薬は病院ではなく薬局でもらうようになったのはなぜ?きっかけは毒殺防止?チコちゃん
24年5月31日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ薬は病院ではなく薬局でもらうようになった?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】清塚信也、藤本美貴
【VTRゲスト】池田鉄洋、目黒祐樹、二宮直輝(ナレーション)
なぜ薬は病院ではなく薬局でもらうようになった?
1問目の出題は、
なんで薬は病院ではなく薬局でもらうようになったの?
チコちゃんの答えは、
フリードリヒ2世が毒殺にビビったから
解説は日本薬剤師会の山本信夫会長。
日本では約8割の患者が医師の書いた処方箋を薬局に持って行って薬をもらっているという現行のシステムですが、これは1997年に当時の厚生省が患者の診察を行う医師と薬の調剤を行う薬剤師の役割を分ける指示を出したのがきっかけ。
この分担制度を医薬分業と呼びますが、この薬を薬剤師からもらうという行為は10世紀から19世紀の間に現在のイタリアとドイツの辺りに存在した神聖ローマ帝国で約800年前に皇帝の座に就いていたフリードリヒ2世がその元祖との事。
とここで始まるのがNHKたぶんこうだったんじゃないか劇場「ビビりん坊皇帝 ~調剤薬局 事始め~」
13世紀のヨーロッパではさまざまな国で権力争いが激化しており、そんな激動の時代に皇帝の座に就いたフリードリヒ2世は国を治める高い能力の他に、ラテン語やアラビア語など数か国語を話し、ナポリ大学を設立するなど国民の知的水準を向上させる事にも尽力した事で、それまでの王の中で最初の近代的人間と評される名君に。
そこでフリードリヒ2世が我が身を脅かすものとして警戒したのが毒殺で、当時のヨーロッパでは権力者が毒によって暗殺されるケースが度々起こっていたという事もあってフリードリヒ2世の警戒心も当然の事。
特に花の毒を使った暗殺事例が多数報告されていたようで、その他にもヒ素などを使った手口なども横行しており、ヒ素に含まれる不純物が銀に付着して黒く変色するという性質を利用してヒ素を検知するために銀の食器を使うという自衛策などが考え出されたり。
スポンサーリンク例にもれず様々な自衛策を講じていたフリードリヒ2世でしたが、この時代の医療先進国だったアラビアやペルシャでは既に薬剤師という職業が成立しており、患者が好きな薬屋を自ら選んで薬を出してもらうというこのシステムによって薬の安全性が高まるという話を参考に1240年に薬は薬剤師からもらうという医薬分業の法律を定める事に。
このルールの導入はヨーロッパ世界ではかなり画期的なものだったようで、これが徐々にヨーロッパ諸国に伝わり、これが現代の薬局で薬をもらうルーツになっているとか。
時代が経て日本にも伝わったこの医薬分業の考え方は毒殺を防ぐという目的とはすでに離れたものになっていて、
- 薬に間違いがないか薬剤師が確認
- 薬に関する十分な説明が受けられる
- 患者が薬局を自由に選べる
- 医療機関の混雑緩和
- 待ち時間の短縮
といったメリットで導入されているという事に。
ちなみに医者や病院の方針や離島など薬局に行けない場合などは病院で薬を出す所もあるとの事。
という事で1問目は以上。
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