フィギュアスケートの聞き慣れない用語「オイラー」とは?コンビネーションジャンプの大事なつなぎ
2018-2019シーズンのフィギュアスケートも開幕を迎えていますが、そんな試合中継を見ていてふと気になる聞き慣れないあの用語「オイラー」。英語だとOiler?ん?一体何?というわけで詳しく調べてみました。
スポンサーリンクシングルオイラー?
シングルと頭についているので1回転する「オイラージャンプ」という意味なんですが、
これは決してOilerではなく、Eulerと英語では表記します。ISU(国際スケート連盟)の略語表記では“Eu”ですね。
このオイラージャンプはエッジを使うエッジジャンプの一種でループジャンプから派生したもの。
後ろのアウトサイドエッジで踏み切って逆足のインサイドエッジで着氷するというジャンプ。
インサイドエッジで着氷するのでその直後にサルコウかフリップを持ってくる事が出来るんですね。
別名をハーフループ(Half-Loop)またはスウェーデンのスケート選手で1908年のロンドンオリンピックで銅メダリスト、ペル・トーレン(Per Thorén)の名前からヨーロッパではトーレン・ジャンプ(Thorén Jump)とも呼ばれています。
氷のリンクの上ではなくフロアの上をローラースケート靴で滑る競技、ローラースケートフィギュア(アーティスティック・ローラースケート)の分野で広く一般的に呼ばれていたのがこのオイラージャンプという呼び名。
ちなみに以下の動画が2016年から2018年まで世界選手権で3連覇をしているイタリアのルカ・ルカローニ(Luca Lucaroni)選手の演技動画(途中で再生が止まる部分がありますね)。
パッと見はフィギュアスケート?と思いきや足元をよく見るとハッキリ違いが分かりますよね。注目して欲しいのがキャメルスピンの軸足足元。かかとのローラーを使ったり足を組み替えた時にアウトサイドエッジだけ変えたりと細かなテクニックを披露しています。あとはかかとだけを使ったイーグル姿勢(2:31)などなど。イタリアの伊達男という感じでかなりのイケメンですしね。
ついでに女子選手も紹介しておくとこちらもイタリアの選手ですね。シルヴィア・ネメシオ(Silvia Nemesio)。手足もスラッと長いスタイルも相まってかなりの美人さん。やはり2016年から2018年の世界選手権を3連覇。
ちなみにコンビネーションジャンプ中に跳んでいるのはオイラージャンプではないパターンのジャンプ。片足で跳んでそのまま同じ足で着地しているのが分かりますよね。後半に足を変えるオイラージャンプを跳ぶコンビネーションジャンプも見せていますね(3:33付近)。
10点満点で採点される感じなんかも何だか見ていて不思議な気持ちになりますね。フィギュアの旧採点方式の6.0システムとも違って何か新鮮なような、古めかしいような。
さて話を戻すと、
名称のオイラー(Euler)の由来については誰かの名前とは推測されますが、海外のソースを探してみてもその由来は不明となっています。
このオイラージャンプは3連続ジャンプのコンビネーション中に間に挟むジャンプとして多用されていて、単独で跳ぶと以下の動画のような感じですね。
コチラがハーフループ(オイラージャンプ)の習得方法を紹介した動画。
フィギュアスケートを見ていると急に耳にする機会が増えた「オイラー」という響きですが、その理由は2018-2019シーズンからハーフループ(1Lo)の表記がシングルオイラー(1Eu)に変更されたからなんですね。
以前は単にシングルループと呼ばれたり、ハーフループと呼ばれたりでした。
“ハーフ”と付くので半回転(ループジャンプの半回転バージョン)と勘違いしがちですが普通に1回転するジャンプなんですよね。
スポンサーリンク羽生結弦や宇野昌磨の例
当然ながらトップ選手たちはこのオイラージャンプを組み込んだ3連続コンビネーションを演技に取り入れてきますが、
羽生結弦の3A(トリプルアクセル)+1Eu(シングルオイラー)+3S(トリプルサルコウ)
宇野昌磨の3A(トリプルアクセル)+1Eu(シングルオイラー)+3F(トリプルフリップ)
2018-2019シーズンの例
フィギュアスケートのGPシリーズ第3戦フィンランド・ヘルシンキ大会にて羽生結弦がフリーの「Origin」で見せたのが上記と同様のコンビネーションジャンプ。3:34付近。
3A(トリプルアクセル)+1Eu(シングルオイラー)+3S(トリプルサルコウ)
ちなみにトリプルアクセルに行く前にカウンターの動きを入れているのがハッキリ分かりますね。