チコちゃんに叱られる ハンコを押す意味は?答えは印鑑が常に同じで本人確認しやすいから
21年12月3日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の第3問は『なぜハンコを押す?』という問題。答えはいつ何回押しても印鑑が同じだから本人確認しやすいからというもので、ハンコの歴史を紐解きながら解説。また、ハンコと印鑑の意味の違いやその正式名称についてもご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】中村勘九郎、キムラ緑子
【VTRゲスト】なし
なぜハンコを押す?
3問目の指名は、
この中で一番、しっかり者のステキな大人ってだーれ?
ここは岡村さんが回答者に。
出題されたチコちゃんの疑問は、
なんでハンコを押すの?
そういうルールを偉い人が決めたからという答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
というわけでチコちゃんの答えは、
いつ何回押しても印鑑が同じだから
解説は全日本印章業協会の福島恵一会長。
まず第一に「ハンコと印鑑の違い」について解説してもらうと、
ハンコは正式名称を印章と言い、文字などが彫られたいわばハンコ本体の事。
一方で印鑑は正式名称を印影と言い、ハンコを紙に押した時に残る朱肉の跡の事。
現在、ハンコは契約書、決裁書類、回覧板などいろんな場面で「確認した証明」として使用されていますよね。
これがなぜハンコによって賄われているかというと、
「ハンコはいつ何度押しても印鑑が同じだから」
というのがその主な理由。
スポンサーリンクここで続いてハンコの歴史解説役として登場したのは大阪芸術大学の久米雅雄客員教授。
日本最古のハンコは西暦57年の国宝「金印」で、漢委奴国王って日本史で習いましたが、まさにあれ。
金印は当時の中国から贈られたもので権力を示すために日本の国王が所有していたと考えられているそう。
そこから日本独自のハンコが使われるようになったのは701年(飛鳥時代)の頃の事と久米先生。
701年に大宝律令という法律が出来た事で天皇を中心とした国家が作られたのですが、
この際に政策を決定する書類などに国家が認めた証としてハンコが押されたのが始まり。
ところが平安時代になると貴族階級が政治を仕切るように変化し、それまで銅で出来た銅印が主流だったのが、いちいち作るのが手間だからという理由で手書きによるサインで済ませるように。
ここで登場したのが花押と呼ばれる筆文字。
文章に自分が書いたという証拠を残すために貴族、武士、芸術家などが花押を使用。
ところが花押は同じ人が書いたとしても書く度に字形が微妙に変わる物なので、完全に同じものを再現する事が難しいという問題が一つ。
本物なのか似せて書かれた偽物なのかその真贋がつきにくいという花押の難点に対して、ハンコであればいつでも同じ形になるはずで、このハンコの利点が見直された事で徐々にハンコが復権する事に。
戦国時代にあっては偽の書状が出回ったりすると、謀反や策謀に簡単に巻き込まれてしまうので、ハンコは重要なアイテムだったわけですね。
その後江戸時代になると商業活動が盛んになった事でハンコは一般の人も使い始め、明治時代になると印鑑登録制度が導入されて、お金を引き出す通帳にもハンコが活用されるようになると本人確認のアイテムとして確固たる地位を確立。
そして昭和に入ると「押印がある時は正式な文章と推定する」という文言が法律にも規定され、ハンコが押してある文章は法的な証拠能力も持つように。
このようにしてハンコはいつ何度押しても印鑑が同じになるので、本人証明としては信ぴょう性が高いアイテムとして扱われているわけですね。
ちなみに世界で今でもハンコを使い続けているのは日本・韓国・台湾などアジアのごくごく一部の地域のみ。
西洋文化においては貴族が主にハンコを使用していましたが、権力者が度々入れ替わった事で庶民にまでは浸透しなかったと考えられているそう。
日本は島国だった事もあって長らく権力者が入れ替わらなかったのでハンコ文化が庶民にまで根付く事になったんだとか。
ところが近年は筆跡鑑定の技術も向上した事で日本でもサインのみの書類が増加。
そして記憶に新しい所では2020年に政府のデジタル化政策の一環として押印のほとんどを廃止するという動きも。
というわけでコチラが結論。
いつ何回押しても印鑑が同じだから
でした。
太鼓判を押したい人は?という質問には「勘九郎さんと緑子ちゃんと運だけの岡村さん」とチコちゃん。
ということで3問目は以上。
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