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異色対談 錦織圭 × 本田圭佑「報道ステーション」でのそのやり取り全文について総まとめ


19年1月15日、テレビ朝日系「報道ステーション」の番組内でテニスの錦織圭とサッカーの本田圭佑による“異色”対談が実現。意外な組み合わせのように思うかもしれませんが、実は互いにリスペクトし合う者同士。対談の場を積極的にリードして何とか本音を吐き出させたいと意気込む様子の本田圭佑ですが、果たしてその結果は?そのやり取り全文についてまとめて詳しくご紹介します。

2018年シーズンはイップスの症状に苦しんでいたと錦織圭が告白するシーンもあって非常に興味深いものでしたね。

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旧知の仲の2人

この放送があった前日には錦織圭の全豪オープンの初戦が行われたのですが、時は先週にさかのぼります。

場所はもちろんオーストラリアのメルボルン。

サッカーの本田圭佑が現在所属しているのはメルボルンに本拠地に置くメルボルン・ビクトリーFCという事でこの対談が実現したようですね。

対談を前にして本田圭佑の印象については、

錦織「楽しみですね。色んな事に興味を示すのが多い人だから面白い人だなと思うので。」

二人の初めての出会いは2015年1月のメルボルンまで遡り、あの時も全豪オープンを戦うためにメルボルン入りしていた錦織圭とオーストラリアで行われたサッカーのアジアカップを戦うために同じく現地にいた本田圭佑。そこでお互いにサイン入りのユニフォームを交換するという事も行われたんですよね。

そして4年が経ち、この日を迎えました。

本田圭佑が待つ部屋にやや緊張した面持ちで向かう錦織圭。

お互い笑顔で握手を交わします。

錦織「お久しぶりです。」

本田「久しぶりっすね。」

錦織圭は1989年12月29日生まれの29歳。

本田圭佑は1986年6月13日生まれの32歳。

本田「優勝おめでとうございます。」

錦織「ありがとうございます。良いスタートが切れて。」

本田「本当っすね。楽しみですね。全豪。」

錦織「はい。良かったですね。」

2019年シーズンの年初に開かれ、全豪オープンの前哨戦と目されるブリスベン国際の大会で2年11か月ぶりに優勝を果たした錦織圭に祝福のメッセージ。

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対談スタート

対談は番組が用意した8つのテーマから選んでお互いに質問していくという形式。

用意されたテーマは、

  • 結果
  • メンタル
  • 挑戦
  • ライバル
  • 五輪
  • 転機

まずは錦織圭から本田圭佑への質問。

錦織「じゃあいいですか?」

本田「何か緊張するなぁ~!笑」

その場の空気を和ませる本田圭佑w

そして錦織圭が最初に選んだテーマは「挑戦」

錦織「まあやっぱり本田さんと言ったら挑戦してるっていうのが多分一番当てはまるような、僕は気がするんですけど、色んなチームに、色んな海外に行って挑戦してる事だったり、まあ今監督もやられていますよね。何でこう色んなことをやろうって思えるのかなっていうのがすごく同じアスリートとして気にはなりますね。」

本田圭佑は日本 → オランダ → ロシア→ イタリア → メキシコ → オーストラリアと渡り歩き、サッカーチームの経営やカンボジア代表の指揮を執ったりという精力的な活動を見せていますよね。若い頃から雑誌「PRESIDENT」などを日本代表合宿でも読んでいたなんて事も言われていますが。

この質問に少し考えた本田圭佑は、

本田「まあ一言で言うと、楽しい・・・っていう感情が僕自身が最も感じる時というのは・・・。“昨日出来た事を今日やる事”ではなくて、“今出来ない事を今やる事”の方が楽しいです。」

言葉の意味をしばし噛み砕いた後に納得するように、

錦織「うんうんうん。」

本田「それの幅がちょっと・・・多い。普通の人より広いっていうぐらいで。笑」

一気に表情を緩めて笑い合う二人。

本田「でもこんなカッコつけて言える事では無くて。結構やりすぎて『ヤバい・・・俺またやっちゃって。これケツ拭くの俺やぞ。』とか思いながら正直、どうケジメつけようかな?みたいな困ってる時も結構あってですね、それが結構本音な。でもベーシックな所で言うと好き。挑戦し続けるのは好きですね。」

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メンタル

ここで攻守交替という事で本田圭佑から錦織圭への質問。

本田「じゃあバトンタッチという事なんで。」「いい意味での錦織さんの本性っていうのが多分まだ僕も世間もまだ分かっていないんちゃうかな?っていうので、結構遠慮して謙遜されるから、吐き出せてない部分あるんちゃうかなって思って、それを聞ける・・・。」

