Mr.インクレディブルのあらすじだけでは分からないトリビア的小ネタ集 あなたはいくつ知ってる?
ディズニー/ピクサーのヒットタイトル「インクレディブル・ファミリー」のはじまりの物語となる作品が「Mr.インクレディブル」。引退したスーパー・ヒーローとその家族が世界を救うストーリーとなっていますが、あらすじだけでは分からないちょっとしたトリビア的な小ネタが満載なのが映画作品のお約束。
こんな知識集を知っておけばより作品を深く楽しめるかも?というわけでそんなトリビア的な小ネタ集をご紹介します。
あなたはいくつ知っていますか?
スポンサーリンク目次
原案が存在する?
「Mr.インクレディブル」作品には実は“原案”が存在していて、それは監督・脚本を務めたブラッド・バードの“実体験”に基づいていると言われています。
当然ながらブラッド・バード自身が何かしらのヒーローだったわけでも特殊能力を持っているというわけでもないのですが、この作品からスーパーヒーロー的な要素を抜いて考えてみると、こんな家族が実在していてもおかしくはないかなと思わされますよね?
これら家族の物語は実はブラッド・バード自身の経験がインスピレーションの元となっているんですね。
実際にブラッド・バードは自著の中で、
「この『Mr.インクレディブル』はスーパーヒーローを扱ったコメディタッチの映画になっているけれども、実は自分の人生がこの作品には溶け込んでいるんです。」
と語っています。
これはフィクションの作り手としてはこれはよくあることで、実体験からインスピレーションを受けて作品に反映させるというのは特段変わった事ではありませんが、これによってアニメーションであってもどこか“リアル”を感じさせる仕上がりになっている要因とも言えますよね。
父親のMr.インクレディブルことボブ・パーを例にとってみると彼は保険会社に勤務していて、自分では本意ではない仕事に毎日ストレスを溜める生活を送っています。
そして、ブラッド・バード自身もアニメーションの制作で自分の思うような仕事が出来ていない時期に「Mr.インクレディブル」を着想したようで、ブラッド・バードの置かれていた状況がそのままボブ・パーの置かれた状況となっていたというわけですね。
また、異質なものが社会ではなかなか上手く行かないというストーリーはブラッド・バード自身が何度も会社をクビになって転々とした体験が元になっているそう。
そして、ある時自分の本来やりたかった事に・・・というストーリーもそのままになっていますよね。
Mr.インクレディブルじゃなかった?
作品の制作途中で様々な変更があるのは、よくある話ですが一大プロジェクトとなる映画ともなるとそれは顕著。
特に作品の顔とも言うべきそのタイトルはその都度変更されたりということも多いのですが、「Mr.インクレディブル」も例に漏れず元々のタイトルは「ザ・インヴィンシブルズ」だったそうです。
作品のファンなら知っている事ですが、この「Mr.インクレディブル」というタイトルは日本向けのもので原題は「The Incredibles(ザ・インクレディブルズ)」。
インヴィンシブル=invincibleとは「無敵」という意味だったんですが途中で変更されたんですね。
ちなみにインクレディブル=incredibleとは「信じられない」という意味なのは当然ご存知ですよね?
“無敵の一家”から”ビックリ一家”に変更されたわけですが、作品の制作途中でピクサー内で呼ばれていた名前はもっと違う呼び方でそれは「タイツ」。
スーパーヒーローのコスチュームを指して「タイツ」という仮タイトルで呼ばれていたようですが、そのままの名前でリリースされなくて良かったですね。
スポンサーリンクフロゾンが水を飲む理由
作品をしっかり観ている人からしたらすぐに分かる事ですが、Mr. インクレディブルの古くからの友人であるフロゾン(本名 ルシアス・ベスト)にはそのスーパーパワーについて秘密があるんですね。
フロゾンは空気中の水分を一瞬にして凍らせるという能力を持っているのですが、実はこの能力は体内に十分な水分がある時にだけ発揮できるというルールが存在しています。
喉が乾いてしまうとそのスーパーパワーを使えなくなってしまうわけですね。
というわけで常に水分補給に気を遣わなくてはいけないフロゾンなのでした。
街名メトロヴィルの由来
作品の舞台になっているのがメトロヴィル(メトロビル)。英語表記だとMetroville。
ここで物語が展開していくわけですが、“スーパーヒーロー界”でも特に有名な2つの街の名前が合わさって出来ているのはご存知でしょうか?
それがスーパーマンに登場するメトロポリス(Metropolis)とスモールヴィル(Smallville)。
メトロポリスと言えばスーパーマンが活躍する街の名前として超有名ですし、スモールヴィル(スモールビル)はスーパーマンがクラーク・ケントとして若い頃を過ごした故郷として知られていますね。
この二つを合体させて名付けられたのがメトロヴィル(メトロビル)というわけですね。
ブラッド・バード監督はお気に入りのスーパーヒーローにスーパーマンの名前を挙げるほどだそうで、彼のスーパーマンへのリスペクトがここに表れていますね。
シンドロームの元ネタ
作品の敵役(ヴィラン)として登場するシンドロームですが、そのデザインについてアニメーターたちが元ネタにした人物がいるんですね。
それは、
アメリカ版のシンドロームの声優で演じているジェイソン・リーには似ても似つかない風貌になっていて、ブラッド・バードと並べてみるとかなり似ているのが分かりますよね?
アニメーターたちがそんな事を画策しているなんて思いもよらなかったブラッド・バードですが、これに関しては、
「作品になるまで気付きもしていませんでしたし、自分では似てるとは思わないんですけど、私のいない所でそうやってイジられているんでしょうね。」
とコメントしているそう。
でも、もう一人似ているキャラクターを思い浮かべませんか?
そうです。
物語の主人公であるボブ・パー(Mr.インクレディブル)も監督自身がモデルとなっているんですね。
スポンサーリンク続編までの期間14年
作品の続編の制作については様々な要因が絡むので容易に行かない事が多いのですが、大抵の場合は鉄は熱いうちに打てと言わんばかりに、あまり間隔を開けすぎないで続編が作られるのが吉とされています。
では「Mr.インクレディブル」の場合はどうかと言われれば、その続編である「インクレディブル・ファミリー」の制作まで14年もの間が開いてしまいました。
かなりの期間音沙汰なしだったわけですが、この14年という年月はピクサー作品では最長となっています。
例えばトイ・ストーリー2が公開されたのは1999年(以降全てアメリカでの公開年)でトイ・ストーリー3は2010年とその間隔は11年。
モンスターズ・インクの公開は2001年でモンスターズ・ユニバーシティは2013年でその間隔は12年。
ファインディング・ニモの公開は2003年でファインディング・ドリーは2016年でその間隔は13年。
ピクサーは2019年06月21日にトイ・ストーリー4を公開予定としていますから、その次はどうなるんでしょうか?
人間を主人公に
「Mr.インクレディブル」はピクサー作品としては初の人間を主人公としたアニメーション作品として制作されました。※その後は「カールじいさんの空飛ぶ家」、「メリダとおそろしの森」、「リメンバー・ミー」など
人間をアニメーションで描くのは動物などを描くよりもコストがかかりがちで、さらに「Mr.インクレディブル」の上映時間は115分と長めに設定されていた事も制作陣を悩ませたそう。
特に髪の毛の描写にはかなり苦労したようで、水中や風になびく表現を納得のいくクオリティに仕上げるのには相当な時間がかかったようですね。
ダイ・ハード
「Mr.インクレディブル」を観る子どもたちには「一体何のことやら?」というネタも盛り込まれているんですが、その一つが映画「ダイ・ハード3」に登場するシーンのパロディ。
なぜこんなネタが?とお思いかもしれませんが、理由はアメリカ版のフロゾンの声優を務めたのがサミュエル・L・ジャクソンだからなんですね。
「ダイ・ハード3」ではブルース・ウィリス演じる主人公の刑事ジョン・マクレーンの協力者として事件に巻き込まれる形でサミュエル・L・ジャクソン演じるゼウス・カーバーという民間人が登場しますが、「Mr.インクレディブル」と「ダイ・ハード3」で警察官に拳銃を向けられるシーンがパロディとして描かれています。
こちらがそのシーンを比較した動画。
「Mr.インクレディブル」ではウォーターサーバー、「ダイ・ハード3」では公衆電話となっていますね。
よく見ると銃口を向ける警察官の容姿は結構似ているように思いませんか?
