走ると胸が痛いのはなぜ?息切れの治し方は?チコちゃん
22年9月30日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の3問目は『なぜ走ったあと息切れして苦しくなる?』という問題。酸素不足で苦しい、肺を動かす筋肉が激しく動くからと思いがちですが答えは脳にあるという事で番組内容をまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】藤本敏史、河北麻友子
【VTRゲスト】江原啓一郎
なぜ走ったあと息切れして苦しくなる?
3問目の出題は、
なんで走ったあと息切れして苦しくなるの?
取り込んだ酸素の成分に変化が生じて痛みを感じるという藤本さんの答えですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
という事でチコちゃんの答えは、
脳が苦しがっているから
解説は東北大学の黒澤一教授。
人間の体には血液の中の酸素を感じるセンサーと二酸化炭素を感じるセンサーの両方が備わっていて、
このうち二酸化炭素センサーの方が体の変化に敏感に反応。
センサーで感じた二酸化炭素の情報は大脳と脊髄の間にある呼吸中枢に伝わり、
どれだけ二酸化炭素を吐き出せばいいのかをコントロールしている呼吸中枢はセンサーからの情報をもとにして横隔膜などに指令を出すというのが人間の呼吸の基本的メカニズム。
スポンサーリンクでは走った時にこのメカニズムがどうなるのかというと、
- 走った事で筋肉がエネルギーを消費して体内で二酸化炭素が大量発生
- センサーを通じて二酸化炭素量増加の情報を感じとった呼吸中枢は息をたくさん吐かせるため横隔膜に指令
つまり、あの苦しい感覚のもとになっているのは息を吸う事よりも「二酸化炭素を吐こう」としているせいだそうで、
あの苦しい感覚は危険を知らせる脳からの警報の意味があると黒澤先生。
普段私たちが自然と行っている呼吸で吸ったり吐いたりしている量は1分間で5~6リットルほどで、
平常運転であれば脳は呼吸量を感じてはいるものの、意識するほどでもなく無意識に呼吸をしている状態。
ところが運動時の呼吸量は1分間に100リットルほどの空気を吸ったり吐いたりするという異常事態に。
ここまでの状態になると脳は一大事とばかりに呼吸(特に二酸化炭素)を強く意識して全集中。
この時、脳が異常事態を知らせる警報を鳴らしていて、これが苦しい感覚の正体。
ちなみにトップクラスのマラソン選手でも運動不足の一般の人でもその息苦しさのピークにはあまり大差はないそうで、
ところが唯一違うのが「息切れしている長さ」で同じ量だけ運動しても、運動不足の人だとより多くのエネルギーを使ってしまい体内により多くの二酸化炭素が生まれるので異常事態から平常運転に戻るまでの時間がより長くかかってしまうとの事。
実験で比べてみると一般人同士でも日頃の運動習慣のある無しでその呼吸量は約3倍の差。
肺活量自体は男性スタッフの方が多いのに、吐き出す必要がある二酸化炭素の量が圧倒的に多いので痛みが長く続く結果に。
最後に出来るだけ早く息を整える方法について黒澤先生からアドバイス。
ポイントは「なるべくゆっくり深く息を吐く」事だそうで、必死になって吸うのではなく逆にゆっくりの方が良いとか。
という事でコチラが結論。
走ったあと息切れして苦しくなるのは脳が苦しがっているから
でした。
3問目は以上。
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