アパートとマンションの違いは?英語&法律上の定義とは?チコちゃんに叱られる
21年5月21日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」で出題されたのは『アパートとマンションの違いって何?』という問題。英語の違いはもちろんですが、それよりも日本における集合住宅の歴史から分かるそのハッキリとした定義の違いとは?
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】和田アキ子、ウエンツ瑛士
【VTRゲスト】なし
アパートとマンションの違いって何?
まずは3回目の登場でオリジナルメンバーになった「アコちゃん」こと和田アキ子さんの紹介と、2回目登場で準レギュラーになった「WaT」呼びのウエンツ瑛士さんの紹介から。
オープニングはさらっと終えてすぐに1問目の指名は、
この中で一番、住む家にこだわっているステキな大人ってだーれ?
ここはデビュー後に東京に引っ越した際にアパート住まいを経験したという和田アキ子さんが回答者に。
そして今はマンション住まいのようですが、
ここでチコちゃんの疑問は、
アパートとマンションって何が違うの?
アパートは階数が少ないのに対してマンションにはエレベーターが付いているという答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
他にはアパート=木造、マンション=鉄筋なんて違いや、広さによる区分けなんて話題のも出ていますが全て不正解。
不動産業で働いている方々にインタビューしてみても答えは出ず。
というわけでチコちゃんの答えは、
借りるのがアパート、買うのがマンション
解説は早稲田大学の鎌野邦樹教授。
日本ではアパートもマンションもどちらも「一つの建物に複数の住まいが入っている集合住宅」という意味で使われているのが実情。
どちらも英語が由来なのでその意味を整理しておくと、
- アパート(apartment) = 集合住宅
- マンション (mansion)= 大邸宅
というのがそもそもの違い。
そしてこの2つの用語のうちで先に生まれたのはアパートの方と鎌野先生。
この2つの用語を区別して使うようになったその裏には日本の集合住宅の歴史が隠されているそうで、
遡ること明治時代。
この時代に大都市に人口が集中するようになり、横では無く縦に階を重ねるアパートというスタイルの住居が誕生。
日本初のアパートは1910年(明治43年)に東京・上野の恩賜公園の側に建てられた「上野倶楽部」という建物。
5階建てで63室を構える木造アパートでしたが、これは当時としては異例の高さを誇っていたとか。
これからアパートという言葉が広く使われるようになっていくのですが、それでもまだまだアパートは全国的には珍しい住居スタイル。
スポンサーリンクそんな折に起こったのが1923年9月1日の関東大震災。
関東大震災によって多くの住宅が無くなってしまったわけですが、住宅不足を解決する策として作られたのが「同潤会」という機関。
同潤会では住宅不足の問題を解決するために東京や横浜にバス・水道・水洗トイレなどの最新設備を備えたアパートを次々と建設。
かつて東京・表参道のシンボルでもあった同潤会青山アパートはこの時代に作られたアパートの一つ。
その後は日本中でアパートの建設ラッシュが起こりますが、第二次世界大戦が勃発して再び多くの人が住む家を失う事に。
戦後復興に向かう中で都心に人口が集中したため、ここで動いたのが住宅公団。
ここで建てられたのが大規模な集合住宅=団地。
高度経済成長期には大きな集合住宅がまるで一つの街のように立ち並ぶ、通称マンモス団地が誕生。
中でも東京・高島平団地は倍率約2000倍の入居希望者が殺到するほど大人気に。
こうした戦後の復興の流れの中で集合住宅の新しい仕組みが生まれる事になりますが、
1953年には、一つの建物に沢山ある部屋をそれぞれ別の人が買うという分譲の集合住宅が誕生。
それまでの集合住宅は建物全体の持ち主である大家さんに家賃を払って部屋を借りる賃貸スタイルがほとんどでしたが、
建物内の部屋をそれぞれ別の人が買って持ち主になる分嬢という仕組みが新たに登場。
この頃東京・渋谷に誕生した日本初の分譲集合住宅「宮益坂アパート」。
国民の平均年収が約34万円だった時代に一室の購入価格は80万円から100万円というお値段だったとか。
ところが当時はまだマンションという言葉が生まれる前だったので名前にはアパートという名称が使われる事に。
そして後に法律上は「最初のマンション」という事になるのですが、マンションという言葉が付く建物が登場するのはまだもう少し先のお話。
実はマンションよりも先に、
- ハイツ (heights)=高台の意味
- コーポ(ラティブハウス) (cooperative house)=共同住宅の意味
- レジデンス (residense) =邸宅の意味
といった様々な用語が誕生し、少し遅れてやって来たのがマンション。
そして日本で初めてマンションという名称が付けられたのは東京・新宿区の「信濃町アジアマンション」。
ところがこれはまだアパートとマンションが法的に明確に区別される前の名づけだったので、実際はアパートと言っても差し支えないような状態。
そこで重要になって来るのがマンションで巻き起こったある問題。
賃貸住宅の場合は共用スペースの管理や建て替えの判断は建物全体の持ち主である大家さんが行っている事が多かったのに対して、分譲集合住宅では大家さんがいないので共用スペースに関して揉める事がしばしば。
例えば廊下に私物の自転車を置いて他の住人の通行を妨げてしまったり、玄関で立ち話をして騒音問題を引き起こしたりといったトラブルがあった際に、誰が解決するのか?というルールが定まっていなかったんですね。
その解決策として1962年に区分所有法によって住民たちで管理組合を作って、みんなで共有スペースを管理するなどといったルール作りが進む事に。
そして2000年のマンション管理適正化法では共有スペースで起こる問題を専門家に相談できる制度を作る事も。
ここでやっとマンションの定義が定められる事に。
法律上マンションの定義は「1棟に2人以上の所有者がいる分業集合住宅」となり、それ以外は全てアパートに。
ちなみに不動産の物件情報などには「賃貸マンション」といった表記も見られますが、これはマンションの部屋の持ち主がさらに別の人に貸しているといったケースなど。
というわけでコチラが結論。
借りるのがアパート、買うのがマンション
でした。
将来どんなお家に住みたい?という質問には「1LDKKK。」とキッチンを和洋中の3つ揃えたいという願望を語るチコちゃん。
最後に塚原愛アナから補足。
法律上マンションに属する建物に「○○アパート」と名づけるのはOKで、法律上アパートに属するものに「○○マンション」とするのもどちらもOKだそうで、だからこそ余計に2つの用語がごっちゃになってしまっているようですね。
という事で1問目は以上。
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