なぜお辞儀が挨拶になった?その意味や起源・歴史について「チコちゃんに叱られる!」
20年12月4日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『なぜお辞儀をする?』という日常の疑問。頭を下げるという挨拶のホントの意味やその起源などの歴史について元々の作法なども交えつつ。実はお辞儀は日本だけではない!?とは一体?
※同放送回のその他の疑問は別記事でフォロー。
スポンサーリンク出演者
【メインMC】チコちゃん(声:木村祐一)
【アシスタント】塚原愛(NHKアナウンサー)
【ナレーション】森田美由紀(NHKアナウンサー)
【レギュラー】ナインティナイン 岡村隆史
【ゲスト】篠原涼子、あばれる君
【VTR】
チコちゃんの疑問その1
なぜお辞儀をする?
「どうも~こんチコは~!」と最近になって急に恒例になっている挨拶からスタート
今回のゲストは2人とも揃って初登場。
まずは篠原涼子さんを「東京パフォーマンスドール」呼び。
チコちゃんの声の正体の木村祐一さん(通称:チコちゃんの知り合いのおじさん)と篠原涼子さんは以前はバラエティー番組で共演していて毎週会っていた仲だったり。
そして駒澤大学出身のあばれる君。
オープニングはこの辺で1問目の指名は、
この中で一番、礼儀正しいステキな大人ってだーれ?
昔、新宿のコンビニでばったり会った時に篠原涼子さんの方から挨拶してくれたというエピソードを明かす岡村さんは、そのまま篠原涼子さんを解答者に指名。
チコちゃんの疑問は、
なんでお辞儀をするの?
目上の人への敬意を示すものという同じ事を何度も繰り返す篠原涼子さんなので、
チコちゃん「涼子ちゃん!ボーっと生きてんじゃねーよ!」
あばれる君にも聞いてみると、お辞儀をすると自然と目線が相手の足元に向かうからという答えですが残念。
ついでに頭を下げている間に「他の事を色々考えられるから」と篠原涼子さんは追加で答えていますがw
チコちゃんの答えは、
学校教育に武士の作法を取り入れたから
解説は民俗学者の神崎宣節武先生。
そもそも「頭を下げる」という行為は世界中の様々な宗教や信仰においてで神様への礼儀として行われて来た歴史があるとか。
確かにキリスト教・イスラム教・仏教と主な宗教でも頭を下げるという光景はよく見られますよね。
ところが日常的に人間同士がお辞儀をし合うという文化は日本独自のモノ。
平安時代末期の伴大納言絵詞(ばんだいなごんえことば)には目で確かめられる中では日本最古のお辞儀が描かれているとか。
そこから時代によって色んな形に変化していく事に。
モデルを務めるのはトップシニアモデルの高橋尚美さん。ダンディなオジサマ好きなチーフディレクターの完全なる趣味w
まず伴大納言絵詞に登場するのは、
放火の疑いをかけられた左大臣の源信(みなもとのまこと)が無実をお天道様に祈る瞬間のお辞儀。
両膝をついて足はつま先立ち。
足の裏がはっきり見えるこの形が日本のお辞儀の原型といわれる跪拝(きはい)。
かつては神様・仏様に対してだけお辞儀をしていたんですね。
それが鎌倉時代になり、武士が国を治めるようになると頭を下げる行為は人間に対しても行われるように。
武家社会が身分制度・秩序制度を重んじたために生じたこの変化。
戦や武力闘争の末に成立した武家社会はこの厳しいルールによって社会を安定させてきたんですね。
こうした社会の中でお辞儀は細分化。
場面や対人関係によって使い分けられる事に。
スポンサーリンク例えば武家の礼法の一つ、小笠原流では九品礼(くほんれい)と呼ばれる9種類のお辞儀が存在。
天皇や将軍のみに許される目礼(もくれい)は目を下に動かすだけの礼。
同じく天皇や将軍のみが行う首礼(しゅれい)は顔を少し下げるだけの礼。
目上の人の話を聞く時などに行う指建礼(しけんれい)。
同じく目上の人の話を聞く時などに行う爪甲礼(そこうれい)。
身分の高い人だけが行う折手礼(せっしゅれい)。
同じ身分の人に対して行う礼や茶道で用いられるのが拓手礼(たくしゅれい)。
同じ身分の人への深い礼が双手礼(そうしゅれい)。
目上の人に対する深い礼は合手礼(ごうしゅうれい)。
神仏に対する礼は合掌礼(がっしょうれい)。
これらはあくまで座敷で行う座礼の例。
屋外になるとまた作法が異なり、
例えば江戸時代の参勤交代では大名行列が通り過ぎる際には誰もが土下座をして地面に伏していたと思いがちですが、
実際には手刀を地面に立てた状態でいわゆるヤンキー座りが正しい作法。
実は屋外での作法は江戸時代頃は特に定まっていなかったとの事。
ちなみに土下座は映画・小説などで使われ出した表現であって作法ではなかったとか。
そして明治時代になると現代のお辞儀につながる大きな変化が訪れます。
畳中心の生活からイスを使うようになったこの頃、
武士の作法が庶民の生活に取り入れられる事に。
座った姿勢から立った姿勢へ、つまり座礼から立礼(りゅうれい)へ。
明治15年の学校教育の礼儀を記した小学諸礼式(しょうがくしょれいしき)には立礼の作法が書かれていますが、
そこには「立礼に最敬礼および敬礼の2つあり」という記述。
最敬礼は、
帽子を外して左の脇に挟み、腰をかがめて右手を膝に当てて拝す。
敬礼は、
江戸時代に200以上あった藩を一つの近代国家にまとめる際に全国に共通の挨拶として学校で教えられたのがこのお辞儀。
こうして武家社会の作法だったお辞儀が学校教育に取り入れられた事でお辞儀が庶民に浸透。
ということでコチラが結論。
お辞儀をするのは学校教育に武士の作法を取り入れたから
でした。
頭の上がらない人は誰?という問いかけには「色んな意味での生みの親。沢山いらっしゃいます。」とチコちゃんw
※同放送回のその他の疑問はコチラ
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから