典型的な大麻ユーザーは年間でどの程度お金をかけているのか?
現在、アメリカにおいて大麻合法化の動きが活発になっていますが、大麻合法化によって嗜好品としての新たな市場が開拓され、これまで犯罪として公になってこなかった大麻ユーザーの購買データについて徐々に明らかになっています。こうなると、日本では依然として大麻取締法によって処罰を受ける対象であり、大麻による芸能人の逮捕のニュースなどが世間を賑わせたりと隔世の感がありますね。
大麻ユーザーの大半は若い男性で、嗜好品としていわゆる「ハイになるため」の使用が大多数を占めるといったイメージが今までの認識でしたが、高齢者が鎮痛剤の一種として使う用途も今後増えていくものと思われており、市場拡大の概要については未知数です。
では、現在の典型的な大麻ユーザーはどのような購買パターンを持っているのでしょうか?本記事では、大麻市場に関するデータを提供する分析会社であり、シアトルに本拠地を置くヘッドセット(Headset)のデータによりその一端をご紹介します。
※提示されているデータはワシントン州における大麻市場の分析結果に基づいています。
スポンサーリンク平均で年間645ドルを大麻に費やす
全ユーザーの平均をとると年間645ドル使っている事となり、ほぼ4分の1を占めるユーザーは1000ドルから2500ドルも使っていることが分かります。また、半数以上のユーザーが500ドル以上使っており、約10%のユーザーは2500ドル以上の出費にまで上ります。
ごく少数の2.2%のユーザーは5000ドル以上という金額を消費しているというデータも判明。
米国労働局が発表した2013年のアルコール類に費やされる金額は年間445ドルである事を考えると、金額的に高い傾向にある事が分かりますね。
ただし、大麻市場は未だ成長段階にあり、今後市場が成熟していくにつれて、競争原理が働くはずですので、この数値はあくまで現段階についての一つの指標にしか過ぎない事は言うまでもありません。
ちなみに、たばこ類に費やされる金額は年間330ドルになっており、2009年の380ドル、2010年の362ドル、2011年の351ドル、2012年の332ドルと減少傾向になっている事から、たばこ市場と大麻市場の関係性についても気になるところです。
一回につきいくら掛けているか
大多数のユーザーは一回の購入金額で25ドルから50ドル使っており、33ドルが平均。
3割以上のユーザーが10ドル以下の購入金額にとどまっており、これはプリロールと呼ばれるたばこ状に予め巻かれた状態で販売されるもの(大麻量は0.5g)や、大麻入り炭酸飲料が含まれています。
また、一回の購入で100ドル以上を費やすのは8.2%で少数のようです。
性別、年齢層は?
性別で比較すると男性が多数を占め、購入者の68.9%が男性であり、女性の31.1%と比較するとほぼ2倍となっています。これは古くからある男性の使用イメージに合致するデータと言えそうですね。
年齢層で見てみると、
25~29歳のユーザーが20%を占め、続いて21~24歳のユーザーが16%となっています。
ただし、平均は37.6歳になっており、一般的にイメージされる年齢よりも高いというデータが示されています。
男女別では女性が38.2歳に対して、男性が37.4歳で、やや女性が高い傾向。
65歳から95歳のいわゆるヒッピー世代で見ると5%以下にとどまっています。
今後、徐々に広まっていく大麻市場に合わせて、これらのデータはより複雑化していく事が予想され、さらには市場原理によって大麻の価格が推移していく事など、より詳しい興味深いデータが見られる事が期待されますね。