NHK 第2弾「チコちゃんに叱られる!」が遂に放送。チコちゃんがプチ整形?
NHKでパイロット版のような位置づけで放送された「チコちゃんに叱られる!」。初回放送は2017年3月24日でしたが、数か月ぶりに第2弾が遂に放送されましたね。今回は19:30~20:15と放送時間も15分拡大されてパワーアップ。
前回同様に番組のカテゴリー的には「バラエティ、クイズ」という形式ですが、番組進行役であるチコちゃん(5歳)が投げかける日常生活の疑問に回答者が答え、間違っていると番組タイトル通りチコちゃんに叱られるという形で進行するのがお決まりのパターンになっていますね。
初回放送の特集はこちらの記事をご参照ください。NHK 「チコちゃんに叱られる!」がおもしろい。チコちゃんの語り口や表情に注目。
※2018年4月13日よりNHK総合テレビで毎週金曜(19:57~20:42)でレギュラー化が発表されています。レギュラー放送初回は4月13日ということで要チェックですね。
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チコちゃんがプチ整形
番組の鍵を握るメインキャラクターのチコちゃんですが、あからさまに見た目が変化してしまっています。年齢は5歳と変わっていませんが。
チコちゃんの大きさは岡村隆史さんよりもちょっと大きめ(肩の位置はかなり下ですが)というサイズ感はそのままで、声も「天の声」で当てているスタイルも一緒。
番組冒頭では「プチ整形」という説明でしたが、デザイン上の問題があったのではないかと推測されますね。元々初回放送のデザインが奈良 美智さんの有名なキャラクターにかなり似ているという印象が強かったのでこの辺の事情なんでしょうか。
奈良美智 ドローイング作品集 YOSHITOMO NARA NO WAR!
初回放送終了直後に第2弾の放送が既に決定していたものの放送日時が未定になって、その後は放置状態になっていたのはこの辺の調整に時間がかかったということだったんでしょうか。
むしろ着ている服は似ているように変化しているのは何か意味があるような無いような・・・
それでもコロコロと変化する表情豊かなチコちゃんの特徴は変わっていませんね。
ポン酢のポンにちなんで、お腹をポンポン叩きながら目を真ん丸にして斜め上を見上げるチコちゃん。
右上のワイプ画面に映っている間もチコちゃんの表情はどんどん変化していきます。
スポンサーリンクチコちゃんの語り口や毒のあるナレーション
ゲストをイジるようなチコちゃんの振る舞いや毒のあるナレーションなどのテイストはそのままで、例えば、チコちゃんはゲストの石原良純さんに対しては「都知事の倅」と呼びかけたりしています。
また、初回放送に引き続きNHKアナウンサーである森田美由紀さんがナレーションを務めていますが、
「一年中ポン酢をかけまくっている主婦の皆さん」なんて乱暴な口調で展開されるナレーションも番組の特徴の一つになっています。
番組で紹介されたチコちゃんの疑問(雑学)
チコちゃんから出題された疑問については以下の通りでした。
ポン酢の「ポン」って何?(どういう意味?)
番組の回答では『ポン酢の「ポン」は、フルーツポンチの「ポン」』というものでしたが、
日本の近代史を研究している東洋大学の岩下哲典教授によれば、ポン酢とフルーツポンチのポンはルーツを辿ると同じ先祖に行きつくそうです。
英語圏ではポンチは一般的にはパンチ(punch)と呼ばれますが、その意味はカクテルのこと。海外のパーティーなんかで用意される大きなボウルに入ったカクテルのことをパンチと言いますね。
ではこのパンチの起源をさらに辿るとインドに行きつきます。インドのパンチャという飲み物がその起源。蒸留酒に柑橘系のレモン汁や砂糖、香辛料などを混ぜたお酒です。
そしてこのパンチャはポン酢の起源でもあるのです。ヒンドゥー後の「パンチャ」がオランダ語になると「ポンス」に変化するそうで、蒸留酒にレモン汁、水、砂糖などが入った柑橘系のお酒のことを表します。
江戸時代にオランダ人が長崎の出島にこのポンスを持ち込んだと言われています。しかし当時の日本にはレモンが無かったため、レモンの代用として橙(だいだい)が用いられたという文献が残っています。
そして、オランダ人がオランダ正月の時にオランダ料理を振る舞った際にポンスが提供されたのではないかと言われているそうです。さらに、それを持ち帰った日本人が調味料として使ったのがポン酢の始まりだと言われています。
間違って料理に使って食べた所、意外にも美味しかったことから調味料としてポンスを用いるようになったという可能性もあるそうです。この辺は諸説あるようですね。
そしてポンスに醤油を混ぜたものが幅広く普及するようになり、いつしかポンスからポン酢へと表記されるようになったとのこと。「酢」の漢字は当て字なんですね。
ちなみに、ポンカンもインド発祥の果物だそうですが、ポンスよりも後に日本に伝来しているため、ポン酢のポンとは無関係だそうです。
スポンサーリンク親と過ごせる残り時間はどの位?
