最大限の効果を狙う最強のプレワークアウトに求められる成分とは?
筋トレの必需品としてはプロテインパウダーがまず第一に考えられますが、プレワークアウト(Pre-Workout )の存在も無視することは出来ません。読んで字のごとくワークアウトの「プレ=前に」摂るのがプレワークアウト。
筋トレの直前に摂ることで筋トレの効果を最大限引き出すことが出来るプレワークアウトは様々な有効成分がミックスされたものが一般的に流通していますので、それぞれの成分の効果について一度整理しておきましょう。
こちらのガイダンスを参考に、それぞれの好みに合わせてプレワークアウトの選び方の参考にしてみてください。
また、カフェインがやけに多く含まれるプレワークアウトに注意が必要な理由、その裏事情についても触れていますので要チェックです。
スポンサーリンク目次
プレワークアウトの5つの主成分
プレワークアウトは比較的新しいサプリメントの種類で海外においてもここ10年ぐらいで一気にメジャーになってきた感のあるものですね。
そんな事情もあって、サプリメント市場には様々なプレワークアウトが溢れており、含有している成分も各メーカーによって多種多様。まさに玉石混合の状況とも言えます。
そんなプレワークアウトにおいて特に配合されるケースの多い5つの成分についてまずご紹介します。大抵のプレワークアウトに含まれる定番の成分ということですね。
これらの成分には大きく分けて2つの目的があり、
- トレーニング自体のフォーマンスを引き上げる
- トレーニング後の筋肉痛への対策
となっています。
BCAA
分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids、BCAA)は筋トレをやっている人間からしたらもはや常識とも言える単語ですが、プレワークアウトにもしっかりと含まれている代表的な成分です。
具体的には必須アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンを指しますが、これらのBCAAを筋トレ前に摂取することで筋肉のタンパク質合成をアップさせる効果が期待出来ると言われています。
3つのアミノ酸の中でも特にロイシンがmTOR(エムトア、エムトール)を刺激することで活性化させ、タンパク質の分解を抑えて、合成を増加させる効果があるため、プレワークアウトにはもってこいの成分になっています。
またBCAAの摂取によって大幅ではないながらも持久力アップの効果も狙えるということも見逃せません。さらに筋肉痛の発生を抑える効果もあるので良いことづくめの成分ですね。
効果に必要な摂取量についてですが、個々の体重によって変化はあるものの、ロイシンの摂取量3gを基準としてロイシン、イソロイシン、バリンの摂取比率3:1:1ぐらいがベストだと言われています。
というわけでプレワークアウトの含有量としては5g、プレワークアウト以外にも一日でトータル20gがおすすめ摂取量です。
クレアチン
続いてはクレアチン。こちらもプロテインに次ぐ存在としてメジャーな成分ですね。
筋トレの前だけではなく普段から摂取するようにおすすめされることが多いクレアチンですが、プレワークアウトにも主な成分として配合されています。
クレアチンはエネルギーの元になるアミノ酸の一種で、筋肉を活性化させる効果が期待できます。
結果的に爆発的なパワーを生み出す助けになりますので、高強度のトレーニングを行うほどに必要な成分と言われています。また、筋肉内に水分をため込む作用があるため、筋肉の肥大にも効果的で、細胞に十分な水分を行きわたらせるという重要な役目も担ってます。
ベンチプレスでは約5%、スクワットでは約8%のパフォーマンスアップなどなど、高重量を扱うトレーニングにおいて、総合するとおよそ10%のパフォーマンスアップにつながるという研究結果が明らかになっていますのでなかなかバカにできないですね。
クレアチンにはいくつかのフォーム(様態)があるのですが、ベストと言われるのがクレアチン モノハイドレート(creatine monohydrate)になります。大抵、研究で使用されるのがこのクレアチン モノハイドレートでクレアチンの効果=クレアチン モノハイドレートの効果と言っても過言ではないほどのメジャーな様態となっています。
プレワークアウトに含まれる量の目安は5g程度ですが、クレアチンは胃腸への刺激が主な副作用として挙げられますので、まずは少量の摂取で体質に合うかどうかをチェックする飲み方がおすすめです。
ちなみに、クレアチンに関しては筋トレ直前のプレワークアウトよりと筋トレ直後のポストワークアウトで摂取するほうがより効果が高いというリサーチ結果が出ていますので必ずしもプレワークアウトに必要な成分というわけではありません。
複数の研究結果で得られたものではないのですが、一つの参考までに知っておいて損はないでしょう。
スポンサーリンクカフェイン
カフェインも全てのプレワークアウトに含まれる主成分の一つで世界的に有名な合法ドラッグ。
トレーニングへの効果としては持久力アップ(疲労感の低減)、パワーアップ、脂肪の燃焼効果アップ、そして筋肉の反応速度アップなどが挙げられています。また、フォーカス(集中力)のアップ効果も期待でき、さらには運動後の筋肉痛を48%ほど低減するという嬉しい効果も。これだけ効果抜群だとほぼドーピングみたいなものですよね。
