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クロスフィット的視点から見るスクワットの代表的な7つの誤りとは?フルスクワットは本当に危険なのか?


筋トレの王様である「スクワット」。下半身はもちろんのこと、姿勢を安定させるために腹筋、背筋(体幹)も含めて全身運動にも例えられる程の素晴らしい筋トレメニューで全身の総合的な体力を向上させることを目的とする「クロスフィット」でも好んで行われるメニューです。

全身を鍛えられる代わりにそれだけきついトレーニングメニューであるこのスクワットの正しい作法を今一度確認して、日々のトレーニングメニューに是非加えてみましょう。

上半身ばかりに気を取られて下半身が疎かになっている人は要チェックです。クロスフィット的視点といっても正しいスクワットについては全ての人に知っておいてもらいたいものですので、30日スクワットチャレンジなどの自重のみで行うスクワットしか行わないという人でもしっかりポイントを押さえておきましょう。

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クロスフィットとは?

欧米から始まったファンクショナルトレーニングの一種で大規模な競技会が開かれるほど流行しているトレーニングプログラムです。競技会が開かれるほどですからほぼスポーツといっても過言ではありません。

心肺機能、スタミナ、筋力、柔軟性、スピード、コーディネーション、俊敏性、バランス能力などなど、全身の運動能力を総合的に鍛えるトレーニングメニューが特徴的で、一般的に「運動神経が良い」といわれるタイプの体作りを目指すのがクロスフィットのゴールになります。

見せるための筋肉よりもより実践的で使えるための筋肉をつけていくという見方もでき、ボディビルダー的な体よりはアスリートの体になっていきます。

とはいってもトップのクロスフィット選手(クロスフィッター)になると、ボディビルダー顔負けの筋肉量になります。男子だけではなく女子の競技会も大規模なものが開催されており、日本だとなかなかお目にかかれない強烈な体を誇る女子選手も多いですね。

モデルの中村アンさんがトレーニングメニューとしてクロスフィットを取り入れているそうですが、海外のトップクロスフィッター達は想像を絶する身体能力で完全にアスリートです。

以下の動画を見ていただければ明らかですね。

スクワットの大きなメリット

というわけで、クロスフィットでは全身の身体能力を向上させていくアプローチをとるのが特徴なんですが、そんなクロスフィットのトレーニングの中でもスクワットは非常に重要なウェイトを占めています。

全身の複合エクササイズであるスクワットは筋肉だけでなく、股関節、膝関節、足首や全身の骨格または腱なども同時に鍛えられるという大きなメリットがあり、このエクササイズだけで大きなダイエット効果も狙えるほど効率的なメニューと言われています。

またクロスフィットではパワーを一気に爆発させて行うメニューが課される事も多々あるのでスクワットはそんな体の使い方を学ぶためにもうってつけ。

ただし、この大きなメリットと引き換えに、かなり体に負担をかける筋トレメニューでもあり正しいテクニックで行わないと重大な怪我にもつながるため、十分に注意して行う必要があります。

それでは、やってはいけない、スクワットの代表的な7つの誤りについてクロスフィット的な視点から見てみることにしてみましょう。

1. 沈み込みが浅すぎる

スクワットのメリットを最大限に引き出すには、しっかりと腰を落として沈み込む動作(フルスクワット)が不可欠です。

クロスフィットではオリンピックの重量挙げで行われるクリーン&ジャークやスナッチの種目を多く行うという特徴があるのですが、その動作を正しく行うためにスクワットを活用します。

そのため、沈み込みはハムストリングスがふくらはぎに着くぐらい深く沈み込まなければいけません。

以下の動画は重量挙げの選手としても競技会に参加しているクロスフィッターのローレン・フィッシャー(Lauren Fisher)によるクリーン動作。姿勢を安定させた後に一気にジャーク動作へ移行します。

沈み込みの深さに注目してもらいたいのですが、あの位置ぐらいまでスクワットで沈み込むのを目標としてみましょう。動画のような、より強度の高いクリーン&ジャークやスナッチを行う準備段階として考え、出来る限り深く深くを心がけましょう。

