海の水がなくならない理由は?6億年後に無くなる?チコちゃん
23年7月14日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の問題『水は地面に染み込むのになぜ海の水はなくならない?』の答えや6億年後には地球の海水は全て無くなるかもしれないという研究結果など番組内容を簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】小島よしお、みちょぱ
【VTRゲスト】なし
水は地面に染み込むのになぜ海の水はなくならない?
1問目の出題は、
水は地面に染み込むのになんで海の水はなくならないの?
チコちゃんの答えは、
海底が水圧でカチカチだから
解説は水産大学校の柏野祐二教授。
地球上の海の水の体積は約14億立方kmと計算されていてリットルに直すと14垓リットル。
この水の量を2リットルペットボトルに詰めてそれを縦に積み重ねたとしたらその高さは21京kmにもおよび、
太陽系も飛び越えて銀河系の中心近くまで到達するというまさに天文学的数字。
こんなにも大量に存在している海の水は蒸発をして雲になり、雨となって地表に降り注ぎ、その水が海に流れ込むと循環を繰り返しているわけですが、
海の底にも陸地と同じように地面が存在してるので、となるとその地面を通してどんどん水が染み込んでいきそうなものですが現実にはそんな事は起こっていないわけで。
陸地の地面にある土や砂利にはすき間があるのでそこに降った雨水は染み込んでいきますが、
一方で海底には砂利があってそのさらに下にはかたい岩石で出来た地殻が存在。
ということは「下に岩があるから染み込まない」と思いがちですが、実はこれは間違い。
実は石や岩も時間はかかりますが、土や砂利と同じように水を吸収する働きがあるんですね。
ところが地上と海底では岩石に水が染み込むスピードが圧倒的に異なっていて、その違いを生んでいるのが水圧。
水圧とは水の重さによって発生する圧力の事で10m深くなるごとに1気圧ずつアップ。
例えば水深6500mともなると約650気圧にも達する圧力でカップラーメンのプラスチック容器がギュッと圧縮されるような世界。
当然そこにある岩石(地殻)には常にそれだけの高い圧力がかかっているわけで、そうなるとわずかにあいていた隙間がギュッと圧縮されて水を通しにくく変化。
また、海底近くの砂や砂利にも同様の事が起きているので海の底に染み込んでいく水の量は地上とは大違いに。
ではどの位の水の量が海底から染み込んでいくのかというと、その数値を計算した研究を発表した広島大学の片山郁夫教授によると、
約6億年後には海水は全て染み込んで無くなってしまうのでないか?という計算上の結果になったとか。
計算上では毎年2兆5000億リットルの水が海底の岩石に染み込んでいて、そのうち2兆3000億リットルは地球の内部に吸い込まれているという衝撃的なデータ。
地球内部に存在するマントルは地球上の海水5杯分を取り込める容量を持っており、
高温のマントルに染み込んだ水はそのほとんどが火山噴火やマグマ水蒸気爆発などで地上に戻っていくのですが、
最近は地球が冷えてきているので海底から取り込まれる水の量がそれに伴って増加しているのでは?という指摘も。
ちなみにここでいう地球が「冷えてきている」というのはあくまで地中の話で、地球の表面や大気が温かくなる地球温暖化とは全く別のお話。
もし海の水が全て無くなってしまうと太陽の熱を吸収する働きが失われてしまうので地球の温度調整が困難な状態に。
そうなると現在の月のように太陽に照らされると110度、太陽が当たらないとマイナス170度といった世界が地球にも訪れるかもしれないと片山先生。
という事で1問目は以上。
※同放送回のその他の疑問はコチラ
NHK「チコちゃんに叱られる!」に関する全記事はこちらのリンクから