本性を引き出すためにどのテーマを選べばいいかをじっくり考える本田佳祐。

これに対して急に対決モードになって、

錦織「なかなか吐き出さないですよ?笑」

本田「ですよね?」

「じゃあ吐き出してもらいたんで・・・メンタルで。」そう言いながら本田圭佑が選んだテーマは「メンタル」

本田「僕、テニスの試合観ていて、錦織さんの試合を観ていて、ミスった時にものすごく感情を表に出すじゃないですか?」

錦織「うん。うんうんうん。」

本田圭佑はラケットを叩きつけるような仕草をしながら「バーン!みたいな。」

本田「単純に怒ってるのもあるでしょうし、パフォーマンスもあるでしょうし、あれだけのパフォーマンスをするって絶対僕的には名俳優になってるやろ?っていう思いが。笑。あるんですよ。」

錦織「(笑)」

声を上げて大きく笑う錦織圭。

錦織「まず、僕の中であの怒りの場面が試合中に無くなったら、これはこれで多分、選手として終わりだし、本気で100%でやってるから、その怒りの、すごく負けず嫌いっていうのもありますし、うーん。勝ちたいっていう思いですね。そこが一番に出て来るし、でプラスちょっと自分のいいとこでも悪いとこでもあるんですけど、完璧主義っていうのがあって、それにいっつも自分で悩まされる所はあるんですけど。」

本田「完璧じゃないと嫌なんすか?」

錦織「完璧じゃないと嫌だっていうのでいっつもコーチとやり合ったりはするんですけど。」

完璧主義という錦織圭の姿勢に感心した様子の本田圭佑。

本田「うわ~・・・。」

錦織「どうしても、やっぱり綺麗なショットが決まらないと嫌だったり。曖昧なポイントの取り方が嫌だったり。ただの相手のミスでポイント取ってもあんまり嬉しくなかったり。」

本田「すごい!」「完璧主義者っていつぐらいから、そういう性格だなって自分の事分かるようになりました?結構、幼少の頃からですか?」

錦織「多分、そうですね。」

本田「じゃあ染み付いてんすね。」

錦織「中学校とかは多分。」

本田「今、お話聞いていて、もっとサッカー選手として幼少の頃からスキルアップの為に完璧を求め続けた方が良かったなって言う風にはちょっと思いましたね。うーん・・・。」

このコメントにちょっと満足げな、はにかんだ表情を見せる錦織圭。

本田「うーん。メンタル深いっすね。」

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結果

次に錦織圭から本田圭佑に投げかけたテーマは「結果」

錦織「本田さんって、」

本田「これ僕、錦織さんの前であんま話せる事無いですよ?」

錦織「いやいやいや。笑」「やっぱり結果出すじゃないですか?これ本当にすごいなぁって思うんですけど。」

本田「いやいやいや。」「一言言わせてください。結果、錦織さんの方が僕より100倍出してますから!」

錦織「そんな事ない。笑。全然そんな事ない。笑」

本田「僕ね・・・何がすごいって世界4位っていうランクを手にしたっていう事を、サッカーに置き換えてみたら・・・俺100位に入ってねぇなと思ったら、4位って本当にすごいなと。」

自分が出して来た結果にあまり自信が持てない様子の本田圭佑ですね。と同時にアスリートとして錦織圭をリスペクトしているのが伝わります。

ライバル

本田「そこの流れでちょっと聞きたい事があって、おそらくグランドスラムでの優勝を目指し続けてる錦織さんにとって、僕はやっぱり欠かす事は出来ないなっていう風に思ってるのが、そのベスト4辺りの人材に、ライバル達に勝つというとこだと思うんですけど。」

“人材”という不思議なワードを使った本田圭佑。何か経営者目線w

錦織「今・・・うーん。一番勝ちたいなっていうのはジョコビッチですね。やっぱり彼の強さっていうのは他の選手とはまた違って。ナダルとかフェデラーはすごいこう爆発力がある強さなんですけど、テニス的なイメージで言うと。」

本田「ああ、そうなんすね!?」

錦織圭 vs フェデラーの通算対戦成績は3勝7敗。直近の試合では2018年のツアーファイナルズという大舞台で錦織圭がストレート勝利を収めています。でもそこから遡ると2014年のマイアミ大会以来なので6連敗中だったんですよね。

錦織圭 vs ナダルの通算対戦成績は2勝10敗。恐らくファンが一番印象に残っているのは2016年リオオリンピックの3位決定戦で錦織圭が見事に勝利を収めて銅メダルを獲得した試合だとは思いますが、その他には2015年のカナダ大会で勝利した1勝しか出来ていないのが現実。

錦織「ジョコビッチのこの硬さというか、堅実さだったり。これを崩すっていうのは今ちょっと自分には出来てない部分で・・・。でも彼とやるのはすごく楽しみではありますね、毎回試合するのは。すごいもう何連敗も今してるのもあって。」

英語だとジョコビッチなどのトッププレーヤーは総じて“solid”というワードで表現されますね。とにかく崩れない。崩れてもすぐにペースを戻して隙が無いプレーぶりをこのように表現しますよね。

