なぜ彼女達はAV女優になったのか?アメリカ版 その理由や葛藤について
世界中で男性の注目を集める対象になるのがAV女優の常ですが、彼女達は様々な理由でAV業界に足を踏み入れます。そこにはどんな理由があるのでしょうか?また、どんな葛藤を抱えてAV女優として生活しているのでしょうか?
この記事では、アメリカのAV業界で働くAV女優に対して行われたインタビュー内容をご紹介し、その理由や葛藤について明らかにしていきます。
スポンサーリンクアメリカのAV業界
2012年に176人のアメリカで活動するAV女優に対して行われた質問形式のアンケート調査の結果によると、AV業界に入った理由として一番多く挙げられたのは「お金」だそうです。非常にシンプル。
その他の理由には「楽しむ事が出来るから」や「この業界に興味があったから」というものがあるそうです。
やはり、一番の理由は金銭的に恵まれているからというのは何となくそうなのかなと腑に落ちますね。
ただ、お金を得る理由として、次なるキャリアプランの元手としてお金が必要だからという理由を挙げる人も何人かいたそうですので、ただ、単に大金を手にして、贅沢な暮らしがしたいという単純な理由だけではない点は興味深いところです。
それでは、実際に2人のAV女優に行われたインタビューを見ていく事にしましょう。
jessica drake (ジェシカ・ドレイク)の場合
「なぜAV業界に入ったの?」
学校に通っている時からストリップダンサーとして働いていたんだけど、その頃から旅に興味があって、エンターティナーとしてもっとスキルアップしたいとも思ってたの。
ちょうどその頃にAV業界で働いている、監督さんや俳優さん、撮影スタッフや、メイク担当の方達と知り合う機会があって、とても魅力的に感じたの。一度、撮影セットを見学させてもらったんだけど、感銘を受けちゃって。6ヶ月後にはもうデビュー作の撮影をしていたわ。
「なぜ “jessica drake” という芸名にしたの?」
果物とか車とか動物なんかとは違う名前が欲しかったの。
jessicaって言うのは友人のその名前の子がいたから何となく親しみがあったんだけど。全て小文字で表記するのは、そっちの方が見た目が好きだったからかな。
※ちなみに“drake”には雄ガモの成鳥、竜を表す古い単語、小型の大砲などの意味があるのですが、彼女的には響きが気に入ったということでしょうかね。
「女優の良い点、悪い点は?」
悪い点でいえばやっぱり後ろ指を差される事かな。
宿命みたいなものだけど。世間の人たちが持ってる偏見がかなり影響してると思うわ。
良い点は沢山あって、お金が稼げるし、旅もいっぱい出来て、ファンの人たちがいて、刺激的だし、行為を楽しむ事も出来る。
人間として成長するきっかけにもなるしね。他人からどう思われているかを気にする事から開放されると、自分の思うとおりに振舞えるようになったわ。
「業界にいて、他人よりも恵まれているなと思う点は?」
良い点で挙げた事が全てよ。
「世間からの扱われ方の違いを感じる事はある?」
世間?たぶんそういう考え方が問題の一つだと思う。
だって私のAV女優としての人生もいわば世間の一部よ。皆と何も変わらないわ。
性風俗産業で働く人たちや私たちAV女優を蔑んだように見るのはやめていくべきだと思う。
「AV業界の問題点は?」
前の質問で答えちゃったけど意味の無い偏見。
感想と補足情報
後半の質問に対する答えに関して言えば、とても耳の痛い話です。性風俗産業全てに関わる人たちに対して私達が持っている偏見はとても根深いものだと改めて感じる所です。これは何もアメリカに限った話ではなくて、日本においても全く同じことが言えそうですね。
ちなみに、彼女はチャリティー活動にも積極的で、個人としてカンボジア、ケニヤ、タンザニアなどの地域で沢山のサポートを行っています。さらには、性教育のセミナーやワークショップも多数行っており、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の講壇に立った事もあります。
彼女の活動は有名アスリートやハリウッド俳優が行うチャリティー活動と何も変わらず、社会貢献という意味で言えば尊敬されこそすれ、何も恥ずべき点はないはずです。そんな彼女でさえ、世間の持つ偏見に苦しんでいる事を考えると、後半の質問に対する答えには彼女の憤りすら感じられます。
