What an Interesting World

日々の気になるトピックについてあれこれと役立つ情報を提供するサイト

チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスの値段はなぜ高い?答えは超高性能で希少だから


21年12月17日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」の第2問は『ストラディヴァリウスが高いのはなぜ?』という問題。答えは約300年経った今でも名器に並ぶ音のバイオリンを作れないから。というわけでストラディヴァリウスの良い音の科学的な理由や、究極の再現度を誇る現代のバイオリンとストラディヴァリウスの聴き比べ対決も。

スポンサーリンク

ゲスト出演者

【ゲスト】杉本哲太、川田裕美

【VTRゲスト】カンニング竹山

ストラディヴァリウスが高いのはなぜ?

2問目の指名は、

この中で一番、音楽に精通しているステキな大人ってだーれ?

ここは川田裕美さんが回答者に。

出題されたチコちゃんの疑問は、

ストラディヴァリウスはなんで高いの?

作られた数が少ないから、使われている弦や木材などが貴重だからという答えは一応正解ではあるものの、芯を食うど真ん中の答えでは無いようで、続けて、安くすると下手な人にも弾かれてしまうからと答えた所で、

チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」

というわけでチコちゃんの答えは、

300年経った今でも再現できないから

解説はバイオリン職人の堀酉基さん。

そもそもストラディヴァリウスはイタリアの天才楽器職人と謳われた、アントニオ・ストラディヴァリが製作した楽器を指す言葉。

高い物だと10億を超える値段が付けられたりする言わずと知れたバイオリンの名器。

現在のバイオリンのスタイルを確立したともいわれるストラディヴァリは生涯で1000以上のバイオリンを製作したと言われていて、そのうち現存しているのが約500。

つまりストラディヴァリウスとは戦争や災害などを乗り越えて、製作から300年以上経った今でもその姿を保ち続けているという歴史的価値の高い楽器の事なんですね。

という事はやっぱり「古いから高い」という意味にも思えますが、ストラディヴァリウスの価値はそれだけに留まらず、

300年前に作られたストラディヴァリウスが今の技術をもってしても超える事が出来ない最高傑作だからというのがその最大の価値。

バイオリニストの三浦文彰さんは日頃からストラディヴァリウスを弾いているとの事で、チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスの値段はなぜ高い?三浦文彰が弾く7億円のストラディヴァリウス

コチラのお値段は6~7億円とやっぱり超高価。

スポンサーリンク

ストラディヴァリウスとそれ以外のバイオリンの違いについて聞いてみると、

「全然違います。弾いていて『こういう弾き方をするとこういう音色が鳴るんだ!?』みたいな発見が結構あって、今でもまだ可能性を感じるというか。自分も(バイオリンに)教えてもらってる感じ。」という感想。

その他にストラディヴァリウスを約20年に渡って弾き続けているというバイオリニストの千住真理子さんにも同様の質問をぶつけてみると、

「生き物とぬいぐるみの違いほど違う。音を出した瞬間に楽器の音以上の生き物の声が聴こえてくるような気がして、私の心がそのまんま楽器から出てくるんです。」

分かる人にとってはただのバイオリンを超える存在というわけですね。

という事はつまり、数自体が限られている希少性に加えて、性能的にも超高性能となればそりゃ超高価になるのも納得。チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスの値段はなぜ高い?答えは超高性能で希少だから

現代のバイオリン職人たちはストラディヴァリウスの再現に日々挑んでいるそうですが、やはり再現不可能というのが現状の答え。

アントニオ・ストラディバリは詳細は楽器の製法を文献などに残しておらず、現代の職人たちは残された楽器を調査してその材料は作り方を研究するしかないわけで、それでもはっきりとした正解は未だに分からないとの事。

それでも世界の研究者が発見したストラディヴァリウスの音の秘密としては、例えば、

  • 素材に使われている木材
  • 板の厚み

など。

【木材】

通常、木の成長は冬に比べて夏の方が速くなるのですが、これは年輪を見ると明らか。チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスの値段はなぜ高い?音の違いの理由は木材