ただし深く沈み込んだ状態でバットウィンク(お尻が丸まる)を起こさないまでが限度です。この点については別記事でご紹介しますので以下のリンクをご参照ください。肩こり解消ストレッチに関連してバットウィンクについて補足してあります。

浅いスクワット(ハーフスクワット)になってしまう原因の一つに沈み込んだ状態から持ち上げられる自信がないというものがありますが、もしそう感じるのであれば思い切ってウェイトを軽くしましょう。

また、膝のサポーターを着けることで安定感が生まれるため、サポーターなんかは上級者のためのものと思わず、有効活用しましょう。

また、深く沈むフルスクワットでは腰を痛めたり、膝を痛めたりというリスクについて語られることがありますが、それでは重量挙げの選手たちは何故深く沈み込めるのかを考えてみましょう。それは正しいフォームでスクワットやクリーン動作を行えているからに他なりません。

深く沈み込むフルスクワットではなくハーフスクワットを行うように勧められる本当の理由はその方が無難なトレーニングだからです。

その点については後の項目で触れていきたいと思います。

2. 十分なインターバルをとっていない

クロスフィット的なスクワットを行うにはかなり肉体的に負担が大きいため、セット間のインターバルは精神的にも肉体的にも100%の状態で臨む必要があります。

胸や脚などの大きな筋群については大体4分から5分ぐらいを目安にするのが基準と言われていますので、スクワットについても4分から5分程度のインターバルを基準にしながら100%の状態で臨めるよう自分で微調整するようにしましょう。

3. 過伸展(前傾が強すぎて反り腰になる)

30日スクワットチャレンジというダイエットメニューは多くの女性にとって魅力的に感じるかもしれませんが、そこで紹介されているスクワットの方法には重要なポイントが抜けている場合が多く見られ、特にこれからスクワットチャレンジをやってみようという方に注意してもらいたいポイントがあります。

それが脊柱の過伸展(spinal overextension)。

これは初心者だけではなく普段ジム通いをしている方でも間違っている場合が多いので今一度確認しておきましょう。

この過伸展については分かりやすく言えば、お尻を突き出すようにして反り腰になっている事を言います。クロスフィット的スクワットの注意点 腰の過伸展

普段の姿勢から腰が反ってしまっている方もいますが、この姿勢では腰を痛める原因となります。

深く沈むフルスクワットではこの影響が顕著になりますので、間違ったフォームだとしても深刻なダメージにつながりにくいハーフスクワットが初心者には勧められるわけですね。

画像の状態から腰を下ろしていった場合は上半身とバーベルの重さを下背部(腰)でのみ支えることになってしまいます。

こちらの動画では過伸展を防ぐテクニックとして、直立した姿勢で大臀筋(お尻の筋肉)を意識して固める方法がおすすめされています。バーの位置は肩の低い位置(ローの位置に置く)ローバースクワットですね。

内股気味の姿勢だと腰が反りやすくなってしまうため、クロスフィット的スクワットの注意点 反り腰を防ぐ 大臀筋を固める

太ももを開く姿勢を心がけます。大臀筋を固めると自然と太ももが開きますね。 クロスフィット的スクワットの注意点 反り腰を防ぐ 大臀筋を固める02

横からの画像はこんな感じ。反り腰の状態になってしまうとNG。この姿勢のままスクワットをおこなている人は結構見かけるので要注意です。クロスフィット的スクワットの注意点 反り腰を防ぐ (3)

腰を下ろす前にお尻を固めて姿勢を整えます。 クロスフィット的スクワットの注意点 反り腰を防ぐ (4)

トレーニングパートナーがいる人はスクワットの姿勢をしっかりチェックしてもらいましょう。一人でスクワットを行う場合は、横からスマホなどで動画撮影をしてみて、フォームチェックをしてみると良いでしょう。

どうしても腰が反り気味になってしまう場合は体幹の筋肉も補強でトレーニングするようにしましょう。

それでも姿勢が崩れる場合は軽いウェイトに切り替えて正しいフォームを固めてから徐々に重量を上げていくように。無理をして怪我をしてしまっては元も子もありません。

4. 視線が上向きすぎる

一般的に人間は視線が向いている方向に動こうとする性質があり、例えば懸垂などのプルアップやチンニングのメニューを行っている時は天井やバーの方向を見ている人がほとんどだと思います。

これをスクワットの場合で考えてみると、視線は真っ直ぐ向けるのが正しい視線の方向です。

体を持ち上げるという意識が強いせいか視線を上向きにしているケースが目立つように思いますが、視線を上向きにすると背中の上側や首回りの頸椎に過度な負担がかかりますので避けるべきです。

5. フォームが雑

美しいフォームでスクワットを行っている人というのは決して雑にウェイトを担ぐことをしません。

何度も何度も繰り返しスクワットを行っていると徐々に体が慣れてしまって正しいフォームを整えることを疎かにしがちですが、上級者になればなるほど、丁寧に姿勢を確認しながらスクワットを行っているはずです。

高重量を担ぐようになればなるほど、ちょっとした油断が重大な故障につながる事を上級者は分かっているのです。

バーベルをラックから外した後に、大臀筋を収縮させて固め、骨盤のポジションを適正な位置に固定し、胸の位置が上に上がらないように意識して、胸郭をしっかり下げます。

胸郭を下げることで体幹を効果的に固めることができ、腰を痛めるリスクを下げることが出来ます。

このようなスクワットを行う上で確認すべきチェックポイントを上級者になればなるほど確立しているものですので、初心者のうちから出来るだけポイントを押さえられるようになりましょう。

クロスフィットでは同じ動作を繰り返し何回反復出来るかの能力が重要視される傾向にありますので、疲れた時こそ正しいフォームを意識しましょう。

30日スクワットチャレンジについても同様で、日々スクワットの回数を増やしていくトレーニングメニューであるチャレンジでは回数をこなすうちにフォームが雑になりがちですので要注意です。

6. 呼吸法が使えていない

正しい呼吸法が使えていないと、体から力が抜けてしまって最大限パワーを発揮することが難しくなるため、意識して呼吸を使うことを覚えておきましょう。

息を吐くタイミングを間違えてしまうと、腹筋から力が抜けてしまい、体幹が緩んだり、背骨のフォームが乱れたりとその悪影響は顕著です。

バーベルを肩に担いでから息を大きく吸い、体を沈める段階では息をキープ、そして持ち上げるタイミングでゆっくりと息を吐いていきましょう。

息を吐くときは口を大きく開けて一気に吐くのではなく、口をすぼめるようにしてゆっくりを意識しましょう。

正しい呼吸法が使えていると腹筋のトレーニングにもなりますので、自重のみで行うスクワットについても意識すべきポイントですね。

7. 膝が内側を向いてしまう

スクワットを競技として行うパワーリフターの中には膝をやや内向きにさせながら高重量を上げる選手(これをニーイン=knee inといいます)もいますが、基本的に膝を内向きにするのは避けるべきです。膝が内側を向いてクロスフィット的スクワットの注意点 膝が内側を向いて内股気味になるのを防ぐ

お尻周りや股関節の柔軟性が低かったり、内向きに大腿部を動かす癖がついていたりすると、自然と膝が内側を向いてしまいがちです。特にX脚の傾向がある人はこの膝の向きに注意しましょう。

以下の動画はお尻周りや股関節の柔軟性を高めるストレッチの紹介動画となっています。

このようなストレッチで柔軟性が高くなれば、自然とスクワットの記録も伸びていく助けになりますので日々のルーティングに組み込むのがおすすめです。

それでも内股気味になってしまう場合は正しく扱える限界を超えた重量を担ごうとしている事が考えられますので、その場合は素直に重量を下げるようにしましょう。

最後に日本の山本俊樹選手のトレーニング映像をご紹介します。85kg級の重量挙げ選手によるスクワットのトレーニングの様子も動画に収められていますので是非参考に。

深く深く落としていく腰の位置に是非注目。

 - トレーニング

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