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HMBは20年以上前から存在した古いサプリメント。さらに効果も限定的?


最近、筋トレ関連のトピックでHMBという単語をよく目にするとは思いませんか?「ビルドマッスルHMB」という名前でよく売られているのが特に目立ってるような気がします。「日本初上陸」だとか「もうプロテインは古い」だとかかなり煽るような宣伝文句が並べられているのが注目を集めてる原因のように感じます。まあほとんどアフィリエイト目的の宣伝広告用サプリメントであることははっきりしていますね。

では、全く効果が期待出来ない「詐欺サプリメント」なのかと言えばそうでは無く、かなり古い歴史があって決して最先端の筋トレサプリメントでは無いよというのが真実です。実は20年以上前から研究されていたんですね。

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HMBはβ-ヒドロキシβ-メチル酪酸の事でBCAAの一種であるロイシンの中間代謝物の一つで、筋トレ上級者のためのサプリメントとしてかなり古い歴史を持っています。HMBに関する研究が初めて発表されたのは1996年のことで、HMBを摂取することで筋肉のたんぱく質分解、合成がどのような反応を見せるのかというのがトピックでした。

その後もHMBに関する研究は数多く行われたのですが、研究結果が発表されるたびにHMBは「効果がある」とするものと「効果はない」とする意見に真っ二つに割れてしまいます。そこでISSN (国際スポーツ栄養学会)がHMBについての公式見解を発表します。それは以下のようなものでした。

  • HMBはトレーニングを行った場合、行わなかった場合のどちらも筋肉の成長を助ける可能性がある。
  • 数週間継続して摂取することで効果が上がり、それは筋トレをしない間にも有効である。
  • 体重1kgにつき38mgの摂取が効果的。
  • カルシウムと結びついた状態(カルシウム塩)とフリー状態の二つではフリー状態のほうが効果が高いと言われている。
  • 特に高齢者の筋肉成長を助ける効果が期待出来る。
  • 脂肪を減らす効果がある。
  • 筋肉の成長を助けると共に、筋肉の分解を抑える効果がある。
  • 若い頃から継続して摂取しても特に問題は報告されていない。

かなり魅力的な美辞麗句が並んでいるように思いますし、これを踏まえて最強の筋肉成長サプリメントとして宣伝されている節があるのですが、実はこの裏にはキナ臭い事実があり、HMBに対して好意的な意見を発表した研究者の中にはサプリメント会社から資金援助を受けていたり、サプリメント会社の依頼によって研究結果を発表していたという事実も明らかになっていたりしているんですね。

また、HMBの効果については筋トレ先進国であるアメリカではBCAAの一種であるロイシンとの比較で言うと、筋肉の成長という点ではロイシンに軍配が上がり、筋肉の分解を抑えるという点ではHMBに軍配が上がるとされていますので、決して万能のサプリメントではないという認識ですね。筋肉の成長という点では通常のプロテインやBCAA、グルタミン、クレアチンの方がよっぽど効果が証明されていますし。

さらに言ってしまうとHMBは潜在的にロイシンの20倍の効果があるとされているのですが、ISSNの発表にもあるとおり、HMBの中でもカルシウム塩の状態では効果が低くなると言われているので、摂取するHMBサプリメントの状態がカルシウム塩の場合は積極的に摂取するメリットが小さくなってしまいますね。

また、HMBに関する研究ではトレーニングの経験があまりない人を研究対象としているケースが多く、普段から筋トレを行っている人やアスリートでは大した効果は得られないとさえ言われています。

摂取量として1日に3gという推奨量が多く目に付きますが、これは2000年頃に発表された研究結果を踏まえてのものと思われます。ただし、この研究結果ではHMBの効果について統計的に優位であると言えるレベルには達していませんでした。

つまり、結論としてはHMBは最先端のサプリメントではなく、20年以上の歴史があり、プロテインを古いと断言できるとはとても言えず、その効果も限定的。下手すれば対して効果も期待できないかもってな感じです。まあ過剰摂取しない限りは体に副作用が出るものではないので試してみるのは自由ですが過大な期待は持たないほうが賢明ですね。

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