散歩の「散」の意味は?語源はある薬?チコちゃん
25年1月24日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『散歩の「散」って何?』の答えなどまとめてご紹介。語源とされる三国志の時代に流行ったとある薬とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】ロッチ中岡創一、村上佳菜子
【VTRゲスト】なし
散歩の「散」って何?
2問目の出題は、
散歩の「散」って何?
チコちゃんの答えは、
薬
解説は早稲田大学の渡邉義浩教授。
ぶらぶらと歩くという意味で使われる散歩という言葉はもともと古代中国で出来た言葉と考えられていて、今から1700~1800年前の三国志の時代に中国で流行った五石散(ごせきさん)という薬が語源との事。
三国時代の後に書かれた書物「抱朴子(ほうぼくし)」には五石散とは丹砂(たんしゃ)・雄黄(ゆうおう)・白凡(はくばん)・曽青(そうせい)・慈石(じせき)の5つの鉱物を混ぜて作った薬という記載があり、
丹砂は水銀の事で精神安定に、雄黄はヒ素の事で意識障害に、白凡はミョウバン石の結晶の事で熱冷ましに、曽青は銅の事でこちらも意識障害に、慈石は鉄鉱石の事でこちらも精神安定に効くという紹介。
ところが当時は水銀やヒ素が有毒である事は知られておらず、五石散は毒性のあるものを少しずつまとめて飲む毒薬のようなものだったというのが実のところ。
この五石散は飲むと体が熱くなって感覚が研ぎ澄まされるといった変化が現れるとされていて、こういった薬の効果を散発(さんぱつ)と呼んでおり、五つの鉱物で散発が得られるという意味で五石散というのがネーミングの由来。
スポンサーリンク五石散を飲んだ後は中毒を起こして死ぬ可能性がある事は当時から認知されていたようで、その原因は薬が体内の一か所にこもってしまうからと考えられて、その対処法として薬を一か所に集めずに体中を巡らせて毒を散らす必要があり、五石散の服用後は歩き回って血行を良くすべきと信じられていたとの事。
その歩き回る行為を行散(こうさん)と呼び、これが語源となって散歩という言葉が生まれたとか。
この五石散は中国の三国時代に活躍した魏の学者であり政治家の何晏(かあん)が飲んでいたそうで、何晏の頭脳明晰に加えて真っ白な美しい肌でカリスマ性に富んだ人物像に憧れた人々がそのライフスタイルを真似て「何晏が飲んでいるなら五石散は良いものに違いない」と流行。
その後は、中毒死の危険がクローズアップされるにつれて五石散は使われなくなったそうですが、散歩という行為と言葉は残って今に繋がっていると渡邉先生。
はっきりした事は分からないものの、この散歩という言葉は日本の鎌倉後期から南北朝時代には既に使われていたという記録が残っているので、日本に入って来たのはそれ以前の時代だったと考えられるとの事。
という事で2問目は以上。
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