としてトレーニングしていくうちに徐々に全身を鍛えるようになっていったようですね。
松本さんは1963年9月8日生まれですから、48歳頃から筋トレを開始し、50代半ばにして肉体を維持しているというのは大変な事です。
歳を取ってからは筋肉は付き難いと言われますので、かなりストイックにトレーニングしていなければあの肉体はあり得ないと言う事になりますね。実際に紹介された筋トレメニューやその方法を見れば、あの肉体についても納得がいくような内容になっていますね。
番組で向かったジムは?
普段、松本さんが通われているジムとは番組の都合上違いますが、出演者一向が向かったのは大阪は南堀江にある「Club GINO Horie」 という24時間営業のジムです。出演者の一人である、たむらけんじさんは会員として通われているそうで、個人ロッカーをお使いになっていましたね。
大阪府大阪市西区南堀江1-14-29
公式ページ http://club-gino.com/index.html
松本人志の体重や体脂肪について
番組では筋トレ法の紹介の前に体組成計で体重、体脂肪などを計測していましたが、気になる松本さんの数値は
- 体重 67.4kg
- 体脂肪 16.6%
- 筋肉量 53.3kg
との事でした。
計測機器はタニタの業務用マルチ周波数体組成計 MC-780A ポールタイプですね。
家庭にある体脂肪測定は1つの周波数で測定をするのが一般的ですが、こちらの機器は3つの周波数を使って測定しているので高精度な測定が可能になっています。さらに筋肉の付いているバランスについても表示されますね。
商品ページ: http://www.tanita.co.jp/product/g/_MC78001001/
計測結果では、松本さんは上半身の右側の筋肉が多めに付いているとの事でした。松本さんは左利きですので、右に比べて左手を器用に使える分、左手側にかかる負荷を上手く逃す事が出来るので、自然と利き手と逆の筋肉、すなわち右側に筋肉が付き易くなるというのが原因の一つとして考えられます。実際に番組内でも非利き手側の方が筋肉がつきやすいという説明がありました。
計測中の松本さんはかなり真剣に数値を気にされているようで、熱心なトレーニーのあるあるかもしれませんね。自分の体のデータにはかなり敏感なようです。
スポンサーリンク松本人志のトレーニングメニュー、方法について
トレーニング頻度としては多いときで週3日行っているようですね。
具体的なメニューについては以下の通りです。
ベンチプレス
まずはベンチプレスからスタートさせるのがいつものルーティンのようです。
限界の8割のウェイトに設定して、5回挙げるというのが筋トレのスタートメニューで、松本さんの場合は100kgスタートだそうです。
これはあくまでウォーミングアップですので、松本さんからするとまだまだ余裕のある重量と言う事ですね。
実際に番組内では95kgからスタートしていましたが、言葉を交わしながら行えるぐらいで、本当にウォーミングアップと言った感じでした。バーの設定は胸の高い位置に合わせるという松本さんからのアドバイスもありましたね。
バーを下ろしきる手前で止めているので、ちょうど肘の高さが体と水平になるぐらいまで下げるという方法で、挙げて下ろすのにそれぞれ1秒とかなり動きを早くしているのが特徴でしょうか。
一般的にウェイトは「1秒かけて挙げて、2秒かけて下ろす」のがスタンダードと言われていますので、下ろすのが早すぎる印象ですね。これはエキセントリック収縮時に負荷をかけると筋肥大をより起こしやすくなる原理に基づいているのですが、この辺をもう少し意識してみてもいいのではないでしょうか。
また、反復回数(レップ数)が総じて5回以内とかなり少なめに設定しているのも特徴です。通常レップ数を5回未満に設定すると筋肥大よりも筋力を上げるトレーニング方法となりますので、体作りという面ではおすすめできません。ただし、筋力アップを狙っているのであればかなり有効です。
少ない回数でのトレーニングメニューではウェイトを扱うフォームテクニックや神経系の能力向上によってトレーニング結果が左右されますので、あまり伸びしろが期待出来ないのが難点です。←あくまでボディメイク的な面から見たときにはという意味でパワーリフターなどは回数を少な目だったり。
やはり一般的に言われる8~10回程度で限界を迎える重量設定が基本となりますので、松本さんが行っている低レップのベンチプレスはアクセントとして利用するのが良いと思われます。
セット間のインターバルは30秒ほどで、かなり短めです。ベンチプレスでは通常1分30秒から2分ぐらいが適当、場合によっては5分でもと言われていますので、かなりキツイと思います。
回復が追いつかずに十分に追い込めなくなってしまいますので、もう少しインターバルを取ってもいいのではないでしょうか。
2セット目は115kgで3回。ここでは使用重量が20kgアップしましたのも影響して、下ろす動作に大体2秒ほどかけられているのでOKですね。
