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卵料理を健康的に。その栄養素を最大限引き出すにはどんな食べ方がベストか?


卵は季節に関わらず、また長期間、常に安定した価格で提供される食品の一つで「物価の優等生」と言われています。さらに栄養素が豊富で「完全栄養食品」とも 呼ばれ、毎日の食事に取り入れないととてももったいない優れた食品です。

しかしながら、その料理法により摂取できる栄養素が変化するため注意が必要です。いかに卵の栄養素を最大限引き出せるかそんな料理法をいくつかをご紹介します。

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代表的な料理法

割れた卵

・ゆで卵

沸騰した湯の中で殻ごと6分から10分ゆでることでゆで卵が出来上がります。ゆで時間によって半熟や固ゆでなどのバリエーションがあります。

・ポーチドエッグ(落とし卵)

70℃~80℃程度の湯の中で割り入れた卵を約3分ほどゆでることで出来上がります。

・目玉焼き

調理油を敷いたフライパンで割り入れた卵を焼き上げる調理法です。片面だけ焼く場合や両面を焼く場合で白身と黄身の固さにバリエーションがあります。

・ベイクドエッグ

卵を平らな焼き皿に割り入れてオーブンで調理します。

・スクランブルエッグ

ボールで溶いた卵をフライパンでかき混ぜながら低温調理します。

・オムレツ

溶き卵を調理するスクランブルエッグと途中まで工程は一緒ですが、かき混ぜることなく、固まりのようにして仕上げます。

料理することによって消化吸収を良くする

卵を料理することによって様々な栄養素を消化吸収しやすい状態に変化させる事が出来ますが、その最たる例がタンパク質です。

研究によると、熱した卵に含まれるタンパク質のうち人間の体は91%も吸収出来るのに比べて生卵の場合はたった51%しか吸収できないそうです。これはタンパク質が熱により変性し吸収しやすい形に変化することによるものだと考えられています。

生卵の状態ではその大部分のタンパク質が互いにバラバラで丸まったり、ねじれた状態で存在していますが、熱が加わるとそのタンパク質同士の結びつきが壊れて、一つの塊に凝縮されていきます。

そしてその塊は徐々にタンパク質に囲まれて大きくなっていきます。この働きによって消化吸収を助ける事が出来るとされています。

この変化は目で見て観察することが出来、白身と黄身がジェル状からゴムのような硬い状態に変化することで見分けられます。

また、生卵に含まれるタンパク質は微量栄養素であるビオチン(水溶性ビタミンBの一種)の吸収を阻害することが知られています。

ビオチンは卵に豊富に含まれ、別名ビタミンB7やビタミンHと呼ばれ脂肪や糖質の代謝に有用な栄養素ですが、生卵の白身に含まれるアビジンというタンパク質の一種が体に吸収される前に強く結びついてしまう為に消化吸収を阻害します。

このアビジンも熱により変性し、そのビオチンと結びつく力が弱まるため、卵を料理することでビオチンの消化吸収を大幅にアップさせる事が出来ます。

高温調理は他の栄養素に悪影響が

焼けた卵

卵を料理することによる悪影響もあります、これは何も卵に限った話ではなく、一般的な料理全般について言えることです。高温の状態で長く料理することで壊れてしまう栄養素の影響は決して小さくはありません。

研究では料理することにより卵に含まれるビタミンAを約20%減少させることが分かっており、抗酸化物質にまでもその悪影響が及び、それは6~18%に上ります。

熱による影響は、当然ですが熱に晒す時間を出来るだけ短くすることで防ぐことが出来、実験によると40分オーブン調理された卵ではビタミンDの損失が61%に上ったのに対して、軽く炒めるかゆでる場合では18%にまで損失率を抑えることが出来るそうです。

高温調理では卵のコレステロールを酸化させる

卵はコレステロールを多く含む食品で、卵一個には約212mgのコレステロールが含まれます。

高温で料理することでコレステロール酸化物(オキシステロール)という物質が生成されます。このオキシステロールは動脈硬化を悪化させる原因物質と見られており、摂取を出来るだけ避けるべきものです。

ちなみにこのオキシステロールは高温で揚げた料理に多く含まれ、フライドチキンやフライドポテト、天ぷらなどがその代表です。

では、健康的な卵の料理の秘訣は?

カロリーを抑える

カロリーを抑えるという観点から言うと、ポーチドエッグorゆで卵が選択肢です。これらの料理法では調理油を加えないため、目玉焼きやスクランブルエッグ、オムレツに比べて摂取カロリーを抑えることが出来ます。

野菜と組み合わせて

卵は野菜との相性がよく、食物繊維やその他のビタミンをより多く摂取することが出来ます。 スクランブルエッグorオムレツトマト、にんじん、玉ねぎを加えたレシピが役立つ事でしょう。

高温調理の場合は油を有効に使う

高温による酸化を抑えながら料理する場合はエクストラバージンオリーブオイルやバター、ココナッツオイルを使い料理することをおすすめします。ただし、油の風味が気になる場合がありますので、お好みに合わせて使い分けることが大事です。

栄養が豊富に選ぶ卵を選ぶ

卵に含まれる栄養素の質は鶏の飼育方法や環境に左右されます。平飼いやオーガニック飼料を用いた卵は一般的にケージ飼育の卵に比べて栄養素が豊富に含まれていると言われています。

短時間で料理を済ませる

料理時間が長く、熱を通しすぎることで卵の栄養素はどんどん損失してしまいます。料理は手短に出来るだけ熱を加える時間を最小限に抑えることが大事です。

結論。一番健康的な料理法は?

eggs 4

加える熱を抑えつつ出来るだけ短時間で料理することでコレステロールの酸化や栄養素の損失を防げるという事を踏まえると、ポーチドエッグとゆで卵が最も健康的な卵料理ということになります。


様々な料理法が存在する卵ですが、その栄養素を最大限引き出しつつ、毎日の食卓にこの黄色い彩りを添えてみてはいかがでしょうか?

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