ただし、最大パワーをアップさせる効果についてははっきりとはしていません。
良いこと尽くめの成分のようですが、副作用も起きやすい成分のために取扱いには注意が必要です。
大体200mgの摂取が基準となるのですが、人によっては体質的に合わないというケースも存在しますので体重に合わせて増減するように調整する必要がありますね。体重1kg当たり1.8mgから2.7mgが目安です。
一応、欧州食品安全機関(EFSA)では一般成人の場合、一日のカフェイン上限摂取量が400mg未満、かつ一回の摂取量は200mg未満という基準が存在しています。
また、普段からカフェインを常用しているコーヒー愛好家なんかだとカフェインに対する耐性がついている場合もあるので要注意です。
ちなみにカフェイン200mgをコーヒーで摂る場合は大体450mlほど。これだけの量のコーヒーを一気飲みすることはまずないとは思いますが。
スタバのドリップコーヒーだとショート1杯で十分。2杯だとかなり量が多くなるので飲み過ぎないように注意。
β-アラニン(ベータアラニン)
β-アラニンはアミノ酸の一種ですが、ここ数年で一気にメジャーになってきた成分の一つですね。CarnoSynという名称で表記される場合もありますが、これは商標の一つですね。
β-アラニンの主な効果としては筋肉の持久力アップと疲労感の軽減が主なものです。結果として3%から5%ほどのパフォーマンスアップにつながると言われています。
初めてプレワークアウトを使用する際に体験する違和感の犯人がこのβ-アラニンで、俗にチクチクする、ピリピリする感覚と言われる副作用が現れる可能性があります。
これを感覚異常と呼び、顔、胸、指先などに感じる場合が多いと言われています。また、顔が紅潮して赤ら顔になることもあります。
実際に、体に害のある副作用ではないので過剰に恐れる必要はないのですが、やはり気になる違和感として嫌う人はいます。逆に体に効いている感覚として好む人もいるので実際に体験してみないことには分からないポイントではありますね。
β-アラニンの含有量としては2gから5gがプレワークアウトに配合されているケースが多いので違和感が気になる人はプレワークアウトの摂取量を少なくしてみるか、β-アラニンの含有量の少ないプレワークアウトを選択するようにしてみましょう。
必ずしも筋トレの直前に摂る必要のある成分ではないので一日に数回に分けて摂取するという飲み方でもOKな成分です。
スポンサーリンクシトルリン
シトルリンもアミノ酸の一種で、β-アラニン同様ここ数年で市場に広まってきた成分の一つですね。
シトルリンには血管内の一酸化窒素レベルを上げることで血管拡張作用があります。
一酸化窒素を英語でnitric oxide(NO)、このような成分が含まれるプレワークアウトは特にNO系と呼ばれる事が多いですね。血管(特に毛細血管)が拡張して血流がアップするために筋肉のパンプが得られるという効果も謳われています。
また、持久力アップなどの効果が期待できるため、プレワークアウトに含まれる主成分の一つです。ちなみに、心臓血管への健康増進効果もあるため、筋トレのためだけではなく丈夫な心臓のための成分としての側面も持ち合わせています。
シトルリンは摂取することでL-アルギニンに変換されるのですが、アルギニンを単体で摂取したときよりもシトルリンを摂取したときのほうが結果的にアルギニンの体内レベルが上がるという研究結果が報告されています。
シトルリンの主な様態としてはシトルリン マレート(citrulline malate)で大体8gの摂取がおすすめです。
さらに筋肉痛のリカバリー効果も期待できるという研究データもあるのでそんな意味も含めてプレワークアウトには欲しい要素なのがシトルリン。
ただ、NOによる血管拡張作用はそんなに劇的でもないのはあまり知られていません。NO系と呼ばれるくらいに一酸化窒素の働きがオーバーに表現されている感が否めませんね。残念ながら研究でも多少の効果がある程度という結果しか得られていないんですね。
実は普通のプロテインでも十分に血管拡張作用が得られるんですけど、そうなるとプロテインしか売れませんからね。その辺はサプリメントメーカーがあまり語らない闇の部分でもありますね。
次の項目ではプレワークアウトにとって定番ではない成分、効果に疑問符が付く成分について、カフェインの注意点についても合わせてご紹介します。
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効果は「?」な成分3種
ここからは効果がはっきりとしていない成分について3つご紹介します。
決して効果がないというわけではなく、今の所は科学的なエビデンスが得られていない成分になりますね。
L-カルニチン
エネルギー代謝に関わっているアミノ酸成分としてはL-カルニチンが挙げられます。
体内の脂肪酸をミトコンドリアに運ぶ役目を担うL-カルニチンの体内レベルを上げると脂肪の燃焼効果が望めるというのがポイントですね。
