プレバト俳句冬麗戦2024 出演者&結果 冬タイトル戦優勝者は春風亭昇吉
24年1月11日放送の「プレバト3時間SP」は冬の俳句タイトル戦・冬麗戦の決勝という事で2023年の優秀句に選ばれた出演者や作品ランキング結果など一覧でまとめてご紹介。
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出演者
梅沢富美男、Travis Japan川島如恵留、千原ジュニア、フルポン村上健志、森口瑤子、キスマイ横尾渉、中田喜子、立川志らく、本上まなみ、水野真紀、春風亭昇吉、こがけん、勝村政信、安藤和津、かたせ梨乃、えなこ
※ちなみに昨年の冬麗戦優勝の森迫永依は優秀句に選出されて出場権があったもののスケジュールの都合で欠場
まずは冬麗戦の出場権を獲得する事になった2023年の優秀句から発表。
スポンサーリンク2023年優秀句一覧
まずは2023年に詠まれた全312句の中から夏井先生が選んだ年間優秀句16句を一覧で。
春風亭昇吉『乳房切除す 母よ芒(すすき)の 先に絮(わた)』
Travis Japan川島如恵留『父特製 夜食うどんの 麺柔し』
スポンサーリンク11位~16位最下位
エピソードを入れ込もうとすると17音に収めるのが難しい厄介さ。
まずは地上波の放送で紹介すらされない屈辱の下位グループたちから。
“顔判子”の比喩表現の精度がちょっと甘いと厳しい指摘。
ただ単に”雪にわたしの 顔の痕”とすれば上五の工夫で作品の奥行きはいくらでも出せると夏井先生は例えば『失恋や 雪にわたしの 顔の痕』の添削。
俳優の原田芳雄の事を指していたようですが、これを読んだだけでは”あなた”が誰を指しているのか範囲が広すぎて分からないのが問題点。
『冬空に笑う 原田芳雄の墓前にて』の添削。
詩歌の世界で”君”とすると普通は恋愛対象に解釈するものなので、私に似た子供を表現する時に”君”はふさわしくないという指摘。
「笑う君」は自然でも「大笑う君」という動詞の使い方はどうしても気になるというダメ出しも踏まえて『君は私似 春まぢかなる大笑ひ』という添削。
エピソードを一つにまとめきれずに破綻した句と厳しい一言。
大仏の鼻=東大寺大仏殿の柱の穴くぐりを女優がやっているという滑稽さを表現したかったのは分かるものの”女優”のワードはすっぱり諦めても良かったと夏井先生。
『大仏の鼻をぬけたりお元日』とめでたさも表現しつつまとめる手も。
ゲラはよく笑う人の事ですが、一般的な用語ではないので大笑(げら)とルビを振る配慮が欲しかったとの事。
『大笑(げら)の子は 大笑(げら)や 春隣のげらげら』とゲラゲラ盛り沢山にしてしまう手法もあったと添削案。
テーマの選び方は面白いので将来性アリという一言も。
“冬座敷”がちょっと寂しいのがマイナスで”お正月”など他のワードで明るくしないと大人しくなりすぎると夏井先生。
スポンサーリンク4位~10位
10位 安藤和津『妣(はは)の忌や 遺言だもの 牡蠣フライ』
中七、下五はとても愉快で思わず繰り返し口にしてしまいそうなぐらいの調べの良さがあると夏井先生。
牡蠣フライについても実体験があるからこそのリアリティ。
一方で”妣”の漢字は亡くなった人に使う字なので、そこに忌を重ねると意味が重なってしまうという指摘。
ここは「母の忌や」でよかったのが惜しい点。
他の添削案としては「母三回忌」としても良いし「母の通夜」にしたりと、悲しみの種類がそこで調整できると夏井先生のアドバイス。
9位 千原ジュニア『笑ひ声 洩(も)るる交番 注連飾(しめかざり)』
なかなか声を出して笑いそうにない警察官がこの時期ならではで笑っているという平和な瞬間を切り取った句。
注連飾を主役にしようとする意志もしっかり伝わって来て、シーンの切り取り方もなかなか良いと褒める夏井先生でしたが直すとしたら”洩るる”が気になるとの事。
大笑いが洩れ聞こえて来るというそのシーンに作者は感動しているのでなかなかケチはつけにくいものの、テーマが大笑いなのでちょっと足らなかったと夏井先生。
