懐石料理の石の意味は?会席料理との違いは?チコちゃん
23年3月17日放送のNHK「チコちゃんに叱られる 笑点・ぐるナイコラボ」の問題『懐石料理の石ってなに?』の答えとなる石の意味や会席料理との違いなど番組内容を簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】林家木久扇、増田貴久
【VTRゲスト】羽鳥慎一アナ、見取り図盛山、小芝風花
懐石料理の石ってなに?
1問目の出題は、
懐石料理の石ってなに?
チコちゃんの答えは、
お坊さんがお腹を温めた石
解説は食文化史研究家の永山久夫さん。
そもそも懐石料理の始まりは今から約400年前、お寺のお坊さんが修行中に食べていた食事が元祖。
当時のお坊さんは1日1食の場合が多く、3品のおかずに1品の汁ものという一汁三菜が基本で、
温石は温めて懐に入れて暖を取る、今でいうカイロの役割。
食事が十分にとれないと体力が落ちて体温が低下してしまいますが、
そんな時には懐に温めた石を入れて体温を上げることで空腹を和らげるという知恵。
つまり空腹をしのぐアイテムとして使われた「懐に忍ばせた石」から「懐石」。
となるともともと質素だったはずの懐石料理が今ではすっかり高級料理のイメージになったのはなぜなのか気になるところですが、
懐石料理を高貴な人たちの食べ物のようにしたのは千利休の影響が大きいと永山先生。
スポンサーリンクというのも千利休らの茶人が茶会で提供していたのは「濃い茶」と呼ばれる渋みが強いお茶。
当時は渋みの強いお茶をすきっ腹で飲むと胃を刺激してお腹を壊すと信じられていたそうで、
そこでお茶を飲む前には軽食をとってお腹を多少満たし、その上でお茶を飲むのが推奨され、そこで食べられたのが懐石料理。
特権階級のたしなみとして広まったお茶に懐石料理がくっ付いた事で懐石料理=庶民には手が出ない高級なものというイメージが徐々に強まったというわけですね。
今では質素な料理とは程遠く、フルコース並みに様々な料理が運ばれてきますが、
懐石料理店にその辺のことをツッコんで聞いてみると「時代を経て一汁三菜だけでは物足りなくなってきたので変化したのでは?」「(懐石料理を名乗るのは)高級っぽい感じがしてカッコいいから。」という返答。
ところで懐石料理と同じ読みで会席料理という場合がありますが、その違いについても。
会席料理は江戸時代に武士たちが宴会の席で酒を楽しむために提供された料理の事を指すのが本来の意味で、
スポンサーリンク例えばこの2種類の前菜で比べるとAは懐石料理、Bが会席料理。
会席料理はあくまで「お酒が主役」なので前菜でいきなりご飯ものを食べるとお腹が早々に満たされてお酒が楽しめないという観点からメニュー構成が成り立っており、
会席料理ではいわゆるお酒のアテが食事の前半に続き、後半にシメとしてご飯と汁ものが出るという流れ。
一方で懐石料理はお茶の世界でお茶を飲む前に軽くお腹を満たすのがその目的とされてきたので、米と汁ものが先。
その他にも懐石料理はお茶の味を引き立てるとされる料理が選ばれるのも特徴で焼き魚などが代表例。
口に味が残ってしまいがちな揚げ物は本来の懐石料理では出なかったり。
また、お茶が主役の懐石料理ではシンプルな皿が好まれるのに対し、宴会の席でふるまわれる会席料理は派手で華やかな皿が選ばれるという違いも。
という事で1問目は以上。
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