漫画「ちはやふる」のタイトルの意味、由来は?漫画原作ではどのように描かれている?
「ちはやふる」は百人一首競技かるたをテーマにした作品で、主人公・綾瀬千早とその仲間たちが競技かるたを通して成長していく青春物語。原作漫画の連載が少女漫画雑誌ということで恋愛要素もしっかり描かれていますが、スポーツ漫画と言っても良い程の熱量を持った作品に仕上がっていますね。
原作漫画がマンガ大賞を受賞したりと大ヒットしたため、テレビアニメ化、実写映画化とメディアミックスの王道を突き進んでいます。
ではタイトルになっている「ちはやふる」とは一体どんな意味なのでしょうか?そしてなぜタイトルになっているのでしょうか?漫画原作ではどのように描かれているのかを見てみましょう。
スポンサーリンク千早=“ちはや”ふる
物語の主人公である綾瀬千早が綿谷新の家で初めて競技かるたに触れるシーンが漫画原作第1巻に登場します。
札の読み手が「ちは」と読んだ時点で取れる札なので綾瀬千早の名前とひっかけて「千早の札」と表現したのが始まりです。
第1巻の巻末にはこんな説明文が記載されています。「ちはやの札」と呼んだのは新の作戦だったようです。
千早がかるたにのめり込むようになるきっかけを作った新のファインプレーですね。
かるたの師匠である原田先生も「自分と係りの深い歌」という表現をしています。
登場人物の名前と得意札の関係性についてはその後の物語でも何度も出てきますね。
スポンサーリンク恋の歌?
さて、そんな「ちはやふる」の歌ですがこれは百人一首に収録されている在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)の歌「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」の事です。
競技かるたの特性上、その歌の意味を基本的に音だけで認識している綾瀬千早ですが、ちはやふるについて、その表面的な意味だけは把握していました。
竜田川は紅葉の名所で川の水面を紅葉が流れるさまを、竜田川が川を紅く染め上げていると表現しています。
瑞沢高校競技かるた部員、そして古典オタクの大江奏は漫画原作第2巻で「ちはやふる」の歌の意味について「激しい恋の歌」と捉えてこんな説明。千早が歌に秘められた意味に興味を持つきっかけになるのもこのシーンでしたね。
そして「ちはやぶる」については「神」につく枕詞で「勢いの激しいこと」と説明していますね。
古典に精通していると、歌の裏に秘められた思いまで鮮やかに想像できるわけです。
やはり少女漫画らしく恋愛の物語であることは忘れてはいけませんね。
スポンサーリンク独楽の軸
漫画原作第11巻には実はちはやぶるの意味を正確に理解していなかった綾瀬千早に改めてその意味について教える場面が登場しますが、
今の所、漫画中には「千早振」、「千速振」の2通りの訓読み表記が出てきています。
ここでは「千早振る」と「荒振る」の意味の違いについて説明しています。
独楽の軸に例えて「ちはやぶる」の意味について説明していますね。
千早だけではない?
「千早=“ちはや”ふる」であることは既に述べたとおりですが、物語が進むにつれて、こんな描写がされることもあります。クイーンである若宮詩暢と綿谷新の試合のシーンから。「神」にかかる枕詞と共に綿谷新のことを千速振ると形容していることから、神の領域にという意味合いが込められているように感じますよね。