マリモが丸いのは“湖を制覇する”ため?第100回 NHK「チコちゃんに叱られる!」より
20年7月31日放送の第100回 NHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『マリモはなぜ丸い?』という疑問。その答えは「湖を制覇する為」というなかなか意外な物ですが、マリモの生存戦略のしたたかさやその野心家ぶりについて明らかに。
ということで、20年7月31日に放送された第100回 NHK「チコちゃんに叱られる!」の様子をまとめてご紹介します。
※同放送回のその他の疑問は別記事でフォロー。
スポンサーリンク出演者
【メインMC】チコちゃん(声:木村祐一)
【アシスタント】塚原愛(NHKアナウンサー)
【ナレーション】森田美由紀(NHKアナウンサー)
【レギュラー】ナインティナイン 岡村隆史
【ゲスト】小堺一機、中川翔子
【VTR】大竹まこと
チコちゃんの疑問その2
マリモはなぜ丸い?
2問目の指名は、
この中で一番、湖が似合うステキな大人ってだーれ?
ここはしょこたんが解答者。
チコちゃんの疑問は、
マリモはなんで丸いの?
丸くなると直径が大きくなって防御力が上がるとゲーム世界みたいな事を言い出す中川翔子さんですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
続いて明石家さんまさんに「死にかけのマリモ」「テニスコートに10年置いてあったテニスボール」と以前言われた事があるという小堺一機さんに聞いてみると、
小堺一機「Like a Rolling Stone(転がる石のように)みたいな。」
何か思いついたように「増えやすいから?」と答え出した岡村さんでしたが、ちょっとズレている空気を感じたので途中で足早に退散w
岡村「もう僕やめときます。笑」
チコちゃんの答えは、
嵐に乗じて湖を制覇するため
解説は釧路国際ウェットランドセンター 阿寒湖沼群・マリモ研究室の若菜勇室長。
そもそもマリモは丸い姿がよく知られていますが、実はマリモの中でも丸くないものもしっかり存在しているとか。
ちなみにマリモの内部は繊維状の藻がぎっしり詰まっていて、さしずめ藻ボールの様相ですが、この繊維状のもの一本一本マリモ。
となると、丸くなくても水中をランダムな形で漂っていてもマリモ(浮遊型マリモ)だったり、他にも岩に張り付く着生型マリモだったり様々なタイプがあるという事。
こんな感じで色んな形で日本中の湖に生息しているマリモはそのほとんどが丸くないというのが真実なんですね。
とは言ってもマリモ=丸いというのが私たちの認識だったりしますが、その原因が世界最大のマリモの群生地と言われる北海道の阿寒湖に生息する丸いマリモが有名過ぎるから。
直径30cm以上もある大型マリモもゴロゴロしている北海道の阿寒湖は世界でも唯一。
ちなみに日本で初めてマリモが発見されたのは阿寒湖で1897年の事。
そのマリモが丸かったのでボール状という意味で「毬藻(まりも)」と名づけられたんですね。
そしてこの阿寒湖の丸いマリモには、3つの要素が奇跡的に重なったからと考えられていて、
- 遠浅の湾
- 風
- 水草
まず「遠浅の湾」について。
阿寒湖は激しい火山活動の結果、他の湖に比べて入り組んだ地形をしていて、そこに川からの土砂が流入する事で遠浅の地形が誕生。
マリモは植物なので成長には太陽光が不可欠。
水深深い位置よりも浅い位置の方が光が届きやすいのでマリモが大きく成長しやすいという好条件。
ここで若菜さんから「私も出演したNHKスペシャルで」という気になる言葉。
となるとチコちゃんでは定番のNHKスペシャルから映像を拝借。
NHKスペシャル「神秘の球体マリモ~北海道阿寒湖の奇跡~」からですね。
映像では遠浅の地形に丸いマリモが敷き詰められるようにして広がっているシーン。
続いて「風」というのもポイント。
阿寒湖では日の長い夏場に湖の南から北にかけて強い風が吹きますが、この風と遠浅の湾が生み出す絶妙な波によって、マリモが丸くなるために不可欠なある運動が発生。
コチラもNHKスペシャルで世界初となる映像撮影を行ったそうでやっぱり拝借。
マリモの動きを固定カメラで撮影した映像では500倍のスピードにしてみると、マリモがその場に留まったまま波の力で回転している姿が見て取れます。
波によってクルクルと回るマリモは回転する事で全体に太陽光を浴びて満遍なく成長して丸くなっていくんですね。
とここまではNHKスペシャルの二番煎じですが、続いても3つ目のポイントについてはNHKでは初出し情報。
ナレーション「なんとチコちゃんがまさかのNスぺ越え!」
それが3つ目の「水草」。
阿寒湖の湖底には当然ながらマリモ以外の生物も生息していますが、中でもマツモという水草はマリモの天敵といえる存在で、マツモは背が高いので太陽の光をさえぎってマリモの成長にとっては邪魔な存在。
このように水草が増えると微妙な波の力が変化してしまうので、丸くなるのに不可欠な回転運動も出来なくなるという点も。
ところが阿寒湖に台風のような大きな嵐がやってくると状況は一変。
水草は根を張って生きていますが、嵐が起こす強い波にさらされると根こそぎ取れて流されて行ってしまう事も。
その結果、湖岸に打ち寄せられた水草は哀れ生存競争に敗れる事に。
その一方でマリモは根を張らずに丸い状態で生息しているので多少波に流されるぐらいでは平気。
このようにして数年に一度の周期でやって来る嵐を利用して水草に対抗しているマリモ。
嵐に乗じて湖を制覇するための武器が「マリモの丸さ」だったんですね。
そんなマリモですが、さらに嵐の勢力が強くなってしまうと流石のマリモもバラバラ状態に。
これで万事休すかと思いきや、バラバラになる事で波の強烈な力を上手くいなす事で浅瀬でも流されずに生き残る事が出来るとか。
嵐が過ぎ去るとそこからまた回転運動を再開してバラバラになったマリモがやがてまた丸く成長。
壊れては再生するという輪廻と回転して成長する丸いマリモという上手く出来たお話ですが、
若菜室長「すいません。これNHKスぺシャルと同じ事を言ってしまいました。笑」
やっぱり二番煎じでしたw
ということでコチラが結論。
マリモが丸いのは嵐に乗じて湖を制覇するため
でした。
チコちゃんのライバルは?という質問には「きのうの自分」とカッコつけるチコちゃんw
最後に阿寒湖以外でも丸いマリモは生息しているという補足。
総括では堺正章さんが言っていた言葉を引用する形で「丸くなるという事はね、角を折る事じゃないよ?カバーする事だよ。牙はとっとかなきゃダメだよ?」と紹介する小堺一機さん。
小堺一機「『なるべく広めてくれる?』って言ってました。」
ばっちりオチをつけた所で2問目終了。
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