ただし、注意点としては既に体についた脂肪の燃焼効果については疑問視されている点です。あくまで一緒に摂り込んだ脂肪酸の消費効果を上げるだけで体脂肪の燃焼効果について明らかなデータは報告されていません。
というわけでプレワークアウトに入っているケースと入っていないケースのある成分となっています。
ただし、筋肉痛の低減に役立つというデータもあるのでその用途で含まれている成分という面もあるようですね。
スポンサーリンクグルタミン
グルタミンは筋肉の肥大とリカバリーの促進効果があるとされるアミノ酸の一種です。
グルタミンの体内レベルが低下している場合にサプリメントとしてグルタミンを摂取することで筋肉に対するプラス効果が得られるという研究結果が出ていますが、特にプレワークアウトで必要かどうかについては明らかになっていません。
というわけでプレワークアウトのレギュラーメンバーというわけではありません。
ナイアシン(ビタミンB3)
ナイアシン(ビタミンB3)は水溶性ビタミンのビタミンB複合体の一種で、糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠な成分です。
循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがあるのですが、それと同時に身体に変化を起こす成分としても有名です。
これは一体どういう事かと言いますと、ナイアシンには皮膚や特に顔を紅潮させて、ピリピリとした刺激、またはかゆみを引き起こすナイアシンフラッシュと呼ばれる効果があることが知られています。
1日100mg以上の摂取でこのような作用が生まれると言われていますが、一部のプレワークアウトには少ないβ-アラニンの含有量を誤魔化すために入っている成分がナイアシン。
チクチク、ピリピリとした感覚異常をプレワークアウトが効いている実感として考えている人をだますための成分という顔を持っているというわけですね。ナイアシンには前述のように有効な効果ももちろんありますので、意味のない成分というわけではありません。
特にナイアシンが多く含まれるプレワークアウトに関してはβ-アラニンの含有量とのバランスをよくチェックするのがポイントですね。
スポンサーリンクカフェインも注意
ナイアシンと同様に実はカフェインも含有量についても注意が必要です。
カフェインはプレワークアウトとして摂取すると多くのメリットが受けられる成分なのは間違いないのですが、その効果が非常に分かりやすいために、カフェインの含有率を上げるだけでさもプレワークアウトが効いているという感覚を演出することが出来てしまうという点は注意が必要です。
カフェインの効果を得るだけであれば何もプレワークアウトを摂る必要はなく、それこそコーヒーや紅茶を飲んでもいいですし、カフェイン単体のタブレット型サプリメントなどで十分です。
持久系スポーツでも特に長い時間を運動し続ける自転車ロードレース選手はレース前にエスプレッソを飲んだり、レース中に紅茶を飲んだりしていますよね。
カフェイン以外の成分の低い含有量を誤魔化すためにカフェインの比率を上げているプレワークアウトには気を付けるべきですね。
ちなみにメチルヘキサンアミン、1,3-ジメチルアミラミン(1,3-dimethylamylamine、 1,3-DMAA)、 商品名:Forthane、Geranamineなどの名称でプレワークアウトに含まれる場合、実はただのカフェインだったりもします。
これらの成分は多くの国で禁止薬物に指定されており、ドーピングの対象になりますので競技アスリートは注意が必要です。
といっても違法薬物というわけではないので普通に販売されています。むしろ含まれているのがカフェインであれば何の問題もないわけですが。
おまけの3つ
ここからはその効果についてさらなる研究が必要な成分についてです。
アシュワガンダ
Ashwagandhaはハーブの一種ですが、その摂取目安についてイマイチはっきりしていません。
プレワークアウトに含まれる場合は300mgから500mgが一般的ですが、その根拠は今の所不明です。
海外だとストレスの低減効果、不安感を抑える効果などを狙ってがん患者によって利用されることが多いのですが、その効果についてはまだ十分な研究が進んでいません。
リラックス効果、フォーカス効果が得られるという事でプレワークアウトに含まれるケースがあるようですね。
スポンサーリンクベタイン
心臓血管への良い効果が期待できる成分でアミノ酸の一種です。また筋力の向上や持久力アップも期待されています。
研究結果についてかなり数が限られているので摂取量の目安なども不明な成分となっています。さらに研究が進めばサプリメントのトレンドになるのかもしれませんが、今の所は何もはっきりしたことは言えませんね。
アルファGPC
アルファGPCは元々は認知機能の低下を抑える効果を期待してアルツハイマー病患者へ処方されていたサプリメントから発見された成分です。
筋力の向上や僅かですが成長ホルモンの分泌を促進するという効果が報告されていますが、まだ研究が進んでいる段階です。また、フォーカスのアップや意欲向上効果も謳われています。
将来的にはプレワークアウトに含まれる定番の成分になる可能性も秘めていますがさらなる研究が待たれますね。