クローズアップ現代 フェムテック特集 月経前後の運動は有酸素or筋トレどちらをすべき?
20年11月24日放送のNHK「クローズアップ現代+」ではフェムテック特集が組まれていましたが、スポーツの現場で活用されるジェンダード・イノベーションズとして月経周期に合わせたトレーニングについて紹介。
スポンサーリンク月経周期と運動
女性の身体に適したトレーニングの研究をしている須永美歌子教授は、
女性の運動能力が月経周期によってどう影響を受けるのか?を研究中。
運動前後の血液成分の変化を調査すると、
「月経周期によって体を動かす時のエネルギー源に違いがある」事が分かって来たといいます。
簡単に説明すると、
- 月経前は脂肪を主に消費
- 月経後は糖を主に消費
という違い。
つまりこれをトレーニングに活用するとなると、
- 月経前は有酸素運動
- 月経後は筋トレ
須永教授「女性の特性を考慮して、運動を行っていく方が安全で効率的なトレーニングを行っていける。」
これまでスポーツの現場では女性の月経周期などは考慮されずにトレーニング内容が組まれることが多かったのですが、
女性アスリートの4割が月経が止まるなどの異常を抱えていて、骨折や膝のけがは男性に比べて女性に圧倒的に多かったりという事も。
月経周期に合わせたトレーニングをいち早く取り入れた女子サッカーアメリカ代表の例に倣って、日本でも同様の取り組みが始まっているそうで、
須永教授の研究を練習に取り入れているという女子駅伝チームでは、
選手の月経周期を共有する事で、グループごとに練習量に差をつけるなどの改革プランをすすめているとか。
その結果、チームは全日本大学女子駅伝で29年ぶりにベスト3に。
女子駅伝チームを指揮する佐藤洋平監督は、
「強化、鍛錬するという事ばかり考えてたんですけど、女性の体を知る事で結果の方がつながってきた。」と語ります。
須永教授「科学的な根拠を大事にした指導。それで健康を保ちながら強くなって成果を出す。」
こういった取り組みは、
ジェンダード・イノベーションズ (gendered innovations)と呼ばれ、
意味は男女の心身の違いなどに着目した研究・技術開発の事で欧米を中心として進んでいる分野。
- 医薬品の開発
- 工業製品の設計(例:シートベルトの設計)
- 大腸がん検査
など。
以上、クローズアップ現代+で紹介されたフェムテック特集から月経前後で有酸素運動・筋トレを使い分けるべき?という話題についてでした。