声援が「わー」に聞こえるのはなぜ?チコちゃん
24年8月30日放送の「チコちゃんに叱られる生放送」の問題『大人数の声援が「わー」と聞こえるのはなぜ?』の答えなど簡単にまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】加藤浩次、ホラン千秋
【VTRゲスト】郷ひろみ
大人数の声援が「わー」と聞こえるのはなぜ?
1問目の出題は、
なんで大人数の声援は「わー」って聞こえるの?
チコちゃんの答えは、
バラバラの声が重なり合って響くと「わ」ができちゃうから
解説は上智大学の北原真冬教授。
まず実験として人の声が重なるとどんな風に聞こえるか?全く別の文章を話す8人分の音声データを同時再生してみると、何を言っているかはっきり分からないものの所々の単語が認識できるレベルの聞こえ方。
例えとして文字の上に文字が重なって何の文字かよく分からなくなるのと同じイメージと北原先生。
さらに人数を増やして20人分の話し声を重ねてみるとさらに音が重なったことで「ガヤガヤ」としたものに変化。40人だと「ザワザワ」な感じ。320人になると「ザー」っとノイズのような音。
この「ガヤガヤ」「ザワザワ」「ザー」という聞こえ方には共通点があり、それが全て「あの母音」という事。
あ、い、う、え、おをそれぞれ別々で録音して音声データを解析してみると、音の強さを色の濃さで表したデータでは「あ」だけは特徴的に全ての音が濃く(=強く)発声されているのがポイント。
その他の音がどこかしらに薄い(=弱い)部分が存在するのに対して「あ」だけは高い音から低い音まで満遍なく強い音を持っていて、この事からあの母音だけは音が抜け落ちないという特徴を持っている事に。
スポンサーリンクさらに「い、う、え、お」の音を重ねてみると「あ」と同じような音を生み出すので、色んな声が重なると「あ」に似た音に聞こえて来る事に。
これで「ガヤガヤ」「ザワザワ」「ザー」と聞こえる理由は分かりましたが、となるとスポーツや音楽イベントを開くスタジアムなどで声援が「わー」と聞こえるのは不思議。
これについてはスタジアムが広くて音が響きやすい場所だからというのが北原先生の答え。
音には音の出所から直接聞こえる音と壁などにぶつかって反射して聞こえる音がありますが、狭い場所では全ての音が反射してすぐに返って来るのに対して、広い空間になると近くの壁から反射したり、遠くの壁から反射したりと返ってくる時間がバラバラに。
反射して響いた音は丸められたぼんやりした音になるので人に耳に届く時にはゆっくりボリュームが上がって行くような形になるそうで、「ゎあああ」とフェードインするように聞こえるとの事。
あの母音の中で「わ」は最初に口をすぼめる形からスタートしますが、これは口をすぼめた状態から徐々に口を開いて音量を上げていく(=フェードイン)手法を使って発音しているという意味に。
狭い空間では「ザー」と聞こえる音が広い空間だと丸められてフェードインを起こすように「ずゎあああ」となって結果的に「わー」に聞こえるという原理。
という事で1問目は以上。
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