おじいちゃんの「~じゃ」が定番の話し方なのはなぜ?ザンスを使う人は?チコちゃん
23年9月22日放送のNHK「チコちゃんに叱られる」の問題『おじいちゃんといえば「~じゃ」という話し方なのはなぜ?』の答えやザンス・ザマスを今も現役で使う人はいるのか?調査など番組内容を簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】牧瀬里穂、土田晃之
【VTRゲスト】なし
おじいちゃんといえば「~じゃ」という話し方なのはなぜ?
1問目の出題は、
なんでおじいちゃんは「~じゃ」っていう話し方なの?
チコちゃんの答えは、
関西弁の名残なのじゃ
解説は放送大学大阪学習センター所長の金水敏さん。
江戸時代初期、幕府が開かれたことで急速に発展しだした江戸の町では、元々江戸に住んでいた人とその他の地域から集められた人が色々な方言を話しているカオスな状態。
この頃ははまだ経済や文化の中心は京都・大阪という時代だったために江戸で暮らす上流階級にはもともと関西から出てきた人が多く、となると話される言葉は自然と関西弁という事に。
一方で町民たちの多くは土着の江戸言葉を話していたというざっくりとしたすみ分けがあったとか。
これが江戸時代の後期に入って江戸が繁栄しだすと、若い江戸っ子たちを中心に「江戸は関西よりも上」という意識が高まって江戸言葉にプライドを持つように変化。
そこで関西弁=古いもの(=おじいちゃん世代)とみなす文化が生まれ、これを反映するかのようにこの頃作られた歌舞伎や小説では老人キャラ=関西弁、若者キャラ=江戸言葉という定型が誕生。
人物によって喋り言葉を使い分けることでキャラクターの属性を分かりやすくという工夫から「おじいちゃん=じゃ」がお決まりのパターンに。
こういったキャラクターをイメージしやすい言葉を「役割語」と呼び、他の例では、
- 上品な奥様=ザマス、ザンス
- お相撲さん=ごわす
など。
この古い関西弁の「じゃ」は西日本の方言として残り続けていて瀬戸内のエリアでは子供も大人も、性別に関わらずこんな感じの喋り方ですよね。
ちなみに東京のお年寄りで「じゃ」の喋り方をする人は今はいないはずという金水先生ですが、ザマス・ザンスのザーマス言葉は今も使う人がいるかもしれないという気になる発言。
これは元々江戸の遊女や芸者の言葉が起源で「~でございます」の意味だそうですが、
この芸者言葉が木戸孝允、伊藤博文など時の権力者たちが芸者を妻としたことなどによって社交界に広まり、
時代が進むと東京・山の手(江戸城を境にして西側=赤坂、白金台あたり)のお金持ちの婦人たちの言葉として定着したと考えられているとか。
昭和初期にはこういった地域の人たちの間では普通に話されていた言葉なので今でもそのエリアには残っているかもしれないと金水先生。
番組で赤坂、白金台にエリアを絞って調査してみると「何十年も前にそういった喋り方の人はいた。」という証言は得られたものの、現役で使っている人にはたどり着けず。
という事でNHKのアーカイブ映像(2000年放送)から「お入りくださんせ」「ザンスよね」
ザンスの活用形である「ザンショね」※ザンス、ザンシタ、ザンショ
金水先生も実際に話している人の映像を観るのは初めてだったそうでなかなか貴重なアーカイブ映像。
という事で1問目は以上。
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