夏が暑いのはなぜ?太陽光は空気を暖めない?チコちゃん
24年6月21日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『夏はなぜ暑い?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。実は太陽光に空気を暖める力はないという事実や日本の夏が暑くなる仕組みを分かりやすく解説。
ゲスト出演者
【ゲスト】鈴木浩介、森泉
【VTRゲスト】なし
夏はなぜ暑い?
2問目の出題は、
なんで夏は暑いの?
チコちゃんの答えは、
地面と海面の分子が激しく動いて発生した熱が空気に伝わるから
解説は東京大学の渡部雅浩教授。
まずポイントになるのが太陽の光の当たり方で、地球は自転をしながら太陽の周りをまわっていますが、この時地球の自転の軸が少し傾いているせいで太陽光が当たる角度が夏と冬とでは変化。
分かりやすく太陽の光を5本の線で表現してみると、冬の日本には斜めの角度で光が当たるので3本分。
一方で夏はほぼ真上から当たるので5本線が全て日本に当たる事に。
これはつまりたくさんの太陽の光が日本に当たる事に。
これを見ると「太陽の熱い光をたくさん浴びるので夏は暑くなる」と思いがちですが、実は太陽の光自体に熱は無いと渡部先生。
太陽の光(=電磁波)は空気をほぼ素通りするので空気を暖める事はありませんが、電磁波が地面に届くと電磁波のエネルギーを吸収した分子が激しく動き出して地面が熱くなり、この時初めて熱が発生。
身近な例だと電子レンジが代表的で、レンジが発する電磁波で物の水分子を激しく動かして温める原理と同じ。
スポンサーリンク他の季節よりも太陽の光がたくさん届く夏はより激しく分子が動くので地面の温度はどんどん上昇。
そしてここから空気の温度が上がるには2つのルートが存在していて、
- 地面の熱が移動して空気に伝わる
- 電磁波によって空気が熱くなる
【熱の移動】
熱は温度の高い所から低い所に移動する性質を持っているので地面が熱くなると地面に近い所にある空気に熱が移動していき、地面の近くにある空気の渦に運ばれて気温が上がって行くという仕組み。
【電磁波と空気】
太陽が発する電磁波とは違い、熱くなった地面は赤外線を多く含む電磁波を発生させますが、この赤外線が空気を暖めるのでやはりこれも気温上昇の要因に。
これら2つの空気の暖まり方は海でも同様に起こっていて、日本の南側の海上で暖められた空気が日本に流れ込んでくる事も夏が暑い原因の一つ。
このように夏は太陽の強い光で地面・海面の分子が激しく動き、そこで発生した熱が空気に伝わって暑くなるというのが夏が暑い謎への答え。
ちなみに太陽が一番高くあがって昼が長くなるのは夏至の日で2024年は6月21日となっていますが、一方で夏真っ盛りの一番暑い時期は7月終わりから8月にかけてとかなり大きなズレが発生する事に。
夏至は太陽が一番高くあがって届く光の量が最も多いはずなのに、これは一体?
これは地面や海面が温まるのに時間がかかるから。
大ざっぱに太陽の光をコンロの火、鍋に入れた水を地面や海面に置き換えてみると、コンロの火を最大火力にしても水が熱くなるのはしばらく経ってから。
地面や海面は温まりにくい性質を持っていて、特に海水は温まりにくく、海に囲まれた日本では空気に熱が伝わるまでに1か月以上の遅れが生じるので6月の夏至の影響が本格的に表れて来るのが7月終わりから8月初め頃になるという原理。
この他に太平洋・チベットから張り出して来る高気圧も日本の暑さに影響を及ぼしているという補足で2問目は以上。
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