様と殿の違いは?表彰状で殿を使うのはなぜ?チコちゃん
22年11月4日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の1問目は『様ってなに?』という問題という事で様のそもそもの意味や、殿との違いなど番組内容をまとめてご紹介。
スポンサーリンクゲスト出演者
【ゲスト】土屋アンナ、濱口優
【VTRゲスト】なし
様ってなに?
1問目の出題は、
様ってなに?
殿だと主に男性を指すので女性にも使えるように殿様から「様」だけを取って使うという答えの土屋アンナさんですが、
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
という事でチコちゃんの答えは、
のほう
解説は国立国語研究所の小木曽智信教授。
様という言葉自体は奈良時代以前から「苦しがる様」のように状態を指す言葉として存在していましたが、
平安時代中頃の枕草子には「雨がよこさまに降る」というように横のほうという使い方が登場。
他にも更級日記の中には「京様」という表現があり、これは京のほうへ行くという意味だったり。
スポンサーリンクより詳しい状態を伝える為に方向や場所に「様」を付けることで「~のほう」を表現する使い方がこうして定着。
例えば御所様→御所のほう、山様→山のほうといった具合ですね。
一方で目上の人に「様」を付けるという使い方はまだ存在しておらず、この時代に目上の人には「殿」を付けるのが一般的。
この「殿」は奈良時代以前から屋敷を指す言葉として使われていて、目上の人の名前を直接呼ぶのは失礼にあたるという考え方から住んでいる屋敷を代わりに呼ぶのが慣例で例えば源頼朝であれば鎌倉の屋敷に住む人という意味で「鎌倉殿」。
「鎌倉様」と言うと鎌倉のほうという意味になるので、様と殿は全く別の使い方をされていた時代があったわけですが、
これに変化が生じたのが室町時代以降になってから。
室町時代でも人の名前に対しては○○殿を使うのが一般的でしたが、この殿の使い方がどんどん拡大されて、
婿殿(むこどの)、主殿(あるじどの)、母殿(ははどの)などとりあえず殿を付けておけば丁寧になるのでOKと乱用された結果、
もともとは偉い人に対してのみ使っていた「殿」の権威がおちてしまう事に。
挙句の果てには猫殿、猿殿といった使い方も登場してしまったので、ここで差別化を図るために地名に付けられていた「様」が人物にも使われるように変化。
ただしかなりあやふやな使い方の変化だったせいで、○○殿と○○様はその後も混在し続けて江戸時代、明治時代になっても何となく雰囲気で使い分けていたのが実の所。
これが昭和に入ってやっとルールとして制定される事に。
昭和27年に文部省が敬語をより簡単に使えるようにと「これからの敬語」という文章を発表しましたが、
そこには「様は主として手紙の宛名に使う。公用文の殿も様に統一される事が望ましい。」という記述。
一つのガイドラインが出来た事で人物名に対して○○様と呼ぶのが最も丁寧な言い方という認識が定着する事に。
このように○○様が主に使われるようになっている現代においても、例えば表彰状などでは○○殿という表現が使われますが、これは上位者から贈るという性質から最も丁寧な○○様という言い方はしないという理由からだったり。
という事でコチラが結論。
様は~のほう
でした。
1問目は以上。
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