冬目と呼ばれる色の濃い部分は成長がゆっくりなので木の密度が高く、夏目と呼ばれる白い部分は速く成長するので密度が低くなるとの事。

そしてこの冬目が細くて間隔が一定だとバイオリンの音色は均一で高品質になるというのが音色の秘密その1。

ストラディヴァリウスの木目を観察してみると通常の木材に比べて幅が狭くて間隔が均一になっていますよね。チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスの値段はなぜ高い?ストラディヴァリウスの木目の違い

ストラディヴァリウスが作られたのは小氷河期と呼ばれる地球が寒い時代の事ですが、

14世紀から続いた地球の寒冷期では現代とは異なり、夏と冬の気温差が少ない時期であり、その為に季節による木の成長速度の差が少なく、木材の密度の差も少ないという時代。

これによりバイオリン作りに適した木が多く育っていたと考えられているとか。

堀さんによるとストラディヴァリウスに使われている木と全く同じ品質の木というのは現代ではまず手に入らないとの事。

スポンサーリンク

【板の厚み】

ストラディヴァリウスの表板(おもていた)は現代で推奨されている約3mmよりもかなり薄く、約2mmほどの厚みの個体が多いそうで、チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスの値段はなぜ高い?音の違いの理由は表板の薄さ

薄くすると振動しやすくなって良い音色に繋がるそうですが、その一方で弦の張力に負けて木材が変形したり破損したりするリスクも大に。

つまりストラディヴァリウスは極限まで薄くしても壊れない堅牢性を実現した驚異的な技術力で作られているという意味。

現代のバイオリン職人がストラディヴァリウスの再現に挑む際には、例えば当時の物に出来るだけ近い品質の木材を世界中から厳選し、熱処理を施す事で約300年前の木材を再現したり、CTスキャンなどを使ってストラディヴァリウスの構造を詳細に調べたりといった努力を重ねているそう。

番組では堀さんが製作した渾身の再現度を誇るバイオリンとストラディヴァリウスを聴き比べて、どれほど再現度が高いのか実験。

聴き比べるのは、

  • 普段からストラディヴァリウスを弾くバイオリニストの三浦文彰さん
  • 幼少期にバイオリンをたしなんでいたカンニング竹山さん
  • バイオリン職人の堀さんご本人

という3名。チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスと現代のバイオリンの聴き比べ対決

ある意味で超ハイレベルな格付けチェックの様相。

2つの楽器を聴き比べて三浦さんの第一声は「すごいね。堀さん。」「ここで聴くと音量は一緒だったね。」「楽器の持ってるパワーというか。」という何とも職人冥利に尽きる言葉。チコちゃんに叱られる ストラディヴァリウスと現代のバイオリンの聴き比べ対決 職人を褒めるバイオリニスト三浦文彰

最終的に三浦さんは「若干迷ってる…」と弱気な発言。

というわけで3人にストラディヴァリウスだと思った方を挙げてもらうと、3人ともAの札。

三浦さんによると「Aは表現の幅がより豊かだった。」という聴き分けポイント。

というわけで正解はAのバイオリンがストラディヴァリウスで3人とも正解という結果に。

堀さんとしては「悔しい気もしますけど、ストラディヴァリウスの音が分からない人が作っているっていうのも問題がありそうな感じなので結果はこれでいいんじゃないかと思います。」という何とも複雑な言葉。

というわけでコチラが結論。

ストラディヴァリウスが高いのは300年経った今でも再現できないから

でした。

もう二度と作れないと思うものは?という質問には「冷蔵庫のあり合わせで適当に作ったけどめちゃくちゃ美味しかったおかず」とチコちゃん。

という事で2問目は以上。

※同放送回のその他の疑問はコチラ

NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから

一覧:NHK「チコちゃんに叱られる!」

 - エンタメ

スポンサーリンク