なぜマスターズ王者パトリック・リードは使用クラブのスポンサーを受けられないのか?
2018年のマスターズ王者に輝いたアメリカのパトリック・リード。そんな彼はゴルフ界の嫌われ者・悪役として有名なんですが、実は使用しているクラブは全てスポンサー契約を結んでいないものばかり。
厄介者だからスポンサー側もトラブルを嫌がって契約しないのか?と言えば決してそうではありません。では一体なぜパトリック・リードはクラブのスポンサーを受けられないのでしょうか?
彼自身がメディアに語ったその理由についてご紹介します。
スポンサーリンクパトリック・リードのスポンサー
スポンサーに嫌われているというのは流石にないということで、ウェアのスポンサーについては2018年シーズンからナイキとの契約を結んでいます。
さらに時計メーカーのウブロや人材管理向けクラウドの提供事業を行うIT企業であるアルティメット・ソフトウェア・グループ(Ultimate Software Group)からのスポンサー契約も受けていますね。
また、クラブの契約についてはキャロウェイからのスポンサーを以前は受けていましたね。
スポンサーリンクなぜスポンサーを受けられない?
ではなぜ使用クラブについてスポンサーが受けられないかと言いますと、
「自分の望みを全て叶えてくれるクラブメーカーが存在しないから」というのがその理由のようです。
2018年シーズンを迎えるに当たり、
「それまでとは違ったアプローチを持ってゴルフに向き合いたかった」と米ニュース専門放送局CNBCのインタビューで語ったパトリック・リードは、
「一つのメーカーが14本全てのクラブとボールを一手に扱い選手に提供する?」「完璧な14本を全ての選手に提供するのはあり得ないことだ。」
という長年の考えが頭から離れなかったそうです。
世の中には素晴らしい道具を作るメーカーが数多く存在していることを前提として、
「ドライバーはいいけど、パターはな・・・」のように必ず妥協する点というのが生まれてしまう状況を嫌ったパトリック・リードは1つのメーカーで全てのクラブを統一してしまうのではなく、好みに合わせて好きなメーカーのクラブを組み合わせて使うという手法をとったというわけですね。
ということで彼のバッグにはピン、ナイキ、タイトリスト、キャロウェイ、アルチザン(Artisan)、オデッセイなどのメーカーでごちゃ混ぜになっています。
「自分が本当に使いたい物を何でも好きなように使える。」
「このやり方が自分にはピッタリだと感じていますね。確かにリスクのある事だとは思いますが、正しいリスクのとり方であって、おかげで初のメジャータイトルを手に入れることが出来たんだと思います。」
マスターズ栄光のグリーンジャケットに身を包んで語るパトリック・リードの姿を見ると、その考え方については同意せざるを得ませんね。
例えば、自転車サイクルロードレースの世界ではチームが契約しているスポンサー外の機材(ホイール、サドル、ペダルなど)を選手個人が使いたい場合、
メーカー名などが分からないようにステッカーやロゴが全て取り除かれたり、黒塗りにされた状態で「名無しの機材」状態で使われたり、本来のスポンサーであるメーカーのステッカー(デカール)を上から貼り付けて偽装したりという裏技が使われるのですが、ゴルフの場合はそういった裏技は難しいようですね。※ゴルフ界でも全く無いというわけではありません。タイガー・ウッズは使用しているパターのグリップに記されたロゴを黒く塗りつぶして長年使用していた例も。
パトリック・リードの希望だと、ゴルフクラブ一本単位でスポンサー契約を結びたいというのが心情だと思いますが今後もごちゃ混ぜ状態で戦っていくんでしょうか?