深海魚が光るのはなぜ?答えは酸素のせい?チコちゃん
25年1月10日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『深海魚が光るのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】ミキ亜生、奈緒
【VTRゲスト】なし
深海魚が光るのはなぜ?
1問目の出題は、
なんで深海魚って光るの?
チコちゃんの答えは、
酸素が毒だから
解説は産業技術総合研究所の近江谷克裕医学博士。
深海魚とは水深200mよりも深い所に住む魚類を指す言葉ですが、その深海魚の8割以上が光るという特徴があり、その光は過酷な深海を生き抜くために役立っているとか。
例えば光る深海魚の代表格ともいえるチョウチンアンコウは頭に光るアンテナのような発光器を持っており、この光をエサに見せかけて獲物をおびき寄せる罠として利用して狩りを効率化。
他にヨロイザメは敵から身を隠すためにお腹の部分を青白く光らせてカモフラージュ。太陽の光がわずかに届く深海は青白い世界になり、普通の状態だと下から見上げる敵からは黒いシルエットが見えてしまうために目立ちやすくなりますが、体を光らせる事で海の色に溶け込ませて見えづらい状態に。
これらの光の使い方はサバイバル術ではありますが、結果的に光を利用しているだけで元々の光るようになった理由とは別物。
そこで重要になってくるのが「酸素が毒」であるという事。
スポンサーリンク多くの生物は酸素をエネルギーに変える仕組みを使って生きていますが、酸素は同時に酸化という現象も引き起こしていて体には悪影響。
人間の場合はエネルギーの源である酸素は肺から取り込まれて、血管を通して全身の細胞へ運ばれ、食べ物などの栄養素と結びつくことで体の重要な器官を動かしたり、体温を上げたり、ものを考えたりと生きるためのエネルギーに。
ところがエネルギーを作り出す過程で一部の酸素は金属が錆びるのと同じ酸化という現象を起こし、酸化によって体の組織の形が変わって破壊されてしまうという困ったことに。
人間の場合は出来るだけ酸化を防ぐために呼吸を行ってエネルギーを作ると同時に約98%の酸素を二酸化炭素に変えて体の外に排出して酸素を無毒化する仕組み。
一方で深海魚の場合は酸化を防ぐために酸素を光るエネルギーに変えるという仕組みを備えていて、これは大昔の地球の大気が変化した事で生まれたサバイバル術と考えられているとの事。
今から35億年前の地球の大気に酸素は存在しておらず、そんな酸素のない状態で最初の生命が誕生した際には当然ながら酸素を必要としていませんでしたが、それから太陽の光による光合成によって酸素を作る生物シアノバクテリアが誕生した事で大気中に酸素が増え、酸素に対応できない細胞生物の多くは死滅。
対照的に酸素を活かすように進化した生物は繁栄し、光る深海生物はより多くの酸素を無毒化するために酸素を光のエネルギーとしても使い始め、その光を深海で生き抜くために利用するように進化。
その光る仕組みには大きく2つあるそうで、
- 光るプランクトンを食べる
- 発光バクテリアを体に住まわせる
【光るプランクトンを食べる】
カイアシ類などの光るプランクトンは酸素と反応して光る物質を持っていますが、深海魚はそれらをエサとして食べる事で光る物質(ルシフェリンとルシフェラーゼ)を酸素と結びつけて発光する事でより多くの酸素を二酸化炭素に変えて体の外に放出。
【発光バクテリアを体に住まわせる】
例のチョウチンアンコウは発光器の先に大量の光るバクテリアを住まわせていて、バクテリアは酸素をエネルギー源にして光を作り出すのでアンコウは酸素をバクテリアに送り込んで光をコントロール。
つまり酸素を無毒化するために深海魚は光っているというのが大元の理由で、せっかく光っているのでそれを何かに活かせないかと罠にしたり、カモフラージュに使ったりしているという事でまとめ。
という事で1問目は以上。
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