乳がんのリスクを増大させる5つの要因とは?遺伝や飲酒の影響は?
最近では小林麻央さんが乳がんを患っている事が夫である市川海老蔵さんから発表されましたが、女性にとっては特に気になる病気の一つですね。有名人の啓蒙活動なども 盛んに行われていますし、ピンクリボン啓発キャンペーンは多くの人が一度は目にした事があるのではないでしょうか。
そんな乳がんはがん全般に言われている通りに早期発見、早期治療がベストですが、いくつかの要因によって罹患率が上がると言われており、そんな要因のうち5つをご紹介します。
スポンサーリンク1. 遺伝
残念ながら乳がんの家系というものが存在しており、一親等に乳がんを患った方がいる場合はそうでない場合に比べて罹患率が2倍に上がることが知られています。
これは一親等であれば妹であろうと母であろうと娘であろうと関係ありません。さらに二人存在している場合は3倍から4倍にリスクが跳ね上がります。家族が若い時に患ったケースがある場合は特に注意が必要です。
これにはBRCA1とBRCA2と呼ばれる変異遺伝子が乳がんの発現に関係していると言われています。
乳がん患者のうち5%~10%がこの遺伝子による罹患と言われており、決して高くはない数字ですが家族の病歴と照らし合わせることで非常に有用な物差しとして考えられています。
2. 乳房の疾患
現在、または過去に乳房に関する病気を患った場合も乳がんのリスクを増大させることが知られています。
これは病気によって、乳房内の細胞ががん細胞に変異しやすい状態になることによるものですが、代表的なものに放射状瘢痕や乳頭腫(パピローマ)があります。
これらの病気が判明した場合は乳がんとの関連性が強く疑われますので担当医の指示に従うことが重要です。
スポンサーリンク3. 飲酒
百薬の長とも言われるお酒ですが、飲酒によって乳がんのリスクは増大します。約15万人の女性を調査したデータによると、飲酒習慣がある女性は全くお酒を飲まない女性に比べて7.1%リスクが上がることが分かっています。
これはアルコールが体内の女性ホルモンであるエストロゲンを増やすことによるものと考えられています。
現在、体内のエストロゲンレベルの上昇と乳がんの罹患率の間に直接関連があることは不明ですが、体内のホルモンががんの成長に関与していることが疑われているため、飲酒による乳がんのリスク増大は無視出来ない要因となっています。
4. 肥満と閉経
肥満が健康状態に与える影響は誰でも知っていることだと思いますが、一般的に知られている心臓病や糖尿病、高血圧に加えて乳がんのリスクも増大させます。
特に閉経後に体重が増えてしまったケースだと乳がんの罹患率が上がります。これは前項で述べたエストロゲンレベルと関係しています。
閉経前であれば卵巣からエストロゲンが分泌されますが、閉経後は卵巣からの分泌は無くなり代わりに脂肪細胞から分泌されるようになります。つまり肥満傾向にあればあるほど、閉経後のエストロゲンレベルは高くなり、その結果として乳がんの罹患率が上がるというわけです。
前項の通り、エストロゲンレベルと乳がんの関連性はまだ明らかではありませんが、肥満傾向により乳がん以外の病気にかかるリスクも上がるわけですから、適正体重を維持する努力が大事と言うことははっきりとしています。
5. 経口避妊薬(ピル)
効果的な避妊方法として経口避妊薬は有用ではありますが、乳がんのリスクも増大させるかもしれません。50を超える研究結果によると、経口避妊薬を使用している女性はそうでない女性に比べて乳がんのリスクがやや増大した事が分かっています。
投与を止めて10年以内の場合は、なおも高い傾向があり、投与を止めた期間が長ければ長いほど、リスクは徐々に減っていくそうです。
ただし、乳がんのリスクとしては関連が無いとするデータもあるため、経口避妊薬の副作用も含めて、主治医とよく相談してからの使用が原則です。
欧米人に比べて比較的乳がんリスクが低いと言われる日本人ですが、上記の要因に心当たりがある方はお近くの医療機関にて早めに受診されることを強くおすすめします。