スター=人気者の意味は?スターと呼ぶ由来はコスパ?チコちゃん
23年8月25日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の問題『人気者をスターと呼ぶのはなぜ』の答えなど番組内容を簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】五郎丸歩,日向坂46齊藤京子
【VTRゲスト】錦野旦
人気者をスターと呼ぶのはなぜ?
3問目の出題は、
なんで人気者の事をスターと呼ぶの?
チコちゃんの答えは、
コスパが良かったから
解説は東京工業大学の北村匡平准教授。
歴史に名を刻む人気者の事は一般的にスターと呼ばれますが、このスターという表現は中世ヨーロッパで誕生したという起源。
ちなみに星(スター)を天体を指す意味以外に使う例だと、
イタリア語では困難の中で導き、方向づけ、慰めをもたらす誘導者という意味でスター(イタリア語でステラ)を使用する例だったり。
北村先生によるともともとスターはエンタメ界の人気者という意味ではなく、「社会において目立つ存在」を指して使う言葉だったそうで、
実際に哲学者ヴォルテールや王妃マリー・アントワネットなどもスターと呼ばれていたという歴史。
これが人気者を指してスターと呼ぶようになったきっかけが1820年代のアメリカの演劇界にあり、
この頃の演劇界といえば30~40人の俳優が40週を1クールとして同じ場所で同じ演目を上演するという興行スタイルが一般的で、
より多くの観客動員を生むためには各地をまわる方が理想的でしたが、地方営業には移動費がかさむという障壁によってなかなか懐事情が厳しいという問題が。
そこで登場したのが「スターシステム」で看板俳優をスターと呼んで固定し、スターだけを巡業させ、それ以外の脇を固める俳優たちはその土地ごとに現地で調達するという仕組みを導入。
つまりコスパが良かったのでスターが生まれたというわけで、
ポスターを作る際にも看板スターだけを掲載しておけばOKだったり、看板スターに固定ファンがついてより観客動員が望めるというメリットも。
こうしたスターシステムが成功を収めた事で人気者=スターという呼び方が定着していく事に。
ところが1895年に映画が誕生するとスターの存在は一変。
実は映画が始まった当初は観客たちは映画という技術そのものにばかり注目して「誰が映っているか?」は全く気にしておらず、
出演俳優の名前がクレジット表示される事も無かったので出演者には注目が集まらないという時代。
こんな事情もあってから映画が生まれてから15年が経っても映画スターは誕生しない事に。
しかしここに一人の無名俳優フローレンス・ローレンスが登場し、映画会社バイオグラフの専属俳優として活躍。
バイオグラフの映画といえば彼女が登場するので名前ではなく「バイオグラフ・ガール」と呼ばれていましたが、
ある日の新聞記事には衝撃的な内容が掲載される事になり、それが「ローレンスが死んだ」というもの。
これは単なる宣伝で実はローレンスが死んだというのはウソだったのですが、
所属する映画会社が仕掛けたマーケティング手法の一つという説や、他にも関わった人がいるという説など様々な説が唱えられているそうで、実際誰の企画でこういった宣伝がなされたのかはミステリー。
ローレンスはちょうどこの頃にバイオグラフから別の映画会社に移籍したというタイミングで、
バイオグラフの映画出演がパタッと途絶えたタイミングでちょうどこんなニュースが出たので世間はすっかり騙される事に。
これがきっかけで観客は映画俳優に興味を持つこととなり、これに乗じた映画会社はローレンスの名前を前面に押し出して映画を製作して宣伝。
映画会社の思惑は見事にハマって人気となりローレンスは映画スターの第一号に。
これ以降は映画俳優にも注目が集まるようになってかつての演劇スターと同様に映画スターが次々と誕生。
これがやがてスポーツ、音楽などあらゆるジャンルに広まって人気者はスターと呼ばれるように。
という事で3問目は以上。
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