そういえば、jessica drake (ジェシカ・ドレイク)さんはアメリカ大統領選を前にドナルド・トランプ氏に過去にわいせつ行為を受けたことを訴えた女性の一人として挙げられていますね。
トランプ氏はこの疑惑を完全に否定しており、「彼女はうそつきであり、ヒラリー側のネガティブキャンペーンの一環だ」と断罪していますが、
彼女の歩んできた道や考え方からすると、嘘の告発を行ったようには思えません。真相は未だはっきりとしませんが気になるところです。
Tasha Reign (ターシャ・レイン)の場合
「なぜAV業界に入ったの?」
いくつか理由があるんだけど、第一に、自分はとても自己顕示欲が強いタイプで自分の体が大好きだし、カメラの前でポージングするのも大好き。
それを堂々と見せるような大胆な女でありたいと思っているの。それが理由かな。あとは、仕事をしているっていう意識をあまりしなくていいから。
何ていうか、自由に振舞えばそれでOKみたいな。 安っぽく聞こえるかもしれないけど、それが真実。楽しみながら働いて、いい人生を送る事が出来るとすればそれは天職ってことでしょ。楽しさ、自由、情熱とか色んなものが味わえるし。
「なぜ “Tasha Reign” という芸名にしたの?」
サンタモニカにあるSilver Reign (シルバー・レイン)というバーで踊っていたことがあって、その格式ある響きが気に入ってたから、そこからもらったの。Tashaというのは友だちと色んな名前を出し合って決めたものでキャッチーで覚えやすい感じにしたかったから。
「AV女優の良い点、悪い点は?」
本当に、悪い点についてはあまり感じないかな。この業界を辞めたほうがいいと言われたり、差別されたり拒絶されたりすることはあるけどあまり気にならないわ。
母は快くは思っていないみたいだけど、それでも辞める理由にはならないわ。私が決めた道だし、やる気も満ちているし。
「AV業界にいて、他人よりも恵まれているなと思う点は?」
個人的に、恵まれていると思うのは性別も人種も年齢も超えた特別な作品を作れるということ。
クリエイターや表現者として、アダルト作品を作る事は、とても楽しいし、それでお金も稼げるなんてとても素敵な事よ。それを思えば、悪い点なんて目じゃないと思う。
「世間からの扱われ方の違いを感じる事はある?」
もちろんあるわ。そうじゃないとそんな質問しないわよね。AV女優に対する偏見が全く無いといったら嘘になるし、それが全く気にならないかと言えばやっぱりそうじゃない。
私も一人の人間だから、感情があって、悪評に対して戦う姿勢を持ち続けるのはチャレンジングな事。でも必ず出来ると信じてる。その為には、一人の人間として、AV女優として、家族の一員として常に努力を怠らない。
「AV業界の問題点は?」
性風俗業界で働く人たち全体の権利を守ることに一番関心があるわ。
この業界で働いている人はもっとちゃんと扱われるべきだと思うけど、現実はそうじゃない。AV業界をもっと人間的に扱われるような世界に変えたいし、AVだって普通の映像作品として扱われるようになって欲しい。どんな仕事をしているにせよ、女性にはもっと声を上げてもらいたいと思う。
感想と補足情報
彼女にとってAV女優というキャリアは天職のようですね。表現者として体を使って作品を作ると言う意味ではアーティスト気質がとても重要だと言う事も分かる気がします。
体型を維持するという点で言えばアスリートのような側面もあるように思います。そんな彼女も、AV業界やその他の性風俗業界全体に対する差別や偏見は実感しているようで、その葛藤が伝わってきますね。 こんな素晴らしい職業なのに何故?という思いがひしひしと感じられます。
彼女もまた、性教育の啓蒙活動やセミナーに積極的で、前項でご紹介したjessica drakeと共に複数のセミナーにパネラーとして参加しています。「もっと声を上げてもらいたい」というコメントを率先して体現しているようで情熱に溢れていますね。
ちなみに、彼女は日本のAV業界とも関わりがあり、2012年に日本でリリースされたアメコミヒーローをテーマにした作品に主演として出演しているようです。日本のAV業界について彼女はどんな事を感じたのか気になりますね。
以上、二人のAV女優のインタビューについてご紹介しました。いかがでしたでしょうか?彼女達が何を考え、何を感じているのか少しは分かったのではないでしょうか?これを機に、AV女優を見る目も変わるかもしれませんね。