バカが「馬」と「鹿」の漢字なのはなぜ?チコちゃん
25年3月28日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『バカが「馬」と「鹿」なのはなぜ?』の答えなどまとめてご紹介。
ゲスト出演者
【ゲスト】阿部サダヲ、今田美桜、中沢元紀
【VTRゲスト】宮下草薙、小沢仁志
バカが「馬」と「鹿」なのはなぜ?
4問目の出題は、
なんでバカは「馬」と「鹿」なの?
チコちゃんの答えは、
鹿を見せられて「馬だよね?」と言われたから
解説は京都先端科学大学の丸田博之特任教授。
この馬鹿という言葉はもともと僧侶の隠語として使われていたもので、サンスクリット語の無知などを意味するmoha(モハ)という言葉がその由来。
インドの古典語であるサンスクリット語のモハは中国に渡って「慕何」という漢字表記に、これが平安時代以降に日本に伝わって日本語読みで慕何=ボカ、バカという読み方に。
室町時代に記された辞書によるとバカの漢字表記は慕何の他にも破家、馬嫁、馬鹿などさまざまですが、この辞書はあくまでごく一部の上流階級のみが使っていたとされるものなのでこれらの表記が一般まで広まっていたとは言いにくいと丸田先生。
そこで登場するのが中国由来の四字熟語「指鹿為馬(しろくいば)」。
紀元前210年ごろの中国は秦の時代を迎えており、秦の始皇帝が亡くなった後を継いだ二世皇帝の胡亥(こがい)の時代に。
ところが家臣の趙高は始皇帝の遺言を偽って幼子だった胡亥を皇帝の座に就かせ、趙高が丞相(国政を司る大臣の位)として実権を握った上に、さらには趙高自らが皇帝の座を欲するという強欲ぶりを発揮。
スポンサーリンク皇帝よりも自分の意見の方が強い事を周囲に見せつけたり、自分に忠誠を誓う家臣団がどれほどいるのかを見定めようと、鹿の置物を見せて「これは馬だがお前はどう思うか?馬か鹿か?」と自分の言う事に100%従う家臣かどうかをテスト。
あくまで「それは鹿だろう」と言って譲らない皇帝に対して、趙高の言う事に従って「それは馬でございます」と答える家臣が多くいるのを見せつける事で皇帝を愚か者扱いし、さらには自分の方が上であるというマウントを取るこの企ては「それは鹿」と答える趙高への不満分子をあぶり出す狙いもあって、趙高に逆らった者は全て処刑という凄惨極まる事態に。
この言い伝えから「誤った事を力ずくで押し通す事」を指鹿為馬と言うようになり、このエピソードが奈良時代以降、当時多くの人に読まれていた史記に登場したことで僧侶・貴族。武士に浸透。
さらに平安時代に日本に伝来した新唐書(しんとうじょ)には「胡亥は馬と鹿の区別がつかない」という言い伝えも書かれていて、これが馬鹿という当て字の有力な候補に。
そして室町時代になると学問を広めるために僧侶が全国で講義を行うようになっていきますが、愚かな行為のたとえ話として「指鹿為馬」の四字熟語が庶民にも広まっていくことに。
こうして鹿を馬と言い張る愚かでバカげた物語という事から馬の「バ」鹿の「カ」で馬鹿と表現するように。
江戸時代に庶民が読んでいた文学作品にもこの馬鹿の表記はたびたび登場していたようで
という事で4問目は以上。
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