個人のお宅を訪問する際のマナー。室内、手土産編。
前回に引き続き、個人のお宅を訪問する際のマナーについて、今回は部屋に通された後の振舞い方と手土産がある場合はその渡し方についてご紹介します。知らずに相手方に失礼のないようしっかり確認しておきましょう。
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座布団は踏まない
座布団を粗雑に扱う事は決して行ってはいけません。座布団の使い方は、
- まず座布団の横か、後ろに一旦座る。
- 両手を座布団の上につき、体を支えるようにして膝からにじりあがる。
- 外すときは、逆の工程をふむ。
座布団は動かさない、返さない
座布団が予め置かれている場合は無闇に動かしてはいけません。ちなみに葬式や法事の際に焼香台の前に置いてある座布団についても遠慮せず使ってしまって構いません。
また、座布団をひっくり返したり、自分が使っていたものをひっくり返して他人に勧めたりするのは間違ったマナーですので、避けましょう。
座布団の真ん中にしめ糸があるのが表、脇に縫い目のない(輪になっている)方向が正面になります。座布団カバーがかかっている場合も輪の方向が正面です。
それまで使っていた座布団を人に勧める場合は、表面をなでるような仕草でシワや温もりをとる配慮を示すと失礼のない作法になります。
畳のへりは踏まない
畳みのへりは畳の補強や装飾の意味合いがあるため、決して踏まない、上にうっかり座らないように十分注意しましょう。
手土産はじっくりと選んだものを
個人のお宅を訪問する際には手土産なしで手ぶらで伺うのは避けるべきです。
親しい間柄や、どうしても時間がない場合は仕方ありませんが、いかにも間に合わせで買ったような手土産ではなく、少し手間ひまをかけたものを持参しましょう。手土産の価格についてはあまり高価なものは相手に気を遣わせてしましますので、2000円程度を一つの目安に考えておきましょう。
持参した手土産について「一緒に食べよう」と催促するような素振りは避けましょう。手土産はあくまで相手に差し上げるために用意するもので、一緒に食べたり飲んだりする目的ではないことを頭に入れておきましょう。
※メモ 手土産持参のお客様を迎える場合、頂いた手土産を振舞う際に「お持たせですが」と一言添えて出しましょう。事前に用意していたものと手土産が似たようなものだった場合は手土産の方を優先して出しましょう。頂いた手土産は、床の上に置きっぱなしにせず、お客様が帰られるまで別室に移しておきましょう。
「つまらないものですが」は要注意
手土産を渡す際に「つまらないものですが」と決まり文句のように使っている方が多いようですが、相手によっては他人行儀的なイメージに写ってしまいかねませんので、
- 「ほんの気持ちです」
- 「お気に召しますかどうか」
- 「お口に合いますかどうか」
といった言い方がおすすめです。また、手土産について話題が盛り上がるのは結構なことですが、自慢話やうんちく話はあまり品の良いことではありませんので避けましょう。
紙袋に入れた手土産は、そのまま持って部屋に入りますが、相手に渡す際には紙袋から取り出して、紙袋はたたんで持ち帰ります。風呂敷に包んである場合も同様にします。
カップと受け皿は一緒に持たない
紅茶やコーヒーをいただくとき、カップと受け皿を両手で持ったり、左手をカップの底に添えるのは間違ったマナーです。持ち手のない湯のみ茶碗は右手で持ち上げてから左手で糸底を支えますが、ティーカップは右手で持つだけでOKです。その際に指を持ち手に通すのではなく、つまむようにして持つことも意識してみてください。
口につける際ですが、テーブルから最短一直線に口元で持ってくるよりも、まず胸の方向へ引き寄せてから上に上げるように(横から見たときにL字になるように)すれば丁寧な所作に見えます。
ケーキの頂き方
ケーキを出された場合は、包んであるセロハンをフォークを使ってくるくると巻き取るようにして取り除きます。それをケーキの下に敷いてある銀紙とお皿の間に差し込んでフォークだけを抜き取ります。
食べ終わったら、フォークの先は銀紙を軽く畳んでその中に入れるようにします。
和菓子の頂き方
添えられている黒文字(爪楊枝)で一口大に切り分けます。串団子の場合は一旦串を抜いてから、黒文字がなければその串を使っていただきます。
和菓子を包んでいた紙や桜餅や柏餅の葉は綺麗に畳んで、使った黒文字や抜いた串をその中に差し込んでおきます。
飲み物の入れ替え時が、おいとま時
飲み物のおかわりをすすめられた時が最も自然においとまを告げられるタイミングです。また、会話が一段落ついた時や、相手に電話がかかって来た時なども一つのきっかけとなります。
引き止められても「ありがとうございます」と一言お礼を述べた後に理由を続け、帰り支度を始めます。
以上、室内での振舞い方と手土産についての基本的なマナーについてご紹介しました。落ち着いた所作で振舞えるよう常日頃からの心がけを大切にしましょう。