錦織圭 vs ジョコビッチの通算対戦成績は2勝15敗。現在15連敗中。最後に錦織圭が勝利したのは2014年のUSオープン。ジョコビッチを破って決勝の舞台に駒を進めたんですよね。その他に上げている1勝は2011年のバーゼル大会ですが、この時のジョコビッチは怪我をして試合途中で棄権するような感じになりながらも最後まで試合を行ったんでしたね。

本田「でもすごいっすよね。何ていうんですか、だってジョコビッチってサッカー界で言ったらメッシみたいなもんで、そことマンツーマンやらんとダメなんですよね?」

ジョコビッチ=メッシについては錦織圭も「うん。そうっすね。」と同意。

錦織「マンツーマンですね。笑」

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本田「想像できないですね。」「でも多分、僕含めて・・・『錦織ゾーンに入ったらいける!』みたいな思ってる人めっちゃ多いと思いますよ?笑。粘り始めた!みたいになった時はもう、これイケるぞ!みたいな。笑。『ジョコビッチ嫌がってるな。』っていうの画面上で分かるんで。あそこにいかに持ってくかですよね。」

急にテンションを上げ気味に話す本田圭佑。リラックスした雰囲気ですね。

錦織「そうですね。僕とやるのは嫌だろうなとは感じるので。そこをさらに、」

本田「感じるんすね!?」

錦織「感じます。感じます。」

本田「それを世界最高の奴らを相手にやってるっていうのがすごいっすよね~。」

錦織「でも楽しいですねやっぱり。これが・・・さっきも言われた通り、ちょっとずつやっぱり自分が上手くなっているのを感じるので。それが一番のモチベーションであるし、人生生きててそれが一番今楽しい事なので。ここまで15年以上テニスやっててもやっぱりまだ上手くなれるっていうのを感じるから。」

本田「すごい・・・。」

イップスに苦しんだ錦織圭

本田「ブリスベン(国際)もちょうど先日優勝されたじゃないですか?具体的に今このプレーが良いというのはあるんですか?」

錦織「え~。全部いいですね。」

本田「全体的にいいんですか。」

錦織「でも去年はむちゃくちゃ苦労して、初めてこうイップスみたいな感じになったんですよ。あの~、どのショットとは言えないですけど、ちょっとこう全く入んない時期があって。」

イップスとはゴルフの世界で使われ出した言葉で、これまで普通にできていた動作(プレー)が突然出来なくなることを指しますね。精神的な問題から突如発症すると言われていますが今もってそのメカニズムは謎。もちろんその治療法についても研究が待たれる所。

錦織「思いっきり打ってるつもりなのにネットの下段とかに無意識に行くような時期があって。それが治るのがすごく長くて。初めてこう色々苦労した、」

本田「どう対処されたんですか?」

錦織「え~・・・。」

本田「特別やられた事、意識した事ってあるんですか?」

錦織「そうですね。メンタルの・・・ほとんど“頭”ですね。メンタル的な事ですね。あの~・・・まあ色々しました。笑。細かいことはあんまりアレですけど。笑。ちょっと・・・はい。笑。色々しました。笑」

何か歯切れが悪い錦織圭のバツが悪そうな表情w

こんな感じでオフレコ的な所をギリギリ何とかやり過ごそうとする錦織圭の姿は初めて見ました。

錦織「あんまり恥ずかしい・・・笑」

本田「また、じっくり聞かせてください。笑。プライベートででも。」

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何か企業秘密的な事ではなく、ちょっと恥ずかしいメンタルトレーニングを行っていたような匂わせの錦織圭。プライベートでもっと深い話をしているんでしょうけど、流石にそこはオフレコなので二人にしか分からない所ですよね。

それでもテニスファンとしては、ジョコビッチに対して錦織圭が特別に抱いている感情や、それでも戦うのが楽しみというコメント、さらにジョコビッチが嫌がっているのが試合中にも分かるという錦織圭の言葉は非常に興味深いものでした。

それと共に、怪我を負った手首が影響してという事もあると思いますが、イップス的な症状を抱えていたのも意外な話です。

また、年上という事もあって対談の場を積極的にリードして錦織圭の本音を何とかして引き出してやろうという姿勢で臨んでくれた本田圭佑も非常に良かったですね。お互いにリスペクトしているというのが伝わりましたし。

ヨーロッパではサッカーのトッププレーヤーがテニス観戦をする姿がたびたび伝えられていますので、テニスとサッカーは相性のいいスポーツ同士だったりもするんですよね。錦織圭は個人的にサッカーが大好きなのはファンの知る所ですしね。

というわけで錦織圭 × 本田圭佑の異色の対談企画については錦織圭がサイン入りのユニフォームを、本田圭佑がサイン入りのスパイクをお互いに交換して終了。

VTR終わりには「もっといろんな組み合わせを見てみたい。」という小木逸平キャスターの感想がありましたがアスリート同士の異色対談企画はもっと放送してもらいたいですね。

 - サッカー, テニス

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