WBS ワールドビジネスサテライト PCR検査費用が自費で受けても安いのはなぜ?問題点は?格安の仕組み
20年12月9日放送のテレビ東京「WBS ワールドビジネスサテライト」では自費で受けられるPCR検査の安さや問題点について特集。
スポンサーリンク
民間PCRセンター
オープンして1週間も経たない民間のPCR検査センター。
検査費用は1回2900円と格安に設定されていた事で話題を呼びました。
通常、症状がある人や濃厚接触者は行政検査の対象となり、検査費が公費で賄われます。つまり無料。
ところが、出張や旅行の前に陰性を確認したいというニーズから自費PCR検査の希望者は多数いる状態。
ブース内で唾液を容器に入れ、それをそのまま提出するだけ。
運営しているのは工務店や不動産を手がける木下グループ。
検査センター部長に話を伺うと、
「介護施設ですとか、保育園をやっているグループとして1人でも感染者を出してはいけないという思いから、(グループ全体で)PCRセンターを導入している。自分たちで利用する中で多くの方々にも利用していただきたいと。」
安いのはなぜ?
検査費用が1回2900円と安い理由については、
検査が終わるとウイルスを不活化させるキノシールドと呼ばれる抗ウイルス・抗菌剤を散布。
施工しているのはグループ会社の木下抗菌サービス。
その他、不動産やリフォーム、医療法人などを全て木下グループ内で行っているために費用が抑えられるとか。
「間もなく、新宿の歌舞伎町にセンターをオープンする予定でおります。その他首都圏で6センターをオープンする予定で今進めております。」
2021年1月には1日2万件の検査が行える体制作りを目指していて、大量受注を見据えた事も格安の理由の一つとの事。
スポンサーリンク1回1980円
さらに安くPCR検査が受けられるPCRセンターが20年12月10日にサービス開始予定。
あとは容器を預けて終了。
SSダナフォームの取締役に話を伺うと、
「民間の多くの検査場では製造メーカーから試薬購入するのが一般的なんですけども、(われわれは)親会社の方から試薬を購入している事により、皆様に安価での提供が可能となっております。」
試薬の開発から製造・サービス提供までを全てを一括して自社グループで行っているのでコストが抑えられたとの事。
グループで開発した試薬では最短で約40分でウイルス検出可能。
- 1980円の場合は検査結果は翌日通知
- 9900円の場合は検査結果は当日通知
と追加費用を払えばすぐに結果が出るというサービスも。
「オープン当初、1日300人を見込んでおりまして。来週からは1000人規模の受け付けを考えております。」
スポンサーリンク陽性者のフォローは?
多くのメディアに登場している、
昭和大学医学部の二木芳人客員教授に低価格の民間PCR検査センターが増える事について話を伺ってみると、
感染拡大の抑止につながると概ね高評価ですが、
問題になって来るのは、陽性の結果を受け取った人たちに対する「陽性者のフォロー」の仕組み作りだといいます。
「そういう方々は恐らく想定外なので、かなり驚かれると思いますね。どうしていいものやらと迷ったりもされますので、そういう場合には『こうしてください』と検査を受ける前からですね、保健所もしくは医療機関を受診して改めて適正な検査を受けてくださいと検査会社の方で決めておく必要があろうかと思いますね。」
医師の診断がある医療機関で受診やPCR検査を行った場合は、陽性になると医療機関が保健所に報告する義務があり、保健所が入院や療養の調整を行ったり、濃厚接触者の追跡調査などを行います。
一方で、医師の診断が無い民間の検査会社などで検査して、陽性の疑いが出たとしても保健所に報告する義務はなく、感染の実態を国や自治体が把握するのは困難に。
また、容体が急変した時の対応や感染防止対策などが上手く働かない恐れも。
「陰性ならそれなりにその結果は評価していいと思うんですが、問題は陽性になった場合ですよね。“感染していますよ”という診断がついているわけじゃないので、どうしても(行動自粛への)抑止力(影響力)が弱いですよね。そういうところをきちんと保健所の管轄下で指示を受けて、その指示に従って行動しないと周辺への感染リスクが多少高まると思いますので。」
楽天のPCR検査
一方、企業や団体を対象としたPCR検査サービスも拡大傾向。
特徴の一つはコチラの唾液採取キット。唾液を入れてふたを閉めると、
ふたの部分にある黄色い溶液が新型コロナウイルスを不活性化させる不活性化溶液になっているとか。
スポンサーリンク楽天が製薬企業のタカラバイオと共同で開発した独自の不活性化溶液で新型コロナの感染力を無くした上での安全な検体回収が可能に。
集めた検体は企業から検査機関に直接送付。検査結果は事前に選んだ医療機関を通じて企業側へと通知されるシステム。
民間PCR検査の問題点として挙げられていた「医療機関との連携」が大きな強みの一つで、陽性者が出た場合はすぐに医師の診断を求める事が出来るとの事。
「万が一陽性になった場合、医療機関が介在していないと何もその後フォローが無いので、もう一度医療機関に行って検査をしないといけない。安心して企業様や団体様に受けていただきたいと思いましたので医療機関を必ず介在させる事にしました。」
楽天のPCR検査サービスは1人7980円(税別)で医療機関が介在するサービスとしては数万円程度かかる一般的なクリニックでの検査に比べて格安価格。
既に導入を決めている一社として東急が挙げられますが、
これまで別の検査機関で従業員のPCR検査を実施していましたが、検査の手間や費用が大幅に軽減されるため、楽天のサービスの導入に踏み切ったとか。
「現在実施中のPCR検査に比べると(費用が)おおむね半額。早期発見・早期隔離・早期治療につながる形で実施できればと考えております。」
まずは12月下旬からグループ傘下の介護施設や保育園の全従業員約1650人を対象に検査を実施する予定との事。
以上、WBS(ワールドビジネスサテライト)より低価格な民間のPCR検査センター・PCR検査サービスについて、その安さの理由や問題点についてでした。