チコちゃんに叱られる トランプのスペードのエースが大きくて派手なのはなぜ?答えは脱税
21年10月29日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の第1問は『スペードのエースだけ大きくて派手なのはなぜ?』という問題。答えは脱税防止のためだそうで、トランプ税を巡るトランプメーカーと役所との100年以上に渡る戦いの経緯をたぶんこうだったんじゃないか劇場と共に解説。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】松村北斗 (SixTONES)、YOU
【VTRゲスト】モーリー・ロバートソン、厚切りジョンソン、チャド・マレーン
スペードのエースだけ大きくて派手なのはなぜ?
本日のゲストは初登場で「SixTONES、ほっくん」呼びの松村北斗さんと、
オリジナルメンバーでFAIRCHILD呼びのYOUさん。
さて、ゲスト紹介は終えて1問目の指名は、
この中で一番、トランプを上手にシャッフルできるステキな大人ってだーれ?
ここは松村北斗さんが回答者に。
チコちゃんの疑問は、
なんでスペードのエースだけ大きくて派手なの?
カードの序列だとスペードが最上位だからという答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
YOUさんはトランプ発祥の国ではスペード家という由緒正しき家系があるからという答えですが残念。
というわけでチコちゃんの答えは、
脱税を防ぐため
解説は大阪商業大学の高橋浩徳先生。トランプネタではこれが3度目の登場。
高橋先生によるとスペードのエースが大きくて派手になったきっかけは18世紀のイギリスにあるそうで、
その頃のイギリスは度重なるフランスとの戦争で財政難の時代。
そこで財源確保の為に新たな税金が課される事となり導入されたのが、
トランプ税。
諸説あるもののアジアで誕生して14世紀ごろにヨーロッパで広まったとされるトランプ。
18世紀のイギリス国内ではトランプを使った違法ギャンブルが流行してトランプが飛ぶように売れたとか。
そこで国としてはトランプに高い税金を課せば税収アップは望めるし、違法ギャンブルも減るだろうと考えたわけですね。
そしてこのトランプ税を納めるのはトランプを販売しているメーカーで、きちんと税金を納めた証明として1セットあたり1枚のカードにスタンプを押印される事に。
それがスペードのエース。
スポンサーリンクなぜスペードのエースが選ばれたのか?というと、
トランプを作る際には1枚の台紙に全てのカードを印刷し、この時スペードが最上段に印刷されるケースが多く、カード毎に裁断した後にカードを揃えるとスペードのエースが一番上になりやすかったという理由。
この頃のスペードのエースのマークのサイズは他のマークと比べても同じサイズ感でしたが、納税証明のスタンプが余白部分に押されるとこんな感じ。
ところが課税額が非常に高額だったために「脱税を企てるトランプメーカーvs脱税を許さない役所」といういたちごっこが巻き起こる事態に。
ここで始まるのがNHKたぶんこうだったんじゃないか劇場=TKG。
舞台は1711年頃のイギリス。
テニス漫画エースをねらえ!の主題歌を口ずさみながらご機嫌でトランプに納税証明スタンプを押していく役人(演:モーリー・ロバートソン)。
対して高額なトランプ税に苦々しい表情を浮かべるトランプメーカー社長(演:厚切りジョンソン)。
「Why British government! (なぜなんだ英国政府!)」と叫びつつ、トランプ本体の値段が4ペンスなのに対して税金が6ペンスもかかり、結局トランプの値段は10ペンスにもなってしまうという高すぎる課税に不満タラタラ。
ところが1711年に始まったトランプ税はそこから時代が経るごとにどんどん課税額が増えて増税の嵐。
これを現在の日本円の価値に置き換えてみると、
1711年には原価200円のトランプに対して400円の課税、1801年には課税額が860円にアップといった具合。
こんな状況で頭を抱えるトランプメーカーでしたが、ある時トランプメーカーのとある従業員(演:チャド・マレーン)が一計を案じて偽造した納税証明スタンプをスペードのエースに押しまくるという暴挙。
こうして偽スタンプを押されて実は税金を納めていない違法な脱税トランプが世の中に出回る事に。
これを黙って見過ごせない役所は、すぐさま対策を講じて偽造されにくいスタンプを採用。
こうして模様などを複雑化した新スタンプを作ったわけですが、当然ながらトランプメーカー側はあっさりと改良済みの新スタンプも偽造して際限なきいたちごっこがスタート。
スポンサーリンクこのいたちごっこの中で現在のデザインのベースとなるマークを囲むスタイルのスタンプも誕生。
そして業を煮やした役所が1765年にスタンプの代わりに採用したのが、納税した証明として後からスタンプを押すのではなく、既に印刷されたスペードのエースのカードそのものを配布して納税証明とする事に。
もちろんデザインは簡単にマネが出来ないような複雑なものでしたが、やはりこれも決定打にはならず、すぐにトランプメーカーはカードも偽造。
そこでとられた役所の対応策もやはりより複雑なデザインのカードを作るというもので、いたちごっこが再燃。
その結果、1828年にはお札並みに複雑なデザインが誕生したり。
こうした不毛な戦いに終止符を打つべく、役所はそれまでのポリシーを大幅に変更。
課税額を大幅に減税してかかる税金を半分にするという大胆な処置を講じる事に。
1800年代前半のイギリスでは経済が好調だったのでトランプ税からの税収をあてにしなくても良くなっていたという事情も手伝い、高い税金をかけてメーカーの偽造を盛んにするよりも、税金を抑える事で真っ当に納税するメーカーを増やそうと方針転換。
その後はメーカー側が自由にスペードのエースのデザインを改変出来るようになり、
やがて「スペードのエース=メーカーの顔」という認知と共にオリジナリティあふれるデザインが重視されるよう変化。
そして1960年のイギリスでは遂にトランプ税は廃止されたのですが、スペードのエースのデザインだけは大きくて派手なまま残り続けて今に至ると。
というわけでコチラが結論。
スペードのエースだけ大きくて派手なのは脱税を防ぐため
でした。
派手にしてみたいものは?という質問には「オセロの色、将棋盤」とチコちゃん。
オセロはカラフルな2色を採用したものが色々とあるようですが。
最後に塚原愛アナから補足。
日本にもトランプ税があり、1989年の消費税導入まではトランプ・花札・麻雀牌にトランプ類税という間接税が課されていたそうで、税額はトランプ1組あたり40円(1962年以降)だったとの事。
そんなに昔の話では無いので年齢によっては懐かしさを感じる所ですよね。
ということで1問目は以上。
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