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大ブームの天然氷のかき氷。その天然氷はどのようにして作られているのか?「ソノサキ」より


7月31日にテレビ朝日系で放送された「ソノサキ」では「夏は氷!! 日光の天然氷が極上かき氷に変身&コンビニ氷の驚き製法!」と題して日光の天然氷を特集していましたね。

最近では、天然氷を使ったかき氷が大ブームということで、その大元となる天然氷はどのようにして作られているんでしょうか?

その昔ながらの製法は非常に興味深いものということで番組で紹介された情報を元に詳しくご紹介します。

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 日光の天然氷

  • 東京都世田谷区 和kitchen かんな
  • 東京都港区 YOKUMOKU 青山本店
  • 東京都足立区 椛屋(もみじや)
  • 京都府京都市 マールブランシュ 北山本店
  • マールブランシュ ジェイアール京都伊勢丹サロン店
  • 栃木県日光市 湯沢屋
  • 栃木県日光市 千両茶屋

などなど。

これらのお店では日光の天然氷を使用しているのですが、

その提供元は全て同じお店。

松月氷室

ということで番組では東京から車でおよそ2時間。

天然氷の生産者さんがいるという栃木県日光市の山奥へ。

そこで待っていたのは松月氷室(しょうげつひむろ)4代目 吉新(よしあら)昌夫さん。

明治27年から300坪ある池で天然氷を作っている松月氷室さんですが、生産量は年間およそ500tだそう。何と大きな池を使って天然氷を作っているんですね。

大正時代には全国に600軒はあった天然氷屋さんも現在では7軒と貴重なんですが、

そのうちの3軒は栃木県日光市に存在しています。

そのうちの1軒が松月氷室さんですね。

  • 有限会社 松月氷室
  • 0288-21-0162
  • 〒321-1261 栃木県日光市今市379

なぜ日光に?

ではなぜ日光に3軒もあるかと言えば、その秘密は天然氷を作るのに最適な環境。

冬には北西の冷たい風が吹き、その風が綺麗に池に当たって抜けていくように風の通り道がしっかり作られています。

池の周りには高い木々がそびえ立っていていることで一日中日陰。

冬場は-10℃と気温は一気に下がりますが、では寒ければいいかと言えばそんなことは無く、

雪が降らない地域であることが非常に重要です。

凍った池の上に雪が積もってしまうと熱がこもって氷が固まりにくくなってしまうんですね。

ですから日光の“気温は低いけれども雪が少ない”という気候は天然氷づくりには最適な環境なんですね。

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1月

氷作りは主に1月。

12月から日光の天然の湧水を池に張っていき凍らせていきますが、12月に凍った氷は全て廃棄。

12月中から準備を始めるんですが、まだまだ気温の下がり方が足らないので途中で空気が含まれてしまったり、氷に亀裂がが入ってしまうんですね。

その為、2週間以上寒さが続く1月頃にやっと満足のいく氷が出来きるというわけです。

そうして氷の厚みが15cmほどになった所でやっと切り出し作業を開始します。

専用の電動丸のこを使って10日間で約500tの天然氷を収穫していきます。

大型のペンチのようなやっとこや、先にカギ爪がついた長い棒で氷を池から取り出して竹製のレールの上へ。

このレールは池から木造の蔵である氷室(ひむろ)までつながっており、その氷室内で出荷を迎える夏まで保存されます。

この作業は冬の間に4回行われているそうです。

夏の間は?

氷作りが行われる池はいわば巨大な製氷皿なわけですが、

夏の間は計画的に濁らせるそうです。

実は池の中では大きな鯉が5、6匹飼われていて土をついばむ事で池を濁らせています。

そうすると光が遮られて草が生えるのを防止する役割があるんですね。

池に水草生えてしまうと枯れ葉が氷に混ざって不純物になってしまうので、

鯉たちは夏の間に池のメンテナンスをしてくれているんですね。

もちろんこの鯉たちは池が凍る冬の間は別の場所に移動させています。

氷室

氷室に保存している氷は見た目は土だらけでちょっと汚いような感じですが、

氷を覆っているものの正体は土ではなくヒノキのおがくず

おがくずには非常に重要な役割があり、

  1. 冷気を閉じ込める断熱材としての効果
  2. 氷の表面が溶けて出てくる水分を吸い取る

そもそも氷は表面に水があると周りがどんどん溶け出してしまうので、おがくずで氷の汗を吸い取って蒸発させることで氷が溶けるのを防ぐ役割があるんですね。

それでも切り出した氷の約半分は夏の出荷時期までに溶けてしまうようですね。

ちなみに松月氷室では地元の製材所から出るおがくずを無料で譲り受けているそうです。

氷が保存されている氷室には冷蔵装置は一切ありませんが、氷の冷気のおかげで夏場でも平均3℃という環境。

これらの氷の作り方や保存方法は120年前から一切変わっていないそうです。

出荷のタイミングでは氷の表面のおがくずを水をかけながらブラシでこすり落とす事で美しい天然氷が姿を現します。

長い時間をかけてゆっくり、ぎっちり密度濃く凍る事で氷が硬く仕上がって溶けにくい氷が出来上がります。

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加工

山奥で切り出された天然氷はトラックで日光市内の加工場に運ばれていき、そこで販売用に小さくカットされます。

一貫目という単位が基準になるのですが、そのサイズは約11×13×26cm(3.75kg)

一貫目でかき氷のブロック2個分。

ブロック1個で大体かき氷10人前ぐらいになるそうです。

小さくカットされた後は不純物が混ざってないかチェックします。わずか0.1mm程の小さなゴミもくまなくチェックして見つかった場合にはドリルを刺して取り除いていきます。

完成した氷は全国の人気店へ。

こうやって私たちが夏に堪能する天然氷を使ったかき氷の原材料は生産されているんですね。

こちららが番組に登場した天然氷職人の吉新さんのブログページ

記事一覧→テーマ別を選択して「天然氷造り」、「真・天然氷職人のお仕事」などのカテゴリー分けされた記事で詳しい氷造りの様子を見ることが出来ます。

画像もふんだんに使用されていますので楽しめると思いますので是非覗いてみてください。

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