伊豆半島は静岡なのに伊豆諸島が東京なのはなぜ？チコちゃん

24年9月13日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『伊豆半島は静岡県なのに伊豆諸島が東京都なのはなぜ？』の答えなど簡単にまとめてご紹介。NHコスペシャルで伊豆大島の日本からの独立についても解説。

ゲスト出演者

【ゲスト】石黒賢、安田美沙子

【VTRゲスト】塚原愛アナ

3問目の出題は、

なんで伊豆半島は静岡県なのに伊豆諸島は東京都なの？

チコちゃんの答えは、

島の人たちが東京とのつながりを望んだから

解説は名古屋学院大学の榎澤幸広准教授。

伊豆諸島は最北端の伊豆大島から南に約600km、9つの有人島と多くの無地等・岩礁など合計116の島々が連なって形成しているエリア。

この地域は江戸時代に魚や塩といった特産品を年貢として納めていて、もともとは江戸幕府の直轄地だったので東京とのつながりが歴史的にも深かったという事に。

それぞれの島では海水を利用して作る塩や八丈絹で知られる絹を江戸まで運んで売ることで生計を立てていたそうですが、これが明治になると1871年の廃藩置県によって伊豆諸島は静岡県(当時は足柄県)の所属に変更。

これで伊豆諸島は相模の西部と伊豆国を管轄されるために設置された足柄県の所属となり、その後に足柄県が静岡県になると伊豆諸島もそのまま静岡管轄を維持される事に。

ただし、この時代でも江戸時代からのつながりで伊豆諸島からの人の行き来は東京ばかりだったそうなので、伊豆諸島からすると管轄は静岡でも付き合いが深いのは東京の方という関係性だったとか。

その為に行政上の手続きがある際には、まず東京に行ってから陸路で静岡に行っていたほど。

こういった状況を知って、地域行政を指揮していた大久保利通は伊豆諸島の人々が不便の無い生活が出来るようにと太政大臣の三条実美に対して上申書を送り、伊豆諸島は東京管轄にする方がメリットが大きいと提案。

これによって伊豆諸島が静岡管轄になってからわずか2年後の1878年には伊豆諸島は東京の管轄に。

そして最後に榎澤先生は「伊豆諸島は日本ではなくなっていた可能性」について言及。

ここで始まるのがNHコスペシャル「シリーズ幻の伊豆大島共和国」。

第二次世界大戦後の1946年1月29日にGHQは伊豆諸島を日本の領域から行政分離すると覚書を発令し、沖縄や小笠原諸島と共に伊豆諸島も日本から切り離すという決定を下す事に。

GHQにはポツダム宣言にある通り、どの島が日本なのかを決める権利があり、これを根拠に伊豆諸島を切り離したわけですが、戦争末期の硫黄島での激戦の経験から東京湾の入り口にある伊豆諸島は東京を守る最後の砦で軍事施設があるとGHQは疑っていたのかもしれないと研究者の見解。

一方で伊豆大島の島民にとっては日本からの切り離しは死を意味するものであり、火山島である大島には川が無く、飲み水が無いので農作物が育たないという状況を踏まえると、本土からの支援ゼロだとたった3ヶ月で島は多くの餓死者が出ると試算。

そこで伊豆大島では敗戦国になった上にさらに日本からも見捨てられる形になってしまった状況を打開すべく独立国となる道を模索。

当時を振り返る新聞記事には「新大島」「伊豆大島共和国」といった見出しも。

まず島民たちが着手したのは独立国家として必要な憲法の作成で、島民主体の民主主義国家を作り上げようと会議を繰り返して1946年3月上旬に遂に大島暫定憲法が完成。

法律の専門家が存在しない島民だけで作られた憲法は議会の組織図など細かく設定されていたとか。

一方でその頃、伊豆諸島を日本に戻すべく東京都の渉外部長だった磯村英一はGHQとの交渉の一環として、親しくしていたアメリカ軍の東京都担当中佐を秘密裏に伊豆大島へ連れて行くという大胆な行動に。

伊豆大島に軍事施設があるのでは？と疑っていたアメリカ側の疑心を何とか解こうと動いた磯村は伊豆大島には軍事施設などは無く、アメリカの脅威になる事はないと説得し、さらに伊豆大島を日本から切り離されると島民の生活は成り立たないと訴求。

すると1946年3月22日にはGHQは伊豆諸島を日本に復帰させると指令を出し、行政分離を受けて53日後に伊豆諸島は日本に帰ってくることに。

暫定憲法まで作って切羽詰まっていた島民の人々は日本に戻れたことを大変喜んだとか。

という事で3問目は以上。

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