スポンサーリンクファンタスティック・フォーを悩ませた?
「Mr.インクレディブル」に登場するキャラクターにはその元ネタとなるスーパーヒーローがいる事が有名で、ファンタスティック・フォーに登場するキャラクターで言うと、
- Mr.ファンタスティック=インクレディブル夫人
- インヴィジブル・ウーマン=ヴァイオレット・パー
- ヒューマン・トーチ=ジャック=ジャック・パー
とインクレディブルファミリーがそのままファンタスティック・フォーのようなイメージですが、実は「Mr.インクレディブル」はその映画の公開時期も相まって実写映画化された「ファンタスティック・フォー」に多大な影響を及ぼしたそうです。
というのも「Mr.インクレディブル」はアメリカでの公開年月日が2004年11月5日で「ファンタスティック・フォー」の公開が2005年7月8日。
先に公開された「Mr.インクレディブル」のCG技術の完成度があまりに高く、特にインクレディブル夫人の伸び縮みするエフェクトが素晴らしかったせいで「ファンタスティック・フォー」のCG制作チームは多大なプレッシャーを受けたそうです。
アニメーション作品に実写映画がリアルさで負けるわけにはいかないと息巻いたせいもあってか、2千万ドル(日本円でおよそ22億円)も追加で製作費がかかったと言われています。
また、脚本にも影響を与えてしまったとも言われています。
エドナ・モード
作品中で最も印象深いキャラクターであるエドナ・モードですが、実はアメリカ版では監督のブラッド・バード自身が声優を担当しているのは有名な話。
実は女優のリリー・トムリンがエドナ・モードの声優役としてキャスティングされていたのですが、デモ版としてブラッド・バードが吹き込んでいた音声を聞いたリリー・トムリンが「エドナ・モードにはこの声しかない。」と答えて役を降りてしまったという逸話が残っています。
さて、そんなエドナ・モードのモチーフとなったのは実在するファッションデザイナーのイーディス・ヘッドと言われていますが、実はそれだけではありません。
その見た目から女優のリンダ・ハントがモデルと言われているほかに、「プラダを着た悪魔」のモデルとして有名なアメリカ版『ヴォーグ』の編集長を務めるアナ・ウィンターや、歌手・女優として知られたロッテ・レーニャやデザイナーのアイザック・ミズラヒやポリー・アレン・メレンという名前がモチーフとして挙がっています。
では制作チームの答えは?と言うと、実はこれに関してはノーコメントとなっていて、実際に誰がモチーフとなっているのかについては明言は避けられている状態なんですね。
ちなみにエドナ・モードの作品中の役割としては「007」シリーズに登場する新兵器の研究開発担当のQがモチーフとなっているそうです。
イラスティガールの名前の謎
インクレディブル・ファミリーの母親であるヘレン・パー(Helen Parr)はゴムのような伸縮自在の身体を持っていて風船のように膨らむ能力も有していて、まるで漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の主人公ルフィのような能力者として描かれています。
設定上、伸縮性では300フィート(約91m)から1mmの薄さまで伸び縮みできるそう。
そんな彼女は”イラスティガール(Elastigirl)”という名前も持っているのですが、この名前は弾力、伸縮自在を意味するelasticとgirlを掛け合わせた名前。
実はこの名前のキャラクターはDCコミックスの「ドゥーム・パトロール」に同名のキャラクターが登場していてその名前は“Elasti-Girl(イラスティ・ガール)”
途中にハイフンが付くのが違いにはなっているんですが、その能力も一緒なので完全なパクリキャラクターとなってしまっています。
しかし、この辺の問題はディズニー・ピクサーとDCコミックス間でしっかり契約がなされていて、
あくまで“映画作品中に限っては”イラスティガールの呼び名を使ってOKということになっているそうです。
その為、おもちゃやその他のグッズにイラスティガールを載せる場合にはMrs. (ミセズ)インクレディブル(インクレディブル夫人)という呼び名が使われています。
さて、このDCコミックスに登場するイラスティ・ガールですが、その本名はリタ・ファー(Rita Farr)。あれ?苗字まで似てますよね?
しかしその外見に関しては「Mr.インクレディブル」では女優のメアリー・タイラー・ムーア、マリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーンがモチーフとされています。