人間の体毛が少ないのはなぜ?動物との違いは?チコちゃん
25年4月11日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ人間には毛が生えていない?』の答えなどまとめてご紹介。久しぶりの木村多江のひとり舞台で明らかになる人類の進化とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】榊原郁恵、カンニング竹山
【VTRゲスト】木村多江
なぜ人間には毛が生えていない?
1問目の出題は、
なんで人間は毛が生えてないの?
チコちゃんの答えは、
ヒトが狩りをするようになったから
解説は京都大学大学院の椛島健治教授。
人間は髪の毛、眉毛、ヒゲなど特定の部位に毛が生えているものの、全身を見てみるとほとんど毛が生えてないというのは哺乳類としてはなかなか異質。
陸上に暮らす哺乳類のほとんどはフサフサ、モフモフの毛が生えているのが普通なので人間は異端児という事になりますが、約440万年前に存在した私たちヒトの祖先とされている猿人ラミダスは全身が毛で覆われていたとの事。
ところが約180万年前にいたホモ・エレクトスになると毛がなくなっていたと考えられており、この間に人間には大きな変化が起こった事に。
という事で木村多江主演のNHKひとり舞台「毛の運命」スタート。
そもそも体毛は太陽が発する紫外線から肌を守ったり、体毛を逆立てて空気の層を作ることで寒さから身を守る防寒の役割だったりと過酷な環境を生き抜くために役立つ機能が満載。
全身が毛に覆われていた猿人ラミダスは森の中に生息していて、木の上で果物や木の実を食糧にして生活していましたが、そうなると体毛は現代の登山ウェアのような役割を果たしていて、怪我無く安全に生活するためには無くてはならない存在。
ところが気候の変化によって森林や食糧が減少した時代が到来すると、人類の祖先は木を下りて森を出て暮らすように変化。
すると地上に降りたヒトは食糧を手に入れるために狩りを始めるわけですが、新たな生活圏になったとされているアフリカのサバンナで狩りの相手にしていたのはヌーのような体の大きな動物やシカのような足の速い動物たち。
スポンサーリンクサバンナ新規参入組のヒトは弱い存在で、これらの動物たちと真っ向から戦ってもまず勝ち目はなく、そこでヒトは頭脳と持久力を武器に戦う事に。
例えば体の大きい動物は待ち伏せして石などを投げて仕留めたり、足の速い動物相手には長時間追いかけ続けて獲物がバテるのをじっくり待ったり。
となるとそこでネックになるのがサバンナの暑さ。
毛があると熱がこもって体温が上昇してしまい、体や脳の動きが鈍くなってしまうわけで、いつしか毛はかつての役立つ存在から厄介者に。
狩りの成功率を上げるためには毛を捨てる事になった人間の祖先は、毛が無くった代わりに汗をかいて体温を下げるという冷却機能まで獲得して劇的進化。
汗をかく器官の汗腺が発達して体温をコントロールできるようになったおかげでサバンナの炎天下でも動き続けられるようになった事で徐々に狩りが上手くなっていった人間ですが、こうして体毛が薄くて狩りが上手な個体が生き残った結果、どんどんと毛は薄く。
さらに長時間歩き続けられるという能力を得たおかげで人間はアフリカからどんどん移動して、地球上のあらゆる場所へその生息域を広げる事にも成功。
そして今残っている私たちの毛は命を守るために大事な役割を果たしていて、髪の毛は脳を守るヘルメット、目を守るひさしの役割をする眉毛、異物が入らないようにフィルター代わりの鼻毛など。
こういった必要最小限の部位にだけ毛を残して生き残った人間ですが、現代ではさらにツルツルを追求して全身脱毛なども行われていたり。
という事で1問目は以上。
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