将棋の駒に桂や香の漢字が使われているのはなぜ？チコちゃん
25年6月13日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜ将棋の駒はあの漢字？』の答えなどまとめてご紹介。戦いには関係のなさそうな桂や香という漢字が駒に使われている理由とは？
ゲスト出演者
【ゲスト】萩原聖人、YOU
【VTRゲスト】なし
なぜ将棋の駒はあの漢字？
3問目の出題は、
なんで将棋の駒には桂や香の漢字が使われている？
チコちゃんの答えは、
戦争のゲームなのに争いを好まない人たちがやっていたから
解説は大阪商業大学の古作登主任研究員。
日本の将棋の起源と考えられているのはインドのチャトランガというボードゲームで戦争好きの王様を満足させるためにバーチャルな戦いを盤上で再現するというのがそのメインテーマで、兵・像・馬・車・王といった駒を使って最終的に相手の王を先に取ったプレイヤーが勝利するというチェスやシャンチーといった様々な対戦ゲームの元祖ともいわれていたり。
正確な伝承の経路については諸説あるもののチャトランガを起源とするボードゲームが少なくとも平安時代には日本に伝わって将棋に変化したとされていて、平安時代の書物「二中歴」には当時の将棋は現行ルールから飛車と角行を除いた駒を用いて行われていたとか。また、現在は王将と玉将の2種類を使いますが、当時はお互いに玉将のみ。
この当時、将棋を指していた人たちは貴族などの高貴な身分の人たちと僧侶のような教養人がその主な競技層で、奈良の興福寺で日本最古の将棋駒が発見されているのを最たる例として多くの将棋に関する歴史的史料が寺の跡地などから発見されていたり。
平安時代は僧侶はもちろんですが、貴族のその多くは仏教徒ですが、将棋の本質は戦いにあるというのがちょっと厄介で、争いや暴力が禁忌とされた仏教を信奉している者たちがが戦いを模したゲームに熱を上げているというのはちょっとイメージが良くないというのが関係しているのではないかと古作先生。
スポンサーリンクそこで戦いのイメージを払しょくするために仏教において価値のある宝物の名前を駒のネーミングにあてて戦いではなくあくまで宝物を取り合うゲームとしてカモフラージュしたという目的が研究者の間で指摘されているそう。
香・桂・銀・金・玉は仏教においてそれぞれ宝物を指しており、
- 玉(宝玉)＝琥珀などの宝石
- 金・銀＝希少な金属
- 桂(肉桂)＝シナモンに似た植物で肉桂の皮は桂心として重宝された存在
- 香(香木)＝白檀などの香りを楽しむ木で正倉院に収められた高木の蘭奢待(らんじゃたい)は権力者がその所有権を巡って争うほどの貴重品
こういったアイテムたちは仏教の儀式ではお供え物として仏教関連の書物に名前が挙がるほど。
ちなみに飛車と角行は初期の将棋ではまだ誕生前で、ダイナミックな動きをする駒が無い初期の将棋はなかなか勝負が付かないという事で全く人気が出ず、そこで将棋を面白くする目的で駒の種類を多くするというアイデアを採用し、そこで生まれたのが平安大将棋。駒の種類は13種類で今の角行と同じで盤面をダイナミックに動く飛龍という駒が新規採用される事に。
そして鎌倉時代になると大将棋という新ルールが生まれて駒の種類が29種類に一気に増加し、ここで飛車や角行がメンバー入り。
現在見つかっている中で駒の種類が最大のものは大局将棋と呼ばれるもので、その駒の種類は200種類以上という規模。その中では1回のターンで2回動ける獅子や、玉将を取られてもこの駒が無事なら勝負が続くという太子など。ただし大局将棋は駒の数が大きすぎるがゆえに対局に時間がかかり過ぎるという問題点も抱えていたり。
途中では取った相手の駒を自分のチームの駒として再利用できるという持ち駒ルールが取り入れられて、駒の種類を増やさなくてもゲームが適度に複雑になってより深みのあるゲームに。
将棋の起源には諸説あるという事で3問目は以上。
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