氷水はNG?そうめん(素麺)の正しい作り方について2番組で比較してみると?簡単アレンジレシピも
夏の定番料理と言えばそうめん(素麺)が真っ先に思いつくと思いますが、昔から氷水につけて食卓に出すというご家庭も多いのではないでしょうか?でもこれってそうめんの美味しさを損なっているってご存知ですか?その他にも専門店の味を実現するお手軽裏ワザがあるって知ってました?
ということで7月11日放送のテレビ東京「ソレダメ 夏のトラブル撃退!油&絶品冷んやり麺SP」と8月2日放送のNHK「ごごナマ そうめん グレードアップ大作戦!」を例に挙げ、2番組を比較しながらご紹介します。
単純な味付けに飽きてしまった人にはおすすめの簡単アレンジレシピも。
スポンサーリンク素麺発祥の地
番組が向かったのは奈良県桜井市。この地域で作られる「三輪素麺」が各地に伝わって日本中に広がったと言われています。というわけで奈良県桜井市はそうめん発祥の地と言われています。
創業200年を越える老舗の製麺所、三輪山勝製麺。
ここで働いているのが六代目麺職人、山下勝山さん。
山下さんの作るそうめんは2008年の洞爺湖サミットの晩餐会に各国首脳に振る舞われるほど高い評価を得ています。
そんな達人の山下さんにそうめんをより美味しく食べるポイントについて伺ってみると、
- 麺
- つゆ
の2つのポイントに分けてお答えいただきましたのでポイントごとにご紹介します。
麺のポイント
まずは麺ですがその保存場所が重要。
そうめんには湿気が一番の大敵となることから保存場所は冷蔵庫がおすすめ。
しっかり密閉して冷蔵庫に入れておくと、麺本来の風味やコシが守られて長く楽しめるそうです。
そして麺にしっかりとコシを出して美味しく茹でる方法については、
梅干しと一緒に茹でる
のがポイント。
梅干しに含まれるクエン酸という成分が麺の小麦と結びついてコシが生まれるそう。
表示時間通りに麺を茹でたらそうめんに付いた油やぬめりを水で洗い流します。
あとは氷水の中へ投入。
ただし、
冷やし過ぎると麺の持つ旨みや甘みが消えてしまうので、
氷水に浸すのは10秒程がベスト。
氷水に入れて盛り付けるのはNGというわけですね。
その代わりに冷やしておくべきなのがめんつゆ。
めんつゆはあえて薄めに作って氷を浮かべるのもおすすめです。
スポンサーリンクめんつゆのポイント
三輪山勝製麺六代目の山下さんおすすめのめんつゆは、
なんと炭酸水割りのめんつゆ。
そうめんに炭酸水は意外な組み合わせですがシュワシュワとした炭酸ののど越しがサッパリするそう。
副社長の角さんがおすすめするのが、
トマトジュース割りのめんつゆ。
分量としてはトマトジュース:めんつゆが9:1ぐらいの割合だそう。
トマトの酸味でさっぱりとした味わいに。
全国素麺料理コンテストで優秀賞に輝いたことがあるという杉田さんがおすすめするのは、
同じく奈良県の名物と知られる奈良漬けを使っためんつゆ。
薬味の代わりに使うようですね。
続いて桜井市に住む一般家庭の主婦がおすすめするのは、
ミョウガ、大葉、パプリカ、トマトを小さなさいの目に刻んでめんつゆで和え、最後に大根おろしを加えるサラダめんつゆ。
色味が寂しいそうめんが一気に華やかになりますね。
化学的なアプローチ
続いてはNHK「ごごナマ」から。
こちらの番組ではは茹でる際の「吹きこぼれ」や時間が経つと「くっ付いてしまう問題」、「ワンパターンメニュー」といったお悩みを解決するという趣旨。
とうことで登場したのが工学院大学で食品化学工学を教える山田昌治教授。小麦粉の研究を30年以上続けているというまさに小麦粉の専門家です。
化学の力でいつものそうめんをくっ付きにくくてツルツルのモチモチに。
山田教授が教えてくれるのはまず、
梅干しを茹で水に入れると言う方法。
テレビ東京の番組内で紹介していた内容と同じですが、化学的にも大正解ということですね。
1Lの水に対して中ぐらいの梅干し一粒(小梅だと2個か3個)でOKだそうですが、梅干しのクエン酸の影響で茹で水が弱酸性になるとのこと。
弱酸性の水で茹でるとそうめんのでんぷんが溶けだすのを防げるんですね。これを“茹で解け”というそうです。
茹で解けを少なくすることで食感・風味がアップ。
さらに、でんぷん成分が溶けにくいということは吹きこぼれも防ぐ効果があるそう。
茹でる時はあまりかき混ぜないでOK。
お湯の対流に任せる感じで自然と麺が泳ぐ様に任せるのが吉だそうです。
箸でかき混ぜると麺が傷んで食感に悪影響を及ぼすとのこと。
火の勢いは強いまま。差し水は絶対NG。
茹であがったら、ざるに出して流水で油やぬめりを洗い流します。
その際に揉みこむようにして洗うとこれまた麺が傷ついてしまうのでNG。
割と適当で優しく洗うだけでOKだそう。
盛りつけの際に注意があるそうですが、氷水には浸さずに小分けにして盛るのがポイントだそう。
どうしても冷やしたい場合は氷水ではなく氷をそのまま置いてしまうのでもOKだそうです。水にさらしてはいけないという事ですね。
こちらの方法では氷水で10秒程冷やすという工程が含まれませんでした。
スポンサーリンク炒め用には重曹を入れる?
また、山田教授は麺をモチモチにする技として、
重曹を入れる
と言う方法も紹介。
重曹を入れると茹で水がアルカリ性になり、めんのタンパク質が締まるという作用があるそう。
すると麺の食感が硬めになるので炒め料理に適した状態になるとのこと。
これはうどんやスパゲティ(パスタ)でも応用が利くそう。
分量は1Lに大さじ1ぐらいが適量。
重曹を使う場合は必ずお掃除用などではなく食用の物を。
また、注意点として、
【沸騰している時に重曹を入れると爆発が起こってしまいますので要注意!!!】
重曹を入れる場合は必ず冷えた水の状態から!!!
また、
先ほど紹介した梅干しとは一緒に入れないようにしましょう。
酸性とアルカリ性で中和してしまいますのでただの水で茹でているのと同じ状態になってしまいます。
山田教授が疑問に答える
Q. お湯の量を少なめにして茹でても大丈夫?
A. 1Lぐらいのお湯であれば十分に美味しいそうめんは茹で上がるので、たっぷりのお湯は必要ない。
Q. そうめんの正しい保存方法は?
A. 冷蔵庫にジップロックのようなチェック付きのポリ袋で保存するのがベスト。そうめんの賞味期限は3年が目安。
Q. 古いそうめんの食感が良くなるのはホント?
A. その通り。
Q. お弁当に入れるくっ付かないようにするには?
A. 一口サイズにまとめて、クルクルと丸めるようにしておくとくっ付きにくい。へぎそばのようなイメージ。
スポンサーリンクめんつゆのアレンジレシピ
ここからは料理研究家の中山智恵さんご紹介のアレンジレシピ。
- 2種類のトマトつけだれ
- ひじきとそうめんペペロンチーノ
- だし風ジュレそうめん
- そうめんのジョン
などなど、
詳しいレシピはNHKのこちらのページに掲載されていますのでご参照ください。
2種類のトマトつけだれ
レシピに載っていない情報としては、
トマトをすりおろす時は半分に切って皮の部分を持ってすりおろすのが楽だそうです。そうすると勝手に皮だけが湯むきされたように残るみたいですね。
トマトジュースなどを使うよりも、やはりすりおろしたものを使う方が風味豊かに仕上がるとの事。
トマトの状態によっては水っぽいつゆにもなるそうなので混ぜる時は液体のだしや豆乳から先に入れて調整するそうです。
出来たトマトつけだれに たらこやキムチを加えてアクセントをつける方法も。オイルを足す場合にはアマニ油が良いそう。
NHKの見本画像では出来上がりがトマトとにんじんのような色味の違いになっていますが、スタジオで作った時には、豆乳を足すまろやかだれの色味がかなりピンクに近いものになっていましたね。
ひじきとそうめんペペロンチーノ
炒める工程が入っていますので重曹を入れる方法で茹で上げるのがポイント。
和えている時も麺がしっかりしているので千切れにくくなるそうです。
冷めてしまっても美味しさはキープしたままだそうで、お弁当に入れてもOKとのこと。