田子ノ浦部屋が宿舎を移転し競馬場に相撲部屋を設営。その理由は?密着映像で振り返ると?
19年2月28日に放送された「ミヤネ屋」ではある意外な場所に宿舎を移転した田子ノ浦部屋の模様を密着取材。その場所というのが何と“競馬場”。大相撲の歴史で前代未聞となる競馬場に相撲部屋を設営するその様子について、なぜ競馬場が選ばれたのか?などその経緯についても触れながら特集されていましたね。
というわけで19年2月28日放送の日本テレビ系「ミヤネ屋」の内容を元にまとめてご紹介します。
差し入れに欲しいものは?と聞かれた田子ノ浦親方が答えたのはまさかのリクエストw
スポンサーリンク田子ノ浦部屋
2月15日、大相撲大阪場所の23日前。兵庫県尼崎市に到着した田子ノ浦部屋の力士たち。
田子ノ浦部屋と言えば田子ノ浦親方を筆頭に元横綱・稀勢の里、荒磯親方や次期横綱の期待もかかる大関・髙安などが所属。
この日新しく移転した宿舎の設営に若手力士たちが先発隊として駆り出されたというわけですね。
係員さんにテーブルやソファなどの備品は自由に使ってもらってOKという言葉をかけられます。ただし、機械だけは触らないようにという忠告も。
その新宿舎に選ばれたのは園田競馬場。
コチラが田子ノ浦部屋の公式HPですが、大阪宿舎の現住所にしっかり「園田競馬場内」と表記されていますね。
メインスタンドのリニューアルに伴って2018年末で一旦閉鎖された馬券売り場を借りて開かれるのが田子ノ浦部屋の新宿舎。
競馬場に相撲宿舎というのは大相撲始まって以来の初の試みです。
1台70万円するという競馬場の自動払い戻し機や喫茶コーナーなどは繁忙期になると再使用される予定なので競馬場の設備はそのままの状態。
序二段 海真は「本当俺初めてっすね。テレビでしか、『みんなのKEIBA』でしか観たことない。」
先発隊はそのほとんどが幕下以下の力士たちで年齢も10代が半数。
珍しい景色に記念撮影を行う若手力士たち。
ここから相撲部屋設営のお引越し作業がスタートします。
相撲部屋の引っ越し作業
前代未聞の馬券売り場で土俵作りがスタート。
まずカメラが追ったのは競馬場に到着したのは鉄道貨物のコンテナを積んだトラック。
東京の部屋で使っていた日用品などがまとめて到着したようです。
トレーニングで使うダンベルや移動に使う自転車など。
さらに大量のネギ。箱には「矢切ねぎ」とありますね。
若手力士たちにとって地方場所は幕内力士たちが到着する前の部屋作りからスタートします。
馬場を競走馬たちが駆け抜ける中、この日は相撲には不可欠な稽古場を作る土俵築(どひょうつき)という作業が行われます。
まず運び込まれた11トンの土を“タコ”という道具で押し固めていきます。
使われる土俵の土は埼玉県川越市の「荒木田土(あらきだつち)」。粘りがありながらも乾燥が速いという特徴があり、本場所の土俵でも使われる土です。
その傍らで土俵の俵作り。
取材に応えてくれたのは大相撲で進行などを務める呼出(よびだし)の光昭さん。
実は本場所の土俵を始め、各相撲部屋の土俵は全て呼出が作るんですね。
中に土をつめて俵型にして、ビール瓶で叩いて形を整えます。
形や強度や叩き具合などからアサヒの大瓶を使うのが角界流だとか。ラベルなどもそのままでガンガン叩かれてラベルの印刷が剥げている様子。
小さな俵を24個丸く並べる事で土俵の円が形作られていきます。土俵の中心部を軸に紐を伸ばしてコンパスの要領で円を描いて、その円に沿って溝を作成。その溝に俵を綺麗に並べていきます。ここでもアサヒの大瓶が活躍。これらの作業全てが人力で行われます。
光昭さん「俵が緩んできたりすると、(足の)指が入ったりするんです。だから力士が怪我しないように作るのが一番ですよね。」
こうして約4時間でこの日の土俵作りの作業は終了。これを数日間乾燥させる事で土俵が完成。
ガランとしていた馬券売り場のスペースに土俵が作られて稽古場へ変貌。
田子ノ浦部屋ではこのような土俵作りを本場所と地方場所の度に年間6回行っています。
土俵に入っての稽古を前に馬券売り場の空いたスペースで笑顔で軽くぶつかり稽古を行う若手力士たち。空き時間に遊んでいる様子。
スポンサーリンクなぜ競馬場に相撲部屋を?
