サッカーでユニフォーム交換をするようになったのはなぜ?チコちゃん
25年7月18日放送の「チコちゃんに叱られる」の問題『なぜサッカーは試合後にユニフォームを交換するようになった?』の答えなどまとめてご紹介。フランスとイングランドの試合がきっかけだったそうですがその背景とは?
ゲスト出演者
【ゲスト】伊集院光、池田エライザ
【VTRゲスト】内田篤人
なぜサッカーは試合後にユニフォームを交換するようになった?
1問目の出題は、
なんでサッカーは試合後にユニフォームを交換するようになったの?
チコちゃんの答えは、
フランス代表がイングランド代表のユニフォームを欲しがったから
解説は日本体育大学の白旗和也教授。
サッカーに限らずユニフォーム交換はお互いへのリスペクトを表すものとしてバスケットボールやラグビーでも同じような慣習がありますが、そもそもこれが始まったのはサッカーがきっかけと白旗先生。
ユニフォーム交換について残っている最も古い記録は1931年のフランスvsイングランドの試合で当時フランスにとってイングランドは絶対に負けたくない因縁の相手であり、その背景には両国にある長い戦争の歴史が関連。
14世紀初頭にイングランド国王エドワード3世がフランスの王位継承権を主張した事などに端を発する百年戦争や、17世紀後半から約130年続いた第2次百年戦争などフランスはイングランドと200年以上も争い続けて来たという間柄で、さらに1863年にイングランドでサッカーが誕生すると戦争の因縁がピッチ上にも持ち込まれてフランス代表にとってイングランド代表だけは絶対に負けたくない宿敵に。
といっても当時のイングランド代表は世界最強の名を欲しいままにするサッカー王国で、フランス代表にとっては格上の存在。
また、この時イングランド代表はホームの親善試合だけは開催して対外試合は行っていたものの、国際大会のワールドカップについては「世界最強である自分たちがなぜ時間を割いて君たちの国と戦う必要がある?」と参加を拒否。
その代わりにワールドカップ開催の度に優勝チームを自国に招いて試合を行い、イングランド曰く「本当の決勝戦」を開催しては勝利を重ねるというなかなか大胆な態度。
スポンサーリンク一方のフランス代表は当時それほど強いチームではなく、1920年からの20年間で国際大会の戦績は115戦35勝68敗12分と大きく負け越しており、そんな中で行われたのがフランス代表がイングランドの敵地に乗り込んで戦った1923年の試合。
そこでフランス代表は1-4のスコアで大敗を喫し、それ以降の6年間でもフランス代表はイングランド代表に対して通算0勝6敗と連敗地獄に。
しかし、1931年にイングランドのホームで開催された通算7度目の対戦でフランス代表は5-2でイングランド代表を破るという歴史的大勝利。
ところが歓喜に沸くフランス代表は「フランスに帰国して勝利報告をしてもそれを信じてもらえるのか?」という心配事を抱えており、というのも当時はテレビ放送などもなく、イングランドで開催された試合という事もあり、何らかの証拠を持って帰国したいと考えたフランス代表はイングランド代表のユニフォームに目を付ける事に。
そもそもフランスやイングランドのヨーロッパの国々は戦争を繰り返してきたという歴史があり、戦いの勝利者が相手の兜や鎧など身に着けているものを戦利品として奪うという文化が根付いており、そこでターゲットになったのがイングランド代表のユニフォーム。
また、イングランド代表のユニフォームは当時、汗が乾きやすくてシワになりづらい特徴を持っていたシルクで作られており、自分たちが着ている綿製とは全く違うというのも影響したようで「素材が違う事に選手が気付いた」という資料の記述。
違う事に気付いたという事だけが記録に残っているので、それからどうしたのかは定かではないものの、ひょっとするとイングランド代表のシルクのユニフォームを羨ましがって自分たちもシルク製にして欲しいと関係者に訴えたかったのかも?と白旗先生の見解。
そんなこんなで、タダでユニフォームを貰うのは気が引けるので交換を提案したというのが有力な説。
そこから時代が経て、互いの健闘を称え合うという意味合いでユニフォーム交換をするのが世界中に浸透したのは1970年メキシコW杯でのブラジル vs イングランドの一戦がきっかけと言われていて、サッカーの王様ペレが率いるブラジル代表と世界屈指のディフェンダーと称されたボビー・ムーア擁するイングランド代表が「勝った方が決勝トーナメント進出を決める」という白熱の展開の中で行われた試合は1-0でブラジル勝利という結果に。
すると試合後に世界的スーパースターのペレとボビー・ムーアが笑顔でユニフォーム交換を行い、その様子がテレビで放送された事で勝っても負けてもユニフォーム交換を行って敬意を示すという意味合いが世界中の知る所に。
ちなみにサッカー元日本代表で国内はもちろん海外リーグでも活躍した内田篤人に交換したユニフォームの保管について聞いてみると、実家に50~60枚ほど保管してあるとか。
少なくともハーフタイムなどには「終わったら交換してよ」と事前に予約しておかないと人気選手のユニフォームは早い者勝ちで引く手あまただそうで、試合前の入場を待っている段階で既に交渉済みだったり、個人的な親交があれば「明日の試合でユニフォーム交換しよう」なんて事も。
また、交換するユニフォームは自腹でドイツのブンデスリーガ時代には1枚のユニフォーム交換につき50ユーロ(約8500円)ほどの金額が給料から天引きされていたようで、この辺はリーグや代表戦などで異なっているとか。
日本代表戦はサッカー協会が全額負担しているので交換についてはお金面について選手が考える必要はなし。
そんな内田篤人は今はイチローのユニフォームが欲しいとか。
という事で1問目は以上。
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