3セット目は135kgで3回。最後の1回は挙がりきらなかったため、かなり限界まできていた様子です。動作は全体的にゆっくりでしたので負荷はかかっていると思いますが、挙げて下ろす動作がどんどん小さくなっていっている点(動作がパーシャル)が気になります。
トレーニングフォームでいうと可動域全体を使うフルレンジによって負荷をかけていくのが基本ですので、これでは負荷が不十分となります。
また、ベンチプレス中のフォームについてですが、お尻を浮かして背中を反らすブリッジ動作が入っています。
ブリッジを作る際の足の位置ですが、お尻の真下に足を置くぐらいの意識のポジショニングの方がより適正。
高重量を扱う際に意地でも背中をベンチ台に着けて行っていると肩がバーベルの重量の影響で内旋傾向になるのでNG。肩が内旋してしまうと肩の腱が過度に収縮してインピンジメント症を引き起こすので要注意ですね。
松本さんは135kgぐらいが適正とおっしゃってましたが、もう少し負荷を軽くして、より厳格なフォーム(ストリクトフォーム)で筋トレを行うほうが怪我のリスクも下がりますのでおすすめのように思います。
ベンチプレスでは、背中の肩甲骨を寄せて、胸を張り出すフォームを維持したままバーベルの挙げ下げを行うのが基本ですが、この点はしっかり実践されてたので素晴らしかったですね。
肩甲骨を寄せる事を意識しないままで高重量を扱うとローテーターカフ(回旋筋腱板)にテンションに過度なテンションがかかって痛みや怪我の原因になりますので要注意。
松本さんはスミスマシンを使用しているので軌道はマシンの設計上、垂直に上下に動くのですがそうなるとちょっと問題。ここがスミスマシンを使ったベンチプレスの泣き所。
本来の理想的なバーの軌道は目線の高さの位置からやや弧を描きながら乳首の辺りに降ろしていくのが良いとされていて、垂直にバーを降ろしてしまうと鎖骨を圧縮する方向で力が働いた結果として肩に過度なテンションがかかって痛みを発症するリスクが増大するんですね。
腕の位置は真上から見ると横に90°にキッチリ張り出した形ではなく、やや脇を閉めるように75°ぐらいになるのが理想的。そうする事でより自然な弧を描いてバーを上げ下げできますね。
また、当たり前ですが胸に降ろした時に肘の位置はバーの真下に来るのが鉄則。真横から見て正しい位置に肘が来ているか初心者の場合はしっかりチェックしましょう。
また頭の方や足先から見た時に肘の角度が90°になるのも大事。バーと前腕、体で綺麗な長方形のボックス型になるのが理想的。これがグリップ幅が広すぎたり狭すぎたりして台形になってしまうとNGなので要チェック。
狭いグリップ(ナローグリップ)にすると上腕三頭筋の関与が強くなるので、その目的で使用する場合はナローグリップでもOKですがまずは正しいグリップ位置を探るのが大事ですので悪しからず。
スポンサーリンクチェストプレス
ベンチプレスのメニューをこなした後はチェストプレスを行います。大胸筋に効くトレーニングを重ねるのは以前の記事でご紹介した筋トレテクニックであるコンパウンドセット法の一環ですね。
まずは55kgで15回。2セット目以降は10kgずつ増やすようで、具体的なセット数については紹介はありませんでしたが、3セット以上のメニューで行うようです。
ここでは15レップの設定で、筋持久力をアップさせるようなアプローチで回数をこなしています。
先ほどのベンチプレスが低レップでしたので、続くこちらの種目では持久力に重きを置いているのが目的なのかもしれません。
肩甲骨を寄せて胸を張るフォームのままフルレンジで動作を行っているのは非常に良いですね。ただ、負荷が軽すぎるせいでしょうか、下ろす動作が早すぎるのが気になります。
ラットマシン
次はラットプルダウンですが、先ほどの大胸筋とは拮抗筋となる広背筋のトレーニングメニューを組み合わせるということで良いバランスです。スーパーセット的なアプローチですね。
やはりここでも動作が早すぎると思いますし、動作もフルレンジではなくパーシャルになってしまっていますね。レップ数も多めになっています。ラットプルダウンの正しいフォームでは大体首の位置まで引きますので、引ききった状態は良いですが、腕を伸ばす動作が不十分です。
また、腕の力をかなり使っている印象ですのでこれはNGです。あくまで背中で引くフォームを意識した動作を行うのがラットプルダウンの肝になりますので、腕の力は極力入れないのが基本です。
体を反らすのは適切ですが、勢いをつける動作はチーティングになってしまいますので、体を前後に振る動作は極力行わないのが原則です。チーティングはあくまで限界を迎えてから行うようにしたほうが良いと思います。
また、後半では引ききる動作も小さくなって目の高さぐらいまでしか引けていませんのでかなり無理をしているのではないかと思われます。
ただ、最後のレップで引いた動作のまま3秒ほど絞り込んでゆっくりとウェイトを戻して終わるのは非常にいいですね。限界に達した後にさらに絞り込む動作は非常にきついのですが、これを行えるというのは日頃から追い込んでトレーニング出来ている証拠でもありますので素晴らしいですね。