この疑問に答えてくれるのはデータ分析を元に現代の家族関係について研究している関西大学の保田時男教授。
親と離れて暮らしている人が1年間で親と会う平均日数はお盆に3日、お正月に3日など、平均すると6日間。1日に親と顔を合わせる平均時間は4時間。
つまり1年間で親と過ごす時間は6日間 x 4時間で24時間。1年間でたった丸一日分ということですね。「おんな城主 直虎」が流れてます。
1年で一日分しか会わない親があと何年生きられるのかを計算すると、その年数が親と一緒に過ごせる残り日数になるということですね。
では反対に親から見た場合はどうでしょう?
幼稚園に入る3歳になる頃には我が子と過ごせる残り時間のうち約2割にあたる18%が消費されます。そして幼稚園を卒園する頃には約1/3の32%が過ぎていきます。小学校を卒業する頃には一緒に過ごす時間はその半分以上が過ぎ去ってしまい55%。高校を卒業して親元を離れるとすると7割以上(73%)が終わってしまいます。
というわけで我が子と生涯で一緒に過ごす時間は、母親で約7年6ヶ月。父親で3年4ヶ月しかありません。
クッキーとビスケットの違いは?
この疑問に回答してくれるのは全国ビスケット協会8代目会長の松島邦保さん。
まず、日本でクッキーと呼ばれるものは全てソフトビスケットというビスケットの一種だとのことです。
明治から大正にかけて日本の大手お菓子メーカーがビスケットを製造販売するようになり、一般家庭に徐々に普及。そして1927年に全国ビスケット協会が設立されます。
しかし、その頃クッキーなるものが登場します。日本で初めてクッキーを販売したのは東京、麹町の洋菓子販売店の泉屋東京店。創業者の泉伊助、泉園子夫妻がそれまでのビスケットよりも甘味が強く、コクのあるお菓子をクッキーと名付けて売り出した所、大人気になります。
コチラが泉谷東京店の公式HP
当時はビスケットとクッキーの明確な定義が決まっていなかったため、各ビスケットメーカーはビスケットをクッキーという名前にして売り始めたんですね。
これで混乱したのが消費者。消費者からの要望でクッキーの定義について話し合われることに。
昭和46年 全国ビスケット公正取引協議会の席で、このように定義付けされました。
番組内の再現VTRでは全国ビスケット協会3代目会長役は俳優の鶴見辰吾さんが演じています。
こちらが規則に掲載されている正式なもの。
「手づくり風」の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で40%以上のもので、嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜等により製品の特徴づけをおこなって風味よく焼きあげたもの
出典:ビスケット類の表示に関する公正取引規約の施行規則
昭和46年にこのようにクッキーの定義付けがなされたんですね。
日本ではクッキーもパイもクラッカーも、様々な焼き菓子がビスケット類ということになっているそうです。
主な6種類は、
- ハードビスケット:一般的なビスケットのイメージがこれ。割るときめ細やかな組織が見えて、歯ごたえはしっかり、ガス抜きの針穴が特徴的です。
- ソフトビスケット(クッキー):普段クッキーと呼んでいるのがこれ。砂糖や脂肪が多く、水分は少なめ。短時間で焼き上げるので、柔らかく、サクサクとした歯ざわり。ラングドシャはソフトビスケットの一種とされています。
- クラッカー:イースト菌を使って発酵させた生地を高温・短時間で焼き上げることで軽い口当たりになります。
- 乾パン:糖類や脂肪などの副原料が少なく、保存性が効くので非常食として防災リュックに入っているケースが多いものです。
- パイ:小麦粉の生地と油脂を交互に幾重にも折りたたんで、伸ばして成型・焙焼することでサクサク感が生まれます。
- プレッツェル:副原料の少ない生地をアルカリ性の湯に通し、表面をのり状にして焼くため、光沢と独特の風味が出ます。
というわけで日本においてはクッキーはビスケットの一種ということになります。
スポンサーリンクなぜ座高はもう測らない?(座高測定が廃止された理由)
ミニコーナー「歌の続きを歌ってね」ねこふんじゃった
正解するとチコちゃんは不機嫌になってしまうので、腹いせに「歌の続きを歌ってね」クイズが出題されます。
「♪ねこふんじゃった ねこふんじゃった ・・・」に続く歌詞を尋ねる問題。
岡村さんと財前さんは同じ答えですが、良純さんの答えは流石に・・・。
というわけで正解者はゼロ。正解は「♪ねこふんずけちゃったら ひっかいた 」でした。不正解という事でチコちゃんに叱られていますね。
それでは本題に戻って座高測定についてですね。座高測定が廃止されたのは2016年3月のことでした。
番組の回答では「78年間にも及ぶ大スキャンダル」というやや大げさなもの。これは一体どういう事でしょうか?