くつさめは冬の季語でくしゃみの事。
サスペンスの舞台を観劇していると犯人を明かす重要な場面で観客の一人がくしゃみをしてしまってみんな笑いをこらえるのに必死だったという実体験がベース。
惜しかったのは”に続く”が状況の説明になってしまっている点で、
そこに小さな時間を表現できていればもっと上位を狙えたと夏井先生。
踏まえて『「犯人は…」の静黙 客席の くつさめ』という添削案。
沈黙だと重すぎるので静黙にして、
静黙の後にわざと空白をひとマス分あけて書くことで一瞬の間の表現するという高等テクニックも紹介。
スポンサーリンクお酒を注いだグラスに富士がデザインされて、ふと気づいた父親がそれに思わず礼をしてしまい、そんな滑稽さを家族で笑ったというシーンを描いた一句。
富士のおめでたさ、礼をする礼儀正しさがお正月の気分にぴったりで奇をてらわないシンプルな句と夏井先生。
ただしテーマが大笑いなのでやや上品すぎる、ほのぼのした作品になってしまった点がマイナスポイント。
新幹線のA席とC席に挟まれた席に座り、両サイドに申し訳ないと思いつつiPadでドリフターズのコントを見て大笑いを必死にこらえている様子を詠んだ句。
いちいち説明しなくてもその光景がありありと浮かんでくるのはお見事。
句を鑑賞する時は「その句にとって一番幸せな読み方を探すのが読者の誠実な態度」と語る夏井先生。
そうなるとポイントになってくるのがB席という表現でそのワードだけで両側に挟まれている席を読者は簡単に想像。
さらにiPadとドリフの相性がなかなか良くて”大笑い””ドリフ”はベタなワードチョイスながらもiPadを織り交ぜる事で「ドリフで今の若者も笑っている」と時代の交錯が表現出来ていると夏井先生。
幼少期に見た祖父の死に顔は一瞬福笑いの顔のようで面白かったものの、そんな事を思うのは不謹慎だと子供心に感じたその心の動きを「、」で表現したと本人談。
大笑いと対極にある死を描くという点で夏井先生からは表現者として面白いと絶賛。
年またぎで大笑いをするシーンを描く事で去年は色々あったと思い返したりと色んな意味を含めるように工夫した一句。
去年今年は年が改まった後で去年を振り返るという意味だったり、新年になった瞬間にさっきまでの時間がいきなり去年の出来事になるという時間軸の移り変わりを表現する季語。
非常に厄介な季語に挑戦したそのチャレンジ精神は高評価。
置きに行く句を作りがちだった自己保身から成長しようとする強い意志、季語を大切にしようとする気持ちを高く買うと夏井先生。
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テーマど真ん中を選んだ一句
“初笑い”のあとに”はね太鼓”が来ると”追い出す”が説明になってしまう所が、語順の工夫によって「初笑いで追い出す?ああ寄席の事か。」という理解の順序で最後にはね太鼓の音を連想させるという流れの良さ。
余韻として残った太鼓の音が初笑いの余韻とも重なっていくようなそんな作品と夏井先生。
寄席の雰囲気を無理なくまとめている作品という評価ながら、だからといってここが素晴らしい!さすが永世名人!と特筆すべき所が無かった点が敗因だった様子。
句またがりでキスマイ横尾が得意とする形。
残業、鍋焼き、M-1、出囃子と俳句としては詰め込み過ぎの感もある材料多めの句ながらも破綻なく綺麗にまとめていると夏井先生の高評価。
さらに鍋焼、出囃子は少し韻を踏んでいて調べも良いというテクニックが光る作品に。
親戚が集まって笑っている中、自分は浪人生として一人で黙々と勉強しているシーンを詠んだ句。
一月だからこそ独りの自分を意識してしまうという作品テーマを伝えるために一月という季語が大きな働きをしている点は高評価。
立川志らくと同様に笑いと対極にあるものを持ってくることで大笑いを強調するそのアイデアも優勝の要因に。
以上、冬麗戦2024結果でした。
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