たむらけんじさんがラットプルダウンを行っている時の松本さんの表情がとても印象的です。他人が強い負荷でトレーニングしているのを見ているとあたかも自分がトレーニングしているような気になって自然と筋肉が緊張するのはトレーニーあるあるかもしれませんが、この時の松本さんの表情がそんな感じになってましたね。
上腕三頭筋のトレーニング
お次はライイングトライセプスエクステンション(別名:スカルクラッシャー)のメニューになりますが、松本さんのフォームだと大胸筋上部にも負荷が行っていますので、エクステンションというよりはナローグリップベンチプレスのような状態かなと思います。
グリップ幅は肩幅よりやや狭めにとっています。ここでも動作が早すぎますし、レップ数もかなり多めで完全に筋持久力を上げるトレーニングになっていますね。
本来のエクステンションのメニューでは上腕三頭筋に効かせなくてはいけませんので、肘を真上に向けたまま肘から先だけを曲げ伸ばしするのが正しいフォームです。バーの軌道が垂直に上下に動くのをイメージするのがポイント。弧を描くようにすると負荷のかかる位置が変化してしまうので要注意。
コチラが見本動画。
松本さんはストレートバーを使って行っていますが、動画のようなEZバーを使うのもオススメ。
スポンサーリンク僧帽筋のトレーニング
松本人志さんは僧帽筋を鍛えるメニューとしてシュラッグを選択されています。
22kgを2つ持ってのシュラッグ50回を3セット。
これも動作が早すぎるので、もっとじっくりと僧帽筋に効かせるように丁寧に行い、レップ数も少なくするメニューの方がより効果的ですね。
トレーニング中の負荷のかかり方を見ると、もっと重いウェイトでレップ数を少なくしてじっくり効かせるやり方でも松本さんからすれば問題ないように思えますね。
デクラインベンチクランチ
傾斜をややつけた状態で行うのでデクラインベンチになりますが、15回を3セット行います。ベンチの角度については急激な角度はつけないようにしてあります。これは別記事にあるように大事なポイントですからしっかり押さえてあります。
松本さんは背中をしっかりパッドにつけるフォームを意識すると言ってましたが、実際は負荷が抜けてしまうのを防ぐためにギリギリで止めるほうが良いです。ただし背中をつけたとしても負荷が抜けないように意識しているのであれば問題はありません。
繰り返しになりますが、もっとゆっくりとした動作で丁寧に行うのが重要で、回数をこなす事に意識が集中しすぎるとこのような傾向になってしまいますね。
松本人志の独自トレーニング法 2種
そして、通常のトレーニングに加えて、松本さん独特のトレーニング法が2種類紹介されてましたが、
その1. 最悪の状況からの100連打
これは限界を迎えた後に、ごく短い動きを連続して(番組では約80回)行ってさらに追い込む方法として紹介されていました。
筋トレテクニックのパーシャルレップ法の一種と言えますね。これは相当キツイですし、追い込む手段としては有効のように思います。
ただ、極小さな動きを80回も出来るのであれば、フルレンジの動きでレップ数をもっと増やして、最後の最後に数回だけこの方法を取り入れるほうがいいような気もしますので、何ともいえませんね。
その2. 3セット目のウソよね~
トレーニングのコツについて松本さん3セット目を最も重要視しており、時として自分を騙すように限界まで追い込む事と語っていました。
これは松本さん曰く「ウソよね~」との事。
これは限界を迎えた後に、ラットプルダウンであればバーを揺らすようにして筋肉を絞り込んでから、さらにレップ数を数回稼ぐという方法です。これはレストポーズ法の一種とも言えます。
また、大声を張り上げながら力を振り絞っていたのも有効ですね。それが許されるジムであればOKですが、他の人に迷惑がかかるような声を上げる行為が禁止されているジムもありますので、声を出しながらのトレーニングはケースバイケースになります。
ただ、番組上、声を上げていただけで、普段は黙々とやってらっしゃる可能性もあります。
この2種類のテクニックは共に限界を迎えてから最後に振り絞って、自分を追い込むための方法として紹介されていましたが、これはトレーニングを行う上で非常に重要な要素です。
筋トレを行う日について松本さんは「地獄に行ってくる」と表現しているそうで、そのストイックさがにじみ出ていますが、これはプロのボディビルダーにも共通する事で自分を限界まで追い込むと言う事を端的に表現した言葉だと言えます。
ここで筋トレメニューについての紹介は番組上は終わりましたが、松本さんだけがジムに残って、他のメニューもこなしていたようで、バーベルのロー動作、レッグプレスも行っていました。
下半身のメニューが残っているとおっしゃっていましたので、その他の下半身トレーニングも行っているようですね。最後は首が鍛えられてないと不満を漏らしていました。
以上が番組で紹介された松本人志さんのトレーニング方法でした。とにかく限界まで追い込んで、さらにその先まで目指す姿勢は筋トレを行う上では最も重要とも思われる肝の部分ですので、この精神は見習いたいですね。