噴水は何のためにある?起源はゴミ詰まりチェッカー チコちゃん
24年7月19日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『噴水ってそもそも何?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。噴水の起源になった古代ローマの水道システムで噴水がどんな使われ方をしていたのか?がポイントに。
ゲスト出演者
【ゲスト】YOU、JO1白岩瑠姫
【VTRゲスト】なし
噴水ってそもそも何?
3問目の出題は、
噴水ってそもそも何?
チコちゃんの答えは、
水道のゴミ詰まりチェッカー
解説は京都大学の松井三郎名誉教授。
紀元前4世紀に強い軍事力を武器にヨーロッパ一帯を支配した古代ローマに噴水の起源はあるといわれていて首都ローマは急激な人口増加に伴ってある問題に直面。
それが井戸が足りない問題で領土拡大のために兵士をかき集めた影響で深刻な水不足に見舞われる事に。
ローマは地形的に周囲に山が無くて小高い丘がある程度だったせいで雨水が分散して地下水は貧弱。
これを解決しようと立ち上がったのが政治家のアッピウス・クラウディウス・カエクスで世界初ともいえる水道建設のプランに着手。
ローマに水を引き込むためには遠く離れた水源地から水路を通じて水を流せば良いわけですが、そこで概算された距離は約17km。
スポンサーリンク現代の技術であれば強力な送水ポンプのおかげで水を運べますが古代ローマにおいて水を運ぶ方法は水が高い所から低い所に流れる性質を利用するという至極シンプルな考え方。
要するに水源から目的地までなだらかな勾配で水を流すわけですが、勾配が急すぎると水流が強くなって水路が削れてしまい、逆に緩やか過ぎると水がよどんで水質が悪化。
これを解決するためにローマの水源は1kmにつき平均5mの勾配がつけるように調整。この勾配は現在の日本の建物でも雨水などを排水する時の基準として使用されていたり。
当然ながら約17kmに渡って水路を作るとなると山間部や川の上などを越える必要があるわけで、そこで登場するのが有名な建築物の水道橋。
建設から約2000年が経った今でも当時の姿をキープしているという古代建築。
こうして運ばれて来た水は一度街の貯水槽に貯められて、貯水槽から張り巡らされた水道管を通って貴族の住居・公衆浴場・水くみ場へと送水。
そして水の終着点となるのが噴水。
古代ローマ人は綺麗な水を使い続けるために点検と整備を行っていましたが、水路が地下に掘られている場所では縦穴を設けてそこから人が中に入って定期検査を行い水質維持に努めていたとか。
ただしこの水路が使われるのはあくまで首都ローマに水が運ばれるまでの区間に限った話で、そこから先は銅で出来た水道管、家庭用には鉛で出来た水道管を通して水を供給していたそうで、これらの水道管は細い管だったので砂利や葉っぱなどのゴミが詰まってしまう水道トラブルがよく起きていたとか。
そこでこのゴミ詰まりトラブルをチェックする役目を担っていたのが噴水。
水道管の終着地点に噴水を置いておけば「噴水が弱くなる=該当する水道管でゴミ詰まり発生」をいち早く察知できるという仕組みを利用して水道管の清掃や交換作業を効率化。
また、流れて来る水道の水圧を噴水として外に発散させる事で水道管から水があふれるのを防ぐ役割も。
こうして水道のゴミ詰まりチェッカーとして作られた噴水は徐々に装飾性を帯びて行きどんどん派手で豪勢なものに変化。
紀元前1世紀の古代ローマは度重なる内乱などを経て一人の皇帝が治める帝政ローマへと転換していきますが、市民に対してサービスを行って皇帝への支持を集めるという目的で人々の憩いの場になっている噴水を豪華に装飾する事で皇帝の政治力・財力をアピールする狙いがあったとか。
という事で3問目は以上。
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