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十分なウォーミングアップとは何を指すのか?ウォーミングアップ後の過ごし方


運動前や競技前のウォーミングアップの重要性については多くの人が理解している事と思いますが、どの位の時間をかけて何を行うかというウォーミングアップ方法の情報は巷に沢山溢れている一方で、何を基準にしてウォーミングアップ完了としているのかについてはハッキリ分かっていない人も多いのではないでしょうか?

というわけで、十分なウォーミングアップのための目安・指標についてヒントになるものについてご紹介します。

また、ウォーミングアップ後の過ごし方によってその後のパフォーマンス発揮に大きな影響を与えるという事実についても合わせてご紹介します。

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ウォーミングアップの本当の意味

ウォーミングアップの目的

ウォーミングアップを行う理由・目的については血流を増やして、関節をほぐすという2つのテーマがありますが、実際に私たちの身体にどのような変化があるのでしょうか?

フィンランドで行われた研究によるとウォーミングアップの目的としてATP(アデノシン三リン酸)への影響が挙げられています。

ちなみにATPとはその働きから「生体のエネルギー通貨」とも形容され、エネルギー放出の基準となるものです。

縄跳びやジョギングを行ったりする典型的なウォーミングアップで体温が1℃上昇したとすると、たったそれだけの違いでATPの利用に大きな影響があると言われています。ATPの働きが活発に行われるということは多くのエネルギーを利用できるということを意味していますので運動のパフォーマンス向上にはプラスに働きます。

さらに、多くのエネルギーを利用できるということは素早い神経伝達や筋肉の収縮スピードの向上につながりますが、筋肉や腱の柔軟性も向上し、けがの原因となるひねったり、裂くような力への抵抗性も増す効果も期待できます。

また、体温が上昇することで関節周りにある滑液の働きも大きくなり、その潤滑油としても機能の向上も関節保護に役立つと言われています。

ウォーミングアップの目安

ウォーミングアップと深部体温

十分なウォーミングアップが完了したというのは軽く汗ばんで、呼吸も大きくなり、筋肉の張った感覚が無くなった時が目安となります。

深部体温にして1℃を上昇させることを一つの目安とされていますので身体が熱を持った感覚も大事にしましょう。

これには個人差があり、室温や気温、薄着か厚着かのウェアの違いにも影響されますので、バラつきがあるというのは覚えておくべきですね。時間にすると5分で完了する場合もあれば30分かけてやっと完了する場合もあるので、その時々によって調整できるよう身体の変化には敏感になっておく必要がありますね。

気温や湿度が非常に高い場合はウォーミングアップは、短めに抑えて過度な熱による疲労を防止する必要がありますが、場合によっては氷をタオルでくるんだものなどを使ってある程度身体を冷やすという方法も検討しましょう。

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ウォーミングアップの後は

ウォーミングアップ後の注意点

さて、ウォーミングアップも終了していざ本番のトレーニングに突入となった場合、その前に短い休憩を入れる場合は一つ注意が必要です。

絶対に通常のトレーニングウェアのままで休憩を取ってはいけません。

ここではラグビー選手を使って行った研究について4つのパターンでどのようなパフォーマンスの変化があったかをご紹介します。

【パターン1】 トレーニングウェアのままで

ウォーミングアップを行って深部体温が約1℃上昇した状態の選手についてそのままトレーニングウェアを着たまま時間が経つと、20分も経つ頃にはせっかく上がった体温の85%が元通りになってしまうという結果が得られたそうです。

休憩を取った後にスプリントとジャンプのパフォーマンス計測を行った結果は当然ながら振るわず。ワーストの記録となってしまったそうです。せっかくのウォーミングアップも体温が下がってしまうと台無しというわけですね。

【パターン2】 保温ウェアで

ウォーミングアップ後にダウンジャケットのような保温効果の高いウェアを着て休憩を取った場合は体温低下は30%に抑えられたという結果でした。

休憩後のスプリントでは2番目、ジャンプでは3番目のパフォーマンスでした。体温はある程度高いままをキープできたのですが、運動パフォーマンスについてはあまり満足のいく結果ではありませんね。

【パターン3】 休憩後再度ウォームアップ

ウォーミングアップ完了後にトレーニングウェアのまま12分の休憩を取り、その後にジャンプスクワットのような運動(ジャンプしてしゃがんで)を15回行った場合は体温低下は85%程度となったそうです。

その結果はスプリントのパフォーマンスは【パターン1】の結果とほぼ同じでしたが、ジャンプのパフォーマンスについては2番目に高いものになったそうです。体温は下がったもののジャンプ動作を行ったことで筋肉がアクティブな状態となったのがプラスに働いた模様です。

【パターン4】 保温ウェアかつ再度ウォームアップ

最後に保温ウェア着用の上で12分の休憩を取って、トレーニングウェアに着替えてジャンプスクワット運動を15回行った場合は体温低下を30%に抑えられた上で、スプリント、ジャンプ共に最高のパフォーマンスを発揮できたそうです。

つまりこの結果からウォーミングアップ後は温かい状態をキープしつつ、体もしっかり動かすことでそのウォーミングアップの効果を長くキープ出来る事を意味しています。

 - トレーニング

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