ツバキが冬に咲くのはなぜ?チコちゃん
25年2月21日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『ツバキが冬に咲くのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】三宅裕司、倉科カナ
【VTRゲスト】なし
ツバキが冬に咲くのはなぜ?
3問目の出題は、
なんでツバキは冬に咲くの?
チコちゃんの答えは、
鳥に蜜を吸って欲しいから
解説は日本ツバキ協会の小泉不二男 副会長さん。
ツバキには様々な種類があるものの、今回はよく目にする機会が多い日本原産のヤブツバキに関して説明すると、このヤブツバキの蜜を吸うのはメジロなどの鳥がほとんどで、これは鳥に花粉を運んでもらって子孫繁栄をはかるため。
一般的に花はおしべの花粉をめしべに受粉させて種を作りますが、同じ種類の他の花の花粉を受粉する方が子孫に多様な遺伝子が伝わるので生き残る可能性が広がることに。
ただし、花は自分で動く事が出来ないので虫や鳥、風などに花粉を運んでもらって多様性が生まれるよう工夫。
そこで虫たちの助けを借りやすくするために、花は蜜というご褒美を代わりに差し出して誘引。蜜は虫たちの食料となりますが、その代わりに羽や口に花粉が付着し、この虫が別の花に飛び回る際に、花粉がめしべに付いて受粉するという策略。
そして、花粉を運ぶのは鳥よりも圧倒的に虫の方が多く、ほとんどの虫は春や夏の暖かい時期に活発的に動くので、この時期に合わせて花も多く咲くことに。
スポンサーリンク一方で大量の花が咲くせいで虫たちの方では選り好みが出来るので、花としても他のライバルに先んじるためにあの手この手で虫を呼び込むのに必死。
そこでツバキは逆張り作戦とばかりにライバルの少ない冬に花を咲かせる事で、子孫繁栄をはかっていると考えられると小泉先生。
そこで冬にほぼ活動していない虫に代わってツバキが目を付けたのが鳥。
鳥は暖かい季節に虫や果実などを食べて生きていますが、冬になるとそれらの食料が減ってしまうので、お腹を空かせた鳥たちは花の蜜で栄養補給せざるを得ない状況に。
その状況を利用するためにもツバキは冬に花を咲かせて鳥を上手く呼び込んでいるというわけですね。
その為にツバキは様々な工夫を凝らしており、
- たくさんの蜜
- とまりやすい咲き方
- 筒状のおしべ
など。
鳥は虫に比べて体のサイズが大きく、少量の蜜では鳥にとって魅力的には映らないので、虫を呼ぶ花はジャムのように濃い少量の蜜を作るのに対して、ツバキの蜜はジュースのようなサラサラとした大量の蜜という違い。
ツバキはやや下向きに咲くという特徴があり、これは鳥が足を引っかけて上手く蜜が吸える角度になっているという工夫。
花が上向きに咲いていたらメジロは花に乗っかる形になってバランスをすぐに崩してしまい、そうなったらメジロからは敬遠されてしまうのでお客さんに合わせて花の角度も調整しているというツバキの知恵。
花が下向きであればツバキは花びらに掴まってくちばしを蜜のある花の奥に突っ込めるのでツバキとしては大助かり。
蜜はおしべの下の方に蓄えられていますが、その根元は筒状にくっ付いているので蜜を横から吸おうとしても蜜にくちばしは届かず、自然とメジロは花の上から頭を突っ込む形に。
その際に花粉がメジロの顔にくっ付き、これが他の花に運ばれてめでたく受粉という流れ。
スポンサーリンク最後に小泉先生がツバキに関するトピックをいくつか紹介。
19世紀の江戸時代に長崎からヨーロッパに渡って流行を巻き起こしたツバキで「東洋のバラ」と形容され、オペラの名作「椿姫」はこのツバキという説が有力。
鮮やかな花びらが沢山重なった千重咲きと呼ばれるツバキで、もともと日本で品種改良が盛んにおこなわれた日本原産のツバキは19世紀以降はヨーロッパに渡って世界中に広まり、今ではツバキ栽培の中心地はアメリカに。
2023年にツバキの中心地・アメリカで日本人の作ったツバキが栄誉ある賞を受賞するという快挙を達成しましたが、それを生んだのが旋律紅。
30年前に黄色いツバキ(金花茶)が中国で発見され、日本でもこれを咲かせようと品種改良が重ねられ、長年の研究が実を結んで花全体がほんのり黄色く、赤みがかった繊細な色を実現。
という事で3問目は以上。
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