ちなみに田子ノ浦部屋では、これまで大阪市内のお寺に宿舎を構えてきましたが、なぜ今回は競馬場に宿舎を移すことになったのか?という疑問に田子ノ浦親方は、
田子ノ浦親方「ちょうど騎手の小牧太(こまきふとし)さんが知り合いで紹介していただいて。(広くて)すごく環境もいいですし、まあ新たな気持ちで本場所を迎えられるかなと思いますね。」
そして2月21日には園田競馬場内で大阪場所のPRも兼ねて開かれたトークショーに出席する田子ノ浦親方。
田子ノ浦親方「こうやって、相撲以外で競馬を見に来られているみなさんにも少し相撲を見て興味持っていただいて、あと日本中の人に喜んでもらえるような相撲を取れる環境を作ってあげたいなと思ってます。」
稽古初日
そして2月26日、大阪場所12日前。
この日から田子ノ浦部屋の稽古がスタート。
競馬場に響き渡る所属力士12人のぶつかる音。番付の低い順からぶつかり合うのが習わし。
キリンのビールケースを重ねて臨時のベンチにして稽古を見守る田子ノ浦親方。
ここはアサヒじゃないんですねw
そこに現れた元横綱・稀勢の里、荒磯親方。
若い衆に時折笑顔を見せながら指導。
「頑張れ。逃げんなよ?笑」と温かい雰囲気。
完成した土俵での初稽古に元横綱・稀勢の里、荒磯親方は上機嫌の様子。
そんな中、一番最後に土俵に上がったのが田子ノ浦部屋の看板力士である大関・髙安。
2月10日に開催された大相撲トーナメントでは見事初優勝を果たした事で余計に綱取りが期待される力士の一人。
稽古熱心で有名な髙安は若手相手に何度もぶつかり稽古。先に若手が音を上げている様子。
稽古の様子を一目見ようと稽古場の周囲には窓ガラス越しに人だかり。
この日は相撲・競馬ファン合わせて500人以上が見学。
相撲目当て、競馬目当てのファンが入り乱れる中、力士と競走馬たちは互いに注目を集める的ではあるので、それぞれのファンも垣根を越えて興味津々の様子。
午前11時にこの日の稽古は終了。
ちゃんこ場の様子は
稽古場の2階では、元々あった競馬場の喫茶スペースがそのまま相撲部屋の台所であるちゃんこ場に早変わり。
よくある食堂の調理場に料理を出すカウンターが付いたようなスペースで力士たちがちゃんこ作りを行っているので、まるでお相撲さんがやっている食堂のように見えて何だか面白い雰囲気。
この日のメニューは「担々鍋」でゴマの風味で担々麺風に仕上げた鍋だそう。
幕下以下の力士たちが当番制で朝8時から昼食を準備。冷蔵庫には当番表が貼り付けてありますね。
施設のキッチンなのでスペースが思いの外広々。これにはちゃんこ番の力士たちも好評。
狭いスペースで苦労しながらすれ違う事も無く快適な様子。
髙安の感想は?
競馬場に出来た田子ノ浦部屋の新宿舎について髙安に聞いてみると、
髙安「最初はピンと来なかったんですけど、大変いい環境だと思ってます。沢山の方に相撲に関心を持っていただけますので、すごくやりがいがあります。」
ちなみに競馬の経験について聞いてみると、
髙安「一回も教わった(した)事は無いですね。間近で見る事が出来て大変身になりますね。」
その髙安は2月28日が29歳の誕生日という事もあって1年の抱負を語ってもらおうとしますが、
髙安「あぁそうか。笑」
と自身の誕生日が頭から抜けていた様子。
髙安「まあそうですね。言うてる間にこの年になってしまったので、まあ早く・・・優勝ですね。一生懸命精進して結果を出したいと思ってます。」
ちなみに髙安はその熊さんのような愛らしい見た目も人気の一つでもありますが、その体に生える体毛の具合で本人の調子も分かるのだとか。
稽古が十分だと体毛が稽古中にすれる事で薄くなるのだとか。
つまり毛が薄くなればなるほど好調の証。
これについて本人を直撃すると、
髙安「たくさん稽古して少しでも薄くなるようにですね。頑張りたいと思います。」
ここで番組はCMを挟んで園田競馬場の田子ノ浦部屋宿舎から生中継で田子ノ浦親方に出演してもらう事になりますが、
CM入り前の煽りでは「LIVE 髙安関 体毛情報&ビギナーズラック!」というテロップw
宮根誠司と田子ノ浦親方のやり取り
ここで生中継を結んで番組MCの宮根誠司さんと田子ノ浦親方のやり取りに。
宮根「なかなか使い勝手良さそうですね?園田競馬場は。」
田子ノ浦親方「そうですね。すごいいい環境でやらせてもらっていただいてます。」
宮根「騎手の方と元々お知り合いでここ使ったらどうだ?って言われたんですか?」
田子ノ浦親方「はい。そうです。」
宮根「使ってみて、一番使い勝手のいい所はどこですか?」
田子ノ浦親方「やっぱ広いですね。広いですし、まああとはやっぱりちゃんこ場も広くてですね。若い衆も雑魚寝が出来るので。」
宮根「若い衆なんか休んでて寝てる所で競馬が始まったりしますよね?」
田子ノ浦親方「なんか夜ですね、1時頃調教があるみたいなんですけど、誰一人気づかないみたいですね。」
意外と睡眠環境も問題みたいですねw
宮根「稽古を見せていただきましたけども、元・稀勢の里の荒磯親方になられまして、親方が実際に若い衆に胸を貸してらっしゃいます。これも若い力士にとっては励みになりますね?」
田子ノ浦親方「いや。ホントにそうですね~。本人は一生懸命、現役の時からですね真面目だったんで、まあいい手本になってくれると思います。」
宮根「稽古を見に来る方が相撲ファン+競馬ファンっていう事で、もう部屋の周り大変みたいですね?」
田子ノ浦親方「そうですね。人が多くてですね、ありがたいですね。ホントに。」
宮根「髙安関は競馬教わったことが無いっておっしゃってたんですが、ドエライ事が起こりまして。」
という事で500円馬券を購入した髙安は53万馬券を的中させて265万円の高配当を獲得。
宮根「親方これ、持ってますね?」
田子ノ浦親方「いや僕・・・運使わないようにしてんのにコイツ・・・使って大丈夫か?って。笑」
宮根「ここで運使っちゃダメだろ!って。笑。田子ノ浦親方はしないようにしてるんですか?」
田子ノ浦親方「いや。やったとしても負けるように。はい。」
また気になる(?)髙安の体毛情報については、
田子ノ浦親方「今場所はいい稽古をしてるんで、今場所“も”ですけど。また環境も変わっていい相撲を取ってくれると思います。」
宮根「差し入れみたいな、親方何か欲しいものがありましたら。」
田子ノ浦親方「あ。神戸牛が欲しいです。笑」
宮根「神戸牛!?何kgやろな~。笑」
テレビで神戸牛の差し入れをおねだりした田子ノ浦親方の照れたような笑いでエンディングw
という事で競馬場内に作られた田子ノ浦部屋の新宿舎については以上。