キノコに傘があるのはなぜ?キノコ型になる意味は?チコちゃんに叱られる
21年2月5日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で紹介されたのは『キノコにカサがあるのはなぜ?』という自然に関する疑問。一般的にキノコの形はまるでかわいいミニチュアサイズの傘のような形ですが、あの形になる理由とは一体何なのでしょうか?そこにはキノコが上手く活用している科学の力が関係しているそうですが果たして?
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】関根勤、若槻千夏
【VTRゲスト】なし
キノコにカサがあるのはなぜ?
毎度お馴染の「こんチコは~。」のいつもの挨拶からスタート。
初登場の関根勤さんですが、娘さんの関根麻里さんが2回出演済みなので関根家としては3回目でオリジナルメンバーと言うチコちゃん。
家族だと合算されて○○家としてランクが上がるというのは初耳ですが。
一方で5回目の登場でオリジナルメンバーのちなっちゃんこと若槻千夏さん。
簡単なゲスト紹介の後は早速1問目の指名ですが、
この中で一番、山歩きが好きで健康的な大人ってだーれ?
回答者はツトムくんと呼ばれる関根勤さんに。
ここでチコちゃんの疑問は、
なんでキノコにはカサがあるの?
キノコは雨に弱いので自分で傘を差している=軸を濡らしたくないという答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
というわけでチコちゃんの答えは、
上昇気流を生み出すため
解説は東京農業大学の江口文陽教授。キノコ柄ネクタイを締めたキノコ博士。
胞子を拡散する為に大事な上昇気流を生み出す源となっているのがあのキノコの傘と江口先生。
胞子とはキノコにとっては種のようなもので、大きさはおよそ0.002mm~0.02mmというサイズ。
キノコはこの胞子を放出する事で増殖。
そしてこの種の繁栄にとって大事なキノコの胞子は傘の裏側のヒダに大量に付着。
キノコは胞子から発芽した菌糸が成長してどんどん増えていきますが、胞子を遠くに飛ばさなくてはならない理由は、
自分の仲間を増やして、さらに環境の良い所を選びたいというもの。
胞子を近くにしか撒けないと豪雨や土砂崩れなどがあった場合に仲間たちが全滅する恐れがあるので、より良い場所を求めてどんどん遠くに、そして様々な場所に生える事で生き残ろうとしているんですね。
となるとキノコのてっぺんから胞子を飛ばした方が効率が良さそうに思いませんか?
なのに胞子が大量にあるのは傘の裏側。これは一体…?
この謎を解くには「胞子の飛び方」が重要なポイント。
NHKの番組『アインシュタインの眼』には江口先生が協力して撮影した胞子が飛ぶ様子を捉えた映像が残っているとの事で、
この番組ではもうお馴染ですが、映像素材をお借りしてVTR構成。
スポンサーリンク映像を確認するとキノコの傘の下部分でゆらゆらと煙のように漂っている胞子の姿が。
傘を離れた胞子は下に落ちて行かず、空気中を漂っているように見えますが、
傘の下から離れた途端に上空に舞い上がっているようですね。
江口先生の解説によると、胞子は傘から下に向かって放出されたのちに上に舞い上がる事で風に乗って遠く広く飛んでいけるとの事。
この傘によって上昇気流が起こる原理は飛行機の翼と同じ原理だそうで、
翼の上を通過する気流は山なりになっているのに対して、翼の下は直線的。
この時、翼の上部には気圧の低い部分が生まれ、相対的に翼の下は高気圧に。
このように気圧の高い部分から低い部分に働く力を揚力と言い、この揚力によって飛行機の翼が上に持ち上げられ、これが飛行機が空を飛べる理由だったり。
この際、空気は気圧の高い所から低い所に向かって流れる性質があるので翼構造の端っこでは上昇気流が発生。
キノコの傘も同じ原理で、よく考えてみると飛行機の翼のような形をグルッと円状にするとキノコの傘になりますよね。
キノコの胞子が舞い上がるには地熱や地面の水分の蒸発によって生まれる上向きの空気の流れも関係していますが、キノコの傘の形もこの上昇気流に一役買っているんですね。
さらに胞子が傘の下にくっ付いているメリットはもう一つあって、それは、
雨から胞子を守って濡らさないように
という文字通り「傘」の役割。
濡れると胞子が重くなって遠くに飛ばないので、胞子を常に乾かして軽い状態をキープしているんですね。
ちなみに私たちが「キノコ」と聞いてイメージするあの形、あの部分は実はあくまでキノコの一部分。
キノコというのは通常、菌糸という糸状の形で土や木の中で生存していて、キノコにとって主としているのはこの菌糸の部分。
その菌糸が秋になって気温が下がると種の保存の為に菌糸が集まって集合体(子実体)を形成。
この部分がどんどん成長を続けるとやがて私たちが想像するキノコ型が形づくられることに。
つまり地中や木の中に存在しているものも含めて全てキノコなので、私たちが食べているのはあくまでキノコの一部分にしか過ぎないんですね。
また、キノコの傘の形には様々なバリエーションが存在していますが、
傘がいびつなノボリリュウタケや、房のように垂れ下がったヤマブシタケなどは特徴的な形をしていますが、
キノコの形と胞子を飛ばすという因果関係がまだ確実には判明しておらず、なぜこんな形になっているのか謎のままと江口先生。
というわけでコチラが結論。
キノコに傘があるのは上昇気流を生み出すため
でした。
遠くに飛ばしたいのは?という問いかけには「ドライバーショット。」とチコちゃん。
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