真相について明らかにしてもらうのは東京大学 名誉教授の衛藤隆さん。座高測定の廃止を決定した検討会の責任者を務めた方です。
元も、座高測定の目的は内臓の入っている身体の発育の状態を測定するというものでした。
1937年の日中戦争開戦の頃、内臓が発達している子どもは強い兵隊になるはずだという考えを元に、そのバロメーターとして座高を測定するように日本政府は指示。
第二次世界大戦が終わり、その本来の目的が失われた後でも座高測定は何となくそのまま続けられたのだそうです。
しかしながら、内臓の発育と座高の高さにははっきりとした因果関係があるわけではなく、全国から疑問の声が上がるようになっていきます。
この何となくで座高を測られてきた子どもの数は2016年までで約1億2000万人。測定された回数はのべ10億7200万回となっています。
1回の座高測定に10秒かかったとしたら費やした時間の合計は340年分。
座高の平均は75cmなのでこれを回数分だけ縦に積み上げたとしたら気象衛星ひまわりを越えてて、月も越えて、およそ80万km。人類未踏の地だそうです。番組曰く「特別な許可を得て、ふざけています。」とのこと。確かに。スタジオからもクレームの声が上がっています。
さて、肝心の座高測定の是非ですが、1987年についに検討されることとなりました。それが健康診断調査研究委員会。
スポンサーリンクそこでは座高がだんだん低く、脚が長くなっているという平均座高比率の推移なども話し合われました。しかしこのデータの活用法についてははっきりしないまま、とりあえず続けるという結論に至ったようです。
そして時は流れて2012年。鶴見辰吾さんが演じる衛藤隆さんは検討会の座長を務めるまでに。
番組ではその当時の議事録を元に「やや過剰に再構成」した座高測定廃止に至る再現ドラマが。
2012年5月18日に始まった検討会では座高数値の前にその他の健康診断にまつわる数値についての検討が行われましたが、その期間は長きに渡り、2013年7月12日に「座高測定 夏の陣」が開戦。もちろん番組が勝手に名付けています。
廃止派の主張としては座高データは実際には使っていないというもの。
一方の存続派は座高測定の負担は大したものではないため続けるべきというもの。
これに対して廃止派は座高を小さく見せたい子たちを注意したりと現場は結構な苦労をしていると主張します。さらに平成6年までは胸囲も測っていたものが廃止された点。これについては女子が嫌がるからやめたという経緯があったそうです。
こういったやり取りは実際に議事録に残っているそうなので検討会の内容としては全て真実のようですね。
そして座高測定は廃止されることに。
この再現ドラマを実際に衛藤隆さんに確認してもらったところ。「大体こんな感じですね。」とのこと。一応ご本人のお墨付きは得られています。
というわけで座高測定廃止の理由は「78年間意味があるのかないのか分からない事をしていたら」ということでまとめられました。
石原良純さんの答えは「測っても、使い道がなかったから。」というものでお見事でした。
一応、座高データは子どものプロポーションの変化を調べる研究などで活用されている例もあるという注釈がついていますね。
スポンサーリンクなぜ「男」と「女」がいるの?
番組の回答では「男は、女にとっての保険」というなかなか議論を呼びそうなものでした。
この疑問に回答してくれるのは青山学院大学の福岡伸一さん。生物学者として著名な人物ですよね。
福岡さんによると、男と女が現れたのは生命が出来てから大分経ってから、必要に応じて生み出されたものなのだそうです。
それ以前は世界には女(メス)しかいなかったんですね。
約38億年前。海の中で地球最古の生命が誕生します。私たちの祖先である微生物で性別はメスです。そして分裂によって数を増していきました。
その子どもはメス(娘)となり、親から同じ遺伝子がそのまま受け継がれていきました。娘は母親のコピーというわけですね。
このメスがメスを生む仕組み(単為生殖)は約20億年に渡って続くことになりました。メスだけがいて誰の力も借りずに子どもが生まれるシステムは非常に効率がいいわけで、メスとオスによる生殖(有性生殖)ではパートナーを見つけるというプロセスが増えるので効率の点から見ると面倒ということですね。
しかし生命誕生から約20億年が経つ頃に地球では異常気象などの天変地異、酸素濃度の上昇などの環境の変化が発生、生き延びるためにはバリエーション(多様性)が求められる時代に突入したのです。
同じ種類の生き物の中に色々な体質を持った個体がいないとその種が生き残る確率が低くなってしまうのです。そこでこの環境の変化に対応するべくして生まれたのがオスだったのです。
オスは体内に母親の遺伝子つまりメスの遺伝子を持ったまま他のメスと出会い、子どもを作ります。その時、母親が受け継いできたメスの遺伝子と父親が運んできたメスの遺伝子が混ざり合います。
その結果、子どもは2種類のメスの性質を少しずつ受け継ぎ、先祖たちとは違う個体になります。このようにメスはオスを遺伝子の運び屋として使い、バラエティ豊かな性質を持つ子孫を生み出していったというわけです。
メスが自分の子孫を生み出すという仕組みに対して保険をかけて、より変化をたくさん生み出して多様性を実現させるためにオスが作り出されたんですね。
そう考えるとオスたちはメスたちの遺伝子を運ぶ器でしかないという現実が。
例えばカマキリのオスは交尾が終わればメスの食料になったり、ミツバチのオスも交尾が終わると用済みになって巣に戻ってもエサを与えられずにただ死を待つだけの存在になりますね。交尾に成功した場合も生殖器官が体から外れてしまうため、やはり死んでしまうそうです。
ちなみに、カマキリの場合はメスは自分より小さな体の動くものをエサと認識することによるもので、あえて交尾後のオスを食料として積極的に利用しているわけではないようです。たまたま交尾中や交尾後に近くにいたから食べちゃったということですね。それはそれで何だか悲しいですけどね。
ミニコーナー「歌の続きを歌ってね」 蛍の光
そして番組のエンディングでは「続きを歌ってね」クイズで締め。
出題曲は「蛍の光」
「♪蛍の光 窓の雪・・・」この続きは?
正解は「♪ふみよむ月日 重ねつつ いつしか年も すぎの戸を」でした。
スポンサーリンク【放送ではカットされた雑学】
なぜ誕生日ケーキのロウソクは吹き消すの?という疑問は第2弾の放送が決定した際にNHKのHPで告知されていた内容に含まれていたものです。
しかし、実際の第2弾の放送では紹介されませんでしたね。→第3弾で紹介されました。
チコちゃんの正体
チコちゃんの声を担当しているのは誰なのか?ということについてですが、これはしっかりエンドクレジットに表示があるように、もう周知の事実ですね。
番組出演者も一応知っているような知らないようなという設定になっているようですね。
番組内では財前直見さんに「おんな城主 直虎」の話題を振ったチコちゃんが、
「あれっ。直虎で会ったことありません?」と指摘されるというシーンがありましたね。
「会わないよ~?」とこんな表情でごまかすチコちゃん。
画面右下にはしっかりと「岩松」の文字が。
初回に引き続いてチコちゃんの声優の正体はこの方でした。
最後に。第3回は?
なんとかチコちゃんのプチ整形で第2弾を乗り切った「チコちゃんに叱られる!」でしたが、第3弾の放送は今の所未定になっていますね。
そのままフェードアウトするかと思いきや、リニューアルしてまで放送された所を見ると期待せずにはいられませんが。
「ポン酢のポンって何?」「どうして男と女がいるの?」…5才のチコちゃんの素朴な疑問に答えられますか?知らないあなたは、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と叱られます。当たり前のように思っていたものごとを説明できず、ナインティナイン岡村隆史さんも悶絶しました。すぐに誰かに話したくなる情報満載。最新技術で誕生した、バーチャルでリアルな「チコちゃん」(MC)の姿にもご注目ください。
【出演】岡村隆史,石原良純,財前直見,関根麻里,【アナウンサー】塚原愛,【語り】森田美由紀
その他の回の放送特集はこちらの記事をご参照ください。
第1弾:NHK 「チコちゃんに叱られる!」がおもしろい。チコちゃんの語り口や表情に注目。
第3弾:NHK 第3弾「チコちゃんに叱られる!」が年末に放送。次回未定はいつまで続くのか?
第4弾:NHK 第4弾「チコちゃんに叱られる!」今回は#0?レギュラー放送決定記念の特別編
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから。