清水富美加さん出家騒動で感じる仕事と宗教
最近の芸能絡みのニュースで話題と言えば、清水富美加さんの出家騒動でしょうか。
特にこのニュースでは宗教団体との関係性も取りざたされているために、余計に注目を集めているみたいですね。
特に、日本では宗教と聞くと怪しげなカルト集団のように語られがちで世間は敏感に反応するようです。
しかし、このニュースに対する芸能界や世間の反応を見ると何か違和感のようなものを感じるのは私だけでは無いはずです。
仕事と宗教という視点から今回の騒動についてまとめてみました。
スポンサーリンク仕事の強要について
報道されている内容からすると、清水さん側と所属事務所側では言い分にかなり差があるように感じます。
とかく水着を着る仕事であったり、演じる映画のキャラクター設定であったり、清水さん側から自分の意にそぐわない仕事内容であるという主張がなされています。清水さんの主張からすると「強要された」ようなイメージに取れます。
特に映画のキャラクターについてはつい最近にビジュアルイメージが公開されたばかりでしたので、まさかと言う展開でした。
この騒動を受けて、表紙に清水富美加さんが登場し、誌面でも特集されたヤングジャンプ2017年2月9日号にプレミアが付いたりするのかな?と思っていましたが、今のところそのような気配はありません。古本では最低価格で購入可能ですね。
現状ではキャスティングについて、変更であったり、継続であったりというアナウンスがされていませんので、今後の展開次第ではひょっとしてと言う所でしょうか。
話が逸れてしまいましたが、仕事の強要があったのかという疑問については事務所側は「当初は嫌がっていたが、話し合いを経て納得してもらった。」というコメントをしています。「嫌がっていた」というのは事務所側も認めていますので、清水さんの意に沿わない仕事であったのは間違いないようですね。
芸能界の反応について
タレントの武井壮さんは、この件について「大人だから順序ですよね。」というコメントを残していますね。
ちなみに、武井壮さんがこう発言した2月13日放送の「バラいろダンディ」では出演者である漫画家、倉田真由美さんも「清水富美加さんのブログを見るとかなり追い込まれている精神状態なのは分かるが、謝罪をまず先にするとか、迷惑かけているのは事実だから。」と発言していました。
カルーセル麻紀さんは「この女(清水富美加さん)はだいたいバカだと思う。10年間も芸能界でやってきて、その仕組みなんて分かっているはずでしょ。この芸能界をやっていると寂しい気持ちは分かるけど、やっぱり契約なんだから。」という意見でした。
さらには2月14日放送の「バイキング」において坂上忍さんは「何で、具合が悪いときの窓口は幸福の科学さんなんですか?今所属しているのはレプロさんですよね?」という発言や「信仰の自由と言うものは守られているものなので、それはさておきだと思います。」という発言をされており、ちょっと寒気すら感じてしまいました。
その後で、「タレントさん側は仕事について断る権利はある」という意見も述べていらしたので、事務所至上主義というわけでもなさそうですが・・・。
芸能界に身を置いて40年以上も経つ坂上さんからすれば、この辺の事務所とタレントさんの関係性については、やはり事務所側に立った意見のように聞こえてなりません。
特に坂上さんは子役タレントを養成する事務所のプロデュースも手がけていますので、このような主張をされるのは当然でしょう。
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結局、芸能界に身を置く方々は「仕事なんだから」「契約しているんだから」「事務所に迷惑をかけている」という主張が一貫していますね。
バイキング出演者ではヒロミさんがおっしゃった「事務所、幸福の科学、清水富美加さんのうち誰も得しないやり方になってしまっているから、もっと上手いベストな方法をとる段取りが出来なかったのが残念。」という意見は、芸能界をしばらく離れてらしたヒロミさんならではの意見かなと思いました。
実際に、この件に関してバイキングに出演していらした弁護士の方の見解は、発生した違約金に関しては莫大な額になる見通しで、事務所側が一度その額を負担し、それを清水富美加さん側に請求するという段取りを踏んで、損害賠償請求がなされるのは避けられないのではないかという事でした。
この辺は契約を結んでいるという前提を考えるとどうしようもない事で、誰かが責任を取らないといけないという事ですね。
だからこそ、ヒロミさんがおっしゃった意見は強く印象に残ります。
AV出演の強要と何が違うのか?
そこで、一つ感じるのが、少し前に問題となった「AV出演強要」との類似性です。
言葉巧みに女性側に「AVに出演すれば夢が叶う」というロジックを信じ込ませ、女性側がいざAV出演を拒むようになると、今度は契約書を盾にして、AV出演を強要するという事務所側のやり方は今回の清水富美加さんの騒動に非常に似ていると感じるのです。
「仕事なんだから」「契約しているんだから」と言う主張は同じロジックに立って行われているように思えてなりません。
「当初は嫌がっていたが、話し合いを経て納得してもらった。」という事務所側の主張も同様です。
契約社会というのはこういうものなんですね。
宗教の存在
人々には信仰の自由がある為、どのような宗教に信奉しようともそれは個人の自由です。ちなみに、私は無宗教に近い考えで、冠婚葬祭でのみ宗教っぽいものと関わるだけです。世間一般と大差ないですね。
とりわけ、自分の行く末に対して不安も持っている方というのは宗教や占いというものを心の支えにして生きている方も多いので、特に自分の将来に対して常に一寸先は闇というイメージが付き纏う芸能界は桂米朝師匠のおっしゃる「芸人になった以上、末路哀れは覚悟の前やで。」と言う言葉に尽きると思います。我々世間一般とは全く違う思想に基づいた世界であるように感じますね。
ちなみに、占いについても同様の事が言え、自分の取るべき選択肢について常に不安を感じているタレントさんにとっては、その決断を、信頼できる占い師の意見を参考にして決めたいというのは仕方のないことかなと思います。元オセロの中島知子さんのケースでそれは強く感じる事ですね。
しかも、今回の騒動の当事者である芸能事務所のレプロは能年玲奈さんの独立騒動の当事者でもあるという事で、いわく付きです。
芸能界に生きるタレントさんが何を心の支えにして日々の仕事をこなしているのかという視点がレプロ側には欠けてしまっていたのかなと感じます。
仕事と宗教
清水富美加さんにとっては仕事よりも宗教への信仰心の方が上回っていたという事が芸能界に染まっている方々には分からないのだと思います。
そこで一つ感じるのは、多くの人にとって「仕事」というのは宗教のようなものなのではないかと言う事です。これは何も芸能界に限った話ではなくて世間一般にも同様の事が言えると思います。
大雪が降ろうが、台風が直撃しようが、せっせと会社に通勤していく姿を考えると仕事に対して、崇高な信仰心を持っている信心深い集団のように思えてならないのです。私を含めてですが。
こうした仕事に対する考え方を基にして、長時間労働を淡々とこなし、休暇も取らず黙々と働いている方が多くいる社会状況を考えると、今回の問題は何も芸能界だけの特殊な問題とはいえないはずです。
最近になって長時間労働やブラック企業の問題がさかんに論じられるようになってきていますので、仕事に対する過度な信仰心を見直すような風潮が広まっているのは何か感慨深いものがあります。
確かに、契約社会を生きる上では、契約を一度結んだからには契約を履行する義務を負うのが基本的なルールですので、そんな社会に生きているんだと今回の